文:ラリーズ編集部
今回は、2018年のスウェーデンオープンU21女子シングルスで優勝、混合ダブルスで香港オープン優勝の崔孝珠(チェヒョジュ・韓国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
>>団体戦のダブルスは超重要!? Tリーグの試合結果から分析
>>卓球の見方は5分で変わる 16cmのトスが明暗を分ける「サーブ」に注目
崔孝珠とは?
崔孝珠は、2015年のクロアチアオープン女子シングルスで優勝、2017年の韓国オープンとオーストラリアオープンでともにU21女子シングルスベスト4、2018年にはスウェーデンオープンの同種目で優勝と、実力を上げてきている韓国の期待の若手選手です。
他にも、李尚洙(イサンス・韓国)と組んだ混合ダブルスでは、2019年の香港オープンで優勝、梁夏銀(ヤンハウン・韓国)と組んだ女子ダブルスでは2019年の韓国オープンで準優勝するなどマルチに活躍できる選手です。
プロフィール
崔孝珠は、1998年4月4日生まれの21歳(2020年3月時点)です。中国出身で、2013年から韓国に籍を移し活躍しています。
現在は韓国代表として数々の国際大会に参加しています。先日行われた東京五輪団体戦の世界最終予選では第2ステージで優勝し、韓国代表の本戦出場の立役者となりました。2020年の世界選手権団体戦メンバーにも登録されています。
プレースタイル
崔孝珠の戦型は左シェークでバック表ソフトの前陣速攻型で、パワーのあるフォアドライブとバックハンドの表ソフトでの多彩なプレーが特徴です。
バック表のトップ選手といえば、日本では伊藤美誠(スターツ)や元卓球選手の福原愛さんが代表格として挙げられます。いずれも、世界のトップを走る中国選手に勝利することが多い選手です。
バック面に使用されている表ソフトは、表面の粒が粒高ラバーよりも硬いためボールに回転を加えることができつつ、裏ソフトよりもボールに接触する面積が小さいため相手のレシーブの回転の影響を受けづらいという特徴があります。
バック表の選手はこの特性を利用して、バックハンドの攻撃時の変化とブロック時の変化で相手を惑わすことができます。また、バックの変化を嫌った相手がフォアサイドにレシーブを送れば、強烈なフォアハンドの攻撃が放たれるということで、バック表の前陣速攻型は“完成された戦型”と言えます。
崔孝珠はこの戦型に加えて左利きの特徴を持ち合わせているため、相手からしたらとても対策が取りづらい選手です。左利き特有の右利き相手のフォアサイドを抜けていくロングサービスを多用しつつ、3球目の回り込んでのフォアドライブにつなげることが得意です。
使用用具
崔孝珠の使用用具はラケットがSTIGAの「クリッパーCR」、ラバーはフォア面に紅双喜の「キョウヒョウ3」の特注ブルースポンジ、バック面に表ソフトラバーを使用しているそうです。
表ソフトには粒の並び方によって種類が異なります。ラバーの商標を手前にして見たときに、粒が縦に並んでいる「縦目」と横に並んでいる「横目」の2種類が存在します。
「縦目」の表ソフトが直線的な弾道で、回転の変化がつきやすいのに対して、「横目」の表ソフトは安定感と多彩なプレーがしやすいです。現在、世界のトップ選手と戦っている伊藤は、Nittakuの表ソフトで「縦目」の「モリストSP」を使用しています。
世界ランキング
崔孝珠の世界ランキングは57位(2020年3月時点)です。2015年4月の世界ランキング登録時以来2桁ランクをキープし続けています。最高ランクは2016年2月の36位です。また、U21の最高ランクは2019年2月の6位、ジュニア時代の最高ランクは2016年4月の3位です。
国際大会での主な成績
2015年 | クロアチアオープン | 女子シングルス優勝、U21女子シングルス優勝 |
ブルガリアオープン | U21女子シングルス優勝 | |
2016年 | スウェーデンオープン | U21女子シングルス準優勝 |
2017年 | 韓国オープン | U21女子シングルスベスト4 |
2017年 | オーストラリアオープン | U21女子シングルスベスト4 |
2018年 | スウェーデンオープン | U21女子シングルス優勝 |
2019年 | 香港オープン | 混合ダブルス優勝(李尚洙と) |
2019年 | 韓国オープン | 女子ダブルス準優勝(梁夏銀と) |
まとめ
韓国の新星が国際大会でタイトル獲得なるか。今後の彼女の活躍に目が離せません。