文:ラリーズ編集部
今回は、2015年のジュニアヨーロッパ選手権で優勝、以前紹介したダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)と同じく次世代を担う若手として期待されている、デニ・コズル(スロベニア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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デニ・コズルとは?
デニ・コズルは、2018年オーストリアオープンでマティアス・ファルク(スウェーデン)に勝利したり、2019年の世界選手権ではノシャド・アラミヤン(イラン)に勝利したりと、格上選手に対して勝ち星をあげスロベニアで急成長を遂げている選手で、ダルコ・ヨルジッチとともに次世代を担う若手として注目が高まっています。また、2015年のジュニアヨーロッパ選手権ではシングルスで優勝、2017年のヨーロッパ選手権で3位と若手ながら実績のある選手です。
プロフィール
デニ・コズルは、1997年3月18日生まれの22歳(2020年2月時点)です。7歳で卓球を始めて、2011年にプロとしてワールドツアーに初参戦しています。スロベニア出身で、現在はTTC indeland Jülichに所属し、日々の試合で実力をつけています。
また、現在はスロベニア代表チームで活躍しています。団体戦でも、ボヤン・トキッチ(スロベニア)やダルコ・ヨルジッチらとともにチームに勝利をもたらす選手です。2019年のワールドツアーではダルコ・ヨルジッチやボヤン・トキッチとペアを組んで出場。タイトル獲得ならずとも、勝利を積み重ねてきています。
プレースタイル
デニ・コズルの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、バックハンドから攻撃の展開を作るのが特徴の選手です。また、ヨーロッパのトップ選手によくみられる中陣からの安定した両ハンドの攻撃も強さの一つです。
ヨーロッパの選手の特徴として、スピードよりも回転を重視したドライブを多用するところがあります。これは、強烈な回転をかけることで相手のカウンターをやりづらくさせたり、回転によるブロックのオーバーミスを誘うと同時に、次に打つ為の時間を作るのが目的です。また、スピードドライブだと威力は出るものの、ボールの描く弧線がスピンをかけたドライブよりも低くなるために、ネットに引っかかったり力の入り具合でオーバーミスをしてしまったりとリスクがあるがゆえに、ループドライブを多く使っていることがあります。
しかし、デニ・コズルは中陣からのドライブの際にスピードドライブを使い、相手に充分な時間を与えないようにしています。また、相手のサービスに対してもバックハンドのフリックやチキータを多用して、上回転のラリーに持っていくことが多いです。自らのサービスも順回転系が多く、得意なバックハンドドライブへとつなげる戦術を用いています。
使用用具
デニ・コズルの使用用具は、ラケットが世界のトップ選手にも多く使用されているアリレートカーボンを搭載したバタフライの「ティモボルALC」で、ラバーはフォア面・バック面ともに、滑らないシートと相手の回転に負けない固いスポンジを搭載し、契約選手の多くが使用しているTIBHARの「エボリューション MX-P」を使用しているそうです。
世界ランキング
デニ・コズルの世界ランキングは105位(2020年2月時点)です。2011年にワールドツアーに初参戦して世界ランキングを取得。2019年に初のランキング2桁を記録し、その後は多少の変動がありつつも、2017年12月以降90~100位台前半をキープしています。最高ランキングは2019年6月の87位です。なお、2018年まで持っていたU21の世界ランキングでは、2018年1月の11位が最高ランクです。
国際大会での主な成績
2015年 | ジュニアヨーロッパ選手権 | シングルス優勝 |
2017年 | ヨーロッパ選手権 | シングルス3位 |
2018年 | 地中海競技大会 | 団体優勝 |
まとめ
スロベニアの期待の若手が東京五輪で、その実力を見せる時が来るのでしょうか。日本だけでなく、スロベニアチームの試合にも注目です。