今回は、台湾女子を引っ張る大黒柱で、女子の中でもパワープレーヤーとなる鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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鄭怡静とは?
鄭怡静は、2008年からU21女子の中ではトップクラスの実力を持ち、一般に出てからも上位進出をし続けている選手です。女子ワールドカップではベスト4に入ることもしばしばあり、女子の中でもトップクラスの技術を持ち始めています。
台湾代表チームの要として活躍するだけでなく、Tリーグにもトップおとめピンポンズ名古屋の一員として参戦した経歴があります。
プロフィール
鄭怡静は、1992年2月15日生まれの28歳(2020年4月時点)です。台湾出身で、Tリーグ・トップおとめピンポンズ名古屋に所属していました。2019/2020シーズンは4試合に出場し、石川佳純(全農)に勝利したこともあります。
台湾代表としても国際大会で上位に進出してきています。石川とは何度か対戦していますが、いずれもゲームオールまで持ち込む接戦となっています。2020年のハンガリーオープンでは準決勝で石川に競り勝ち、決勝で“大魔王”、伊藤美誠(スターツ)とゲームオールまで持ち込む大熱戦を見せました。
自身のInstagramには、トレーニングの様子から、キャラクターグッズと撮った写真などが投稿されています。こちらにも注目です。
プレースタイル
鄭怡静の戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、中陣での男子顔負けの威力を誇る両ハンドドライブと、中陣を縦横無尽に駆け回ることができる俊敏なフットワークが特徴です。中でもバックハンドはコースの打ち分けをすることも可能で、ラリーでは簡単にミスをしない選手です。
女子卓球もプラスチックボールへの変更で変化しました。1つは、球の速度が遅くなったことで女子選手も中陣まで下がってプレーがしやすくなりました。それまではボールも速いうえ、互いに前陣で戦うことが多かったため相手のレシーブがとても速く下がれるほどの隙はありませんでしたが、プラスチックボールになってからは中国を始めアジア各国の選手が中陣や後陣でプレーをすることが多くなりました。
もう1つは用具です。男子卓球でも同じように、回転の変化で勝負することが多くなったので、粘着性ラバーや硬いラバーを使う選手が増えてきています。そして、伊藤のように表ソフトを使う選手やカットマンも回転の変化をつけることが容易になり、戦いやすくなりました。
鄭怡静は、元々あったフットワークとパワーに加え、用具を変えたことでさらに力強いプレーをすることが可能になりました。俊敏なフットワークで自分の最適な打球ポイントまで身体を持っていくことができるようになり、充分な体勢でドライブを打つことができます。
使用用具
鄭怡静はBUTTERFLYの契約選手で、ラケットはアリレートカーボン搭載の特注品で、ラバーはフォア面に「ディグニクス09c」、バック面に「テナジー05ハード」を使用しています。
世界ランキング
鄭怡静の世界ランキングは8位(2020年3月時点)です。元々200位台からスタートし、2009年からは2桁ランクに落ち着いてきています。近年は1桁ランクへの上昇もみせています。最高ランクは2017年3月の5位です。
国際大会での主な成績
2008年 | 中国オープン | U21女子シングルス優勝 |
2009年 | 中国オープン | U21女子シングルス優勝 |
2010年 | カタールオープン | U21女子シングルスベスト4 |
クウェートオープン | U21女子シングルスベスト4 | |
韓国オープン | U21女子シングルスベスト4 | |
中国オープン | U21女子シングルスベスト4 | |
2011年 | 中国オープン | U21女子シングルス優勝 |
2016年 | ハンガリーオープン | 女子シングルスベスト4 |
ジャパンオープン | 女子シングルスベスト4 | |
スウェーデンオープン | 女子シングルスベスト4 | |
世界選手権 | 女子団体3位 | |
2017年 | 女子ワールドカップ | 女子シングルス3位 |
ドイツオープン | 女子ダブルス準優勝 | |
2018年 | アジアカップ | 女子シングルス4位 |
女子ワールドカップ | 女子シングルス3位 | |
ドイツオープン | 女子シングルスベスト4 | |
2019年 | 香港オープン | 女子シングルスベスト4 |
チームワールドカップ | 女子団体3位 |
まとめ
台湾の大黒柱が、そのパワープレーを持って国際大会でタイトル獲得なるか。今後の彼女の活躍に目が離せません。
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