文:ラリーズ編集部
今回は、40歳を迎えても尚結果を残し続けるベテラン選手の侯英超(ホウエイチョウ・中国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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侯英超とは?
侯英超はTリーグ・木下マイスター東京での活躍が光っている選手ですが、Tリーグ以外にもポーランドリーグや中国国内の大会で結果を残すベテラン選手です。体格の大きさを活かして、コートを縦横無尽に駆け回りつつしっかりと回転の変化をつけて相手を惑わすことができる選手です。
中国国内の大会でも、期待の若手と称される選手に勝利して優勝を飾るなど若さに負けない経験値と実力を持っている選手です。Tリーグでもその力を持って、シーズンのMVPに輝いた実績があります。
プロフィール
侯英超は、1980年6月15日生まれの40歳(2020年8月時点)です。中国出身で、現在はカナダの卓球協会に登録しています。また、Tリーグ・木下マイスター東京に所属していて、2ndシーズンのMVPにも選出されました。
2014年に中国代表チームから抜けて以降、国際大会の舞台に立つことは少なくなりましたが、ポーランドリーグで活躍しています。2019年に行われた全中国選手権男子シングルスでは、中国の男子代表チームの馬龍(マロン)や樊振東(ファンジェンドン)、許昕(シュシン)が欠場していたものの、準々決勝で梁靖崑(リャンジンクン)、決勝では王楚欽(ワンチューチン)に勝利し優勝をつかみ取りました。
写真:侯英超/提供:ittfworld
Tリーグでは、試合出場数に対する勝率も高く、日本のプロ卓球選手に数々の勝利を収めています。2ndシーズンではその勝率の高さからシーズンのMVPに選出されました。3rdシーズンへの参戦も決定されています。木下マイスター東京には、韓国の主力選手、張禹珍(チャンウジン・韓国)の参戦も決定し、戦力の強化を行っています。
プレースタイル
侯英超の戦型は右シェーク裏表のカットマンで、変化幅の大きいカットと隙を見計らった攻撃が特徴の選手です。特に表ソフトのカットは回転量の多いカットとナックルカットの区別がつけづらく、相手にとっては厳しいボールとなります。
写真:侯英超(KM東京)/撮影:ラリーズ編集部
カットが優れている中でも侯英超の特徴として挙げられるのが、カーブロングの回転量です。カーブロングは、中後陣から相手のドライブに対して横回転をかけて返す技術で、カットマンには必須の技術ともいえます。カーブロングがあることで、カットの回転量の差をうまく利用できたり、相手のドライブのコースを絞れたりすることができます。
侯英超のカーブロングは回転量の多さゆえに、相手が強打できずにつなぎとなってしまったボールに対してカウンターを仕掛けたり、表ソフトで切れたカットを打ったりと自分に優位な展開に持っていくことができます。
使用用具
侯英超の使用用具は、ラケットは紅双喜の特注物で、ラバーはフォア面に典馳の裏ソフト「DC(ディアンチ)」、バック面にTSPの表ソフト「スペクトル」を使用しているそうです。
フォア面に使用している「DC(ディアンチ)」は、中国のメーカー・典馳が日本向けに開発したラバーで、中国ラバーの打球感を残しつつ弾みを強化したスピード系のラバーです。このラバーには、已打底(前加工)と呼ばれるものを使用していて加工なしのラバーと比べて弾みが格段に強くなっています。
中国ラバーは硬いものが多く、パワー型の選手でないと扱いにくいという印象がありますが、已打底(前加工)されているラバーであれば、打球感が柔らかくなるため扱いやすくなります。
世界ランキング
侯英超の世界ランキングはありません。近年は、Tリーグやポーランドリーグへ積極的に参加していたため国際大会に出場する機会がありませんでした。最高ランクは2007年1月の10位です。アンダー21の最高ランクでは2003年3月の3位と、世界トップクラスの実力を持っていたことがわかります。
国際大会での主な成績
2015年 | ロサンゼルスオープン | 男子シングルス優勝 |
2016年 | ヨーロッパチャンピオンズリーグ | 男子団体優勝 |
ロサンゼルスオープン | 男子シングルス準優勝 | |
2017年 | ロサンゼルスオープン | 男子シングルス準優勝、男子ダブルス優勝、男子団体優勝 |
2018年 | ポーランドリーグ | 男子団体優勝 |
ポーランドリーグカップ | 男子団体優勝 | |
2019年 | 全中国選手権 | 男子シングルス優勝 |
まとめ
中国選手権を制覇したベテランカットマンが再び世界の舞台で頂点に立つことはあるのか。今後の彼の活躍に目が離せません。