文:ラリーズ編集部
今回は、2023年世界選手権で女子ダブルス銅メダルを獲得した木原美悠を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用器具などの基本的な情報から、最年少で全日本選手権決勝まで進出するなどの国内外の戦績についても触れていきます。
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このページの目次
木原美悠とは?
写真:木原美悠/撮影:伊藤圭
木原美悠は、小学生の頃から各世代で優勝を重ね、幼少期から実力を認められており、テレビ番組にも多数出演してきました。2019年の全日本選手権5回戦では平野美宇を破り、その後も格上相手に次々と勝利し、14歳ながら決勝進出を果たしました。
2019年のグランドファイナルでは、長﨑美柚とペアを組んだ女子ダブルスで優勝するなど、若くして将来を期待される選手の1人です。
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木原美悠のプロフィール
木原美悠(きはらみゆう)は2004年8月3日生まれの19歳(2024年7月時点)で、兵庫県明石市出身です。父親が元卓球選手である卓球一家に生まれ、卓球をしていた姉と兄の影響もあり4歳で卓球を始めました。兄の翔貴さんは名門・東山高校出身で、現在はTリーグのTOP名古屋と女子ジュニアナショナルチームの監督を務めています。弟の寿馬は、2021年全日本選手権バンビの部準優勝を果たしており、姉同様に将来が嘱望されている選手です。
写真:木原寿馬/撮影:ラリーズ編集部
幼少期は父親が運営しているALL STARで練習を重ね、小学生の頃は毎日4時間以上の練習をし、時には深夜まで練習をする日もあったそうです。そんな厳しい練習の甲斐もあり、小学生の頃から同世代でトップレベルの実力を示し、2011年のバンビの部で全国初優勝したことをきっかけに各世の大会で優勝を経験しました。
写真:木原美悠/撮影:伊藤圭
2015年2月のジャパントップ12に史上最年少である10歳と8ヶ月で出場を果たすと、この年の9月に、ITTFジュニアサーキット・チャイニーズタイペイジュニア&カデットオープンのジュニア女子シングルスで優勝しました。
写真:木原美悠/撮影:ラリーズ編集部
2019年1月の全日本選手権で平野美宇を5回戦で下し、最年少で決勝進出し注目を集めました。決勝で伊藤美誠に敗れたものの、準優勝という素晴らしい成績を残しました。
2019年の世界ジュニア卓球選手権大会では、混合ダブルスと女子ダブルスで優勝しました。同年、ITTF ワールドツアーグランドファイナル女子ダブルスで長﨑美柚とのペアで優勝しており、ダブルスではすでに世界レベルの実績を出しています。
写真:長﨑美柚(写真右)と木原美悠/撮影:ラリーズ編集部
2020年には全日本選手権で長﨑との女子ダブルスで3位に入賞し、更なる飛躍が期待されましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、ほとんどの大会がなくなってしまいました。それでも、2020年後半から徐々に活動を再開し、2021年1月に開催された全日本選手権では女子シングルスベスト4入りを果たし、強さを見せます。
そして同年12月に開催された世界ユース選手権では、女子シングルス準優勝、女子ダブルス3位、混合ダブルス優勝、女子団体3位と、出場全種目で入賞を果たしました。
国内外の大会で強さを発揮するようになった木原ですが、2022年に入ってもその勢いは止まりませんでした。1月の全日本選手権では2大会連続の女子シングルス3位、ジュニア女子シングルスでは悲願の初優勝を掴みます。
そして、3月に開催された第1回パリ五輪代表国内選考会(TOP32東京大会)でベスト4入りを果たし、念願だった世界選手権代表権を獲得します。
写真:世界選手権成都大会女子日本代表/提供:WTT
同年10月に開催された世界選手権成都大会では、自身初となる世界選手権出場を果たし、女子日本代表の銀メダル獲得に大きく貢献しました。
写真:木原美悠/撮影:ラリーズ編集部
木原美悠は卓球国内リーグ・Tリーグにも参戦しており、木下アビエル神奈川に所属しています。2022-2023シーズンはシングルス10勝6敗、ダブルス8勝3敗とチームのリーグ初制覇に大きく貢献しました。2023-2024シーズンも木下アビエル神奈川からTリーグへの参戦が発表されています。
2023年の全日本選手権では女子シングルスで4年ぶりの決勝進出を果たし、決勝で早田ひなに敗れたものの準優勝に輝き、高校生最後の大会を好成績で締めくくりました。
同年3月に高校を卒業し、JOCエリートアカデミーも卒業した木原は、4月から木下グループ所属のプロ選手として活動をスタートさせます。
写真:世界選手権ダーバン大会女子ダブルスで銅メダルを獲得した木原美悠(写真左)と長﨑美柚/提供:ittfworld
同年5月には、自身初の世界選手権個人戦となる世界選手権ダーバン大会に参加。女子シングルスと女子ダブルスに出場し、長﨑美柚との女子ダブルスで銅メダルを獲得しました。
写真:張本美和と木原美悠/提供:WTT
その4ヶ月後に開催された杭州アジア競技大会では張本美和との女子ダブルスで、準々決勝で孫頴莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)ペアを破る大金星を挙げ、銅メダルを獲得しました。
木原美悠のSNS
🏆🏆🏆
素直に嬉しい。
シングルスは、決勝でハンイン選手が途中で棄権という形で自分の優勝が決まってしまって、少し複雑な気持ちがありますが、最後まで粘った甲斐がありました。応援して下さった方々、近くでサポートして下さった方々本当にありがとうございます🙇♀️
次はアジア競技大会選考会🔥 pic.twitter.com/J4fhx645at
— 木原美悠 Miyuu KIHARA (@KiharaMiyuu) April 3, 2022
木原美悠のプレースタイル
木原美悠は、裏ソフトラバーをフォア面に、表ソフトラバーをバック面に貼った右シェーク裏表前陣速攻型で、卓球台により近い位置でプレーすることを得意とするプレースタイルです。
写真:木原美悠/撮影:ラリーズ編集部
木原美悠の武器は、カウンターです。ラリーでもほとんど下がることなく前陣でプレーをし、強烈なカウンターを武器としています。もう1つの武器はサーブです。巻き込みサーブを中心に、ベテラン選手でもレシーブに苦戦するほど回転のわかりづらいサーブで圧倒しています。また身長も164cmと女子選手の中では高いほうなので、威力のある強打も魅力の1つといえます。
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木原美悠の使用用具
VICTASの契約選手である木原美悠は、ラケットはVICTASの『ファイヤーフォールVC』、ラバーはフォア面にVICTASの『V>15 Extra』、バック面にはVICTASの『VO>102』を使用しています。
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木原美悠の世界ランキング
木原美悠の世界ランキングは22位(2024年7月時点)で、最高ランキングは13位(2022年7月)です。
11歳の時に164位、12歳と11ヶ月で100位以内である92位にランクインし、13歳である2018年4月の発表では79位となりました。そして、2022年7月には、自己最高の13位をマークし、名実ともに世界トップ選手の仲間入りを果たしました。
木原美悠の国内大会での主な戦績
2011年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:優勝 |
2012年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:優勝 |
2014年 | 全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス:優勝 |
2015年 | 全日本卓球選手権(カデット13歳以下の部) | 女子シングルス:優勝 |
2016年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:優勝 |
全国ホープス選抜 | 女子団体:優勝 | |
2017年 | 全国ホープス | 女子団体:準優勝 |
全中 | 女子シングルス:優勝 | |
2019年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:準優勝 |
2020年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8、女子ダブルス:3位(ペア:長﨑美柚) |
2021年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:3位 |
2022年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:3位、混合ダブルス:3位(ペア:宇田幸矢)、ジュニア女子シングルス:優勝 |
TOP32東京大会 | 女子シングルス:3位 | |
TOP32船橋大会 | 女子シングルス:4位 | |
2023年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:準優勝 |
2024年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8、女子ダブルス:優勝(ペア:長﨑美柚)、混合ダブルス:優勝(ペア:篠塚大登) |
木原美悠の国際大会での主な戦績
2014年 | ジュニアサーキット・イタリアジュニア&カデットオープン | ジュニア団体:優勝、カデット女子シングルス:準優勝、ジュニア女子ダブルス:準優勝 |
2016年 | ジュニアサーキット・イタリアジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス:優勝、ジュニア女子団体:準優勝、ジュニア女子シングルス:準優勝 |
ジュニアサーキット・香港ジュニア&カデットオープン | カデット女子シングルス:優勝 | |
2017年 | ジャパンオープン | U21女子シングルス:準優勝 |
アジアジュニア卓球選手権大会 | ジュニア女子団体:準優勝 | |
ジュニアサーキット・イタリアジュニア&カデットオープン | ジュニア女子ダブルス:優勝、ジュニア女子団体:準優勝 | |
世界ジュニア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:木村光歩)、女子団体:銀メダル | |
2018年 | スロベニアオープン | 女子ダブルス:準優勝(ペア:長﨑美柚) |
2019年 | スロベニアオープン | 女子ダブルス:優勝(ペア:長﨑美柚) |
クロアチアオープン | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝(ペア:長﨑美柚) | |
世界ジュニア選手権 | 女子ダブルス:金メダル(ペア:長﨑美柚)、混合ダブルス:金メダル(ペア:宇田幸矢)、女子団体:銀メダル | |
グランドファイナル | 女子ダブルス:優勝(ペア:長﨑美柚) | |
2021年 | WTTコンテンダードーハ | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:ベスト4(ペア:早田ひな) |
WTTスターコンテンダードーハ | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:早田ひな) | |
世界ユース選手権 | U19女子シングルス:銀メダル、U19女子ダブルス:銅メダル(ペア:小塩遥菜)、U19混合ダブルス:金メダル(ペア:篠塚大登)、U19女子団体:銅メダル | |
2022年 | WTTスターコンテンダードーハ | 女子シングルス:優勝 |
WTTチャンピオンズブダペスト | 女子シングルス:ベスト8 | |
世界選手権成都大会 | 女子団体:銀メダル | |
世界ユース選手権 | U19女子シングルス:金メダル、U19女子ダブルス:金メダル(ペア:張本美和)、U19女子団体:銅メダル | |
2023年 | WTTスターコンテンダーバンコク | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:長﨑美柚) |
世界選手権ダーバン大会 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:長﨑美柚) | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子ダブルス:準優勝(ペア:張本美和) | |
WTTコンテンダーリマ | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:ベスト4(ペア:長﨑美柚) | |
アジア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:長﨑美柚)、女子団体:銅メダル | |
杭州アジア競技大会 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:張本美和)、女子団体:銀メダル | |
WTTコンテンダー太原 | 女子シングルス:ベスト4 | |
混合ワールドカップ | 混合団体:3位 | |
WTTファイナルズ名古屋 | 女子ダブルス:準優勝 | |
2024年 | WTTシンガポールスマッシュ | 女子ダブルス:ベスト4(ペア:朱芊曦) |
WTTコンテンダー太原 | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダーザグレブ | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 女子ダブルス:優勝(ペア:長﨑美柚) |
まとめ
木原美悠は小学生の頃から今後注目の若手選手として注目されていましたが、全日本選手権で平野美宇を倒し、決勝まで上がったことで一気に注目を浴びました。五輪で2大会連続メダルを獲得する実力のある日本卓球女子ですが、彼女が出てきたことでより一層日本のレベルも上がりそうです。
またワールドツアーへ積極的に参加していき、2024年のパリ五輪のメンバーに名乗りを上げ、代表争いに入ってくることが期待されています。そしてまだ17歳なので、これからどのように成長して日本のトップで活躍してくれるか楽しみです。
木原美悠以外の日本選手のプロフィールはこちら
男子選手
張本智和/宇田幸矢/丹羽孝希/及川瑞基/吉田雅己/木造勇人/森薗政崇/吉村和弘/吉村真晴/戸上隼輔/大島祐哉/上田仁/神巧也/松平健太/村松雄斗/松島輝空/英田理志/曽根翔/篠塚大登/吉山僚一/鈴木颯/田中佑汰/横谷晟/松下大星/龍崎東寅/松山祐季/田添健汰/有延大夢/高見真己/岸川聖也/田添響/町飛鳥/三部航平/谷垣佑真/濵田一輝/宮川昌大/柏竹琉/大矢英俊/郡山北斗/藤村友也/五十嵐史弥/野田颯太/渡部民人/吉山和希/松平賢二/高木和卓/萩原啓至/小西海偉/坪井勇磨/水谷隼/平野友樹
女子選手
長﨑美柚/伊藤美誠/早田ひな/平野美宇/佐藤瞳/加藤美優/小塩遥菜/安藤みなみ/張本美和/芝田沙季/橋本帆乃香/南波侑里香/森さくら/成本綾海/松平志穂/鈴木李茄/森薗美咲/塩見真希/大藤沙月/野村萌/森薗美月/皆川優香/相馬夢乃/木村香純/梅村優香/赤江夏星/出澤杏佳/麻生麗名/永尾尭子/横井咲桜/白山亜美/大川真実/面田采巳/杉田陽南/三村優果/枝廣瞳/鶴岡菜月/岡田琴菜/笹尾明日香/面手凛/小塩悠菜/平野早矢香/若宮三紗子/石川佳純/四元奈生美/打浪優/前田美優/石垣優香/谷岡あゆか/山本笙子/井林茉里奈
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木原美悠インタビュー
写真:木原美悠/撮影:伊藤圭