文:ラリーズ編集部
今回は、欧州で急成長を遂げる“日本キラー”のリアム・ピッチフォード(イングランド)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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リアム・ピッチフォードとは?
リアム・ピッチフォードは、2016年の世界選手権から頭角を現し、近年はさらに成長しているヨーロッパのトップ選手です。日本人選手との相性も良いことから、“日本選手キラー”の異名も持っています。
2020年のカタールオープンでは、並みいる強敵を次々と撃破し、見事準優勝を飾りました。ヨーロッパ国内でもティモ・ボル(ドイツ)やドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)、アジアでも馬龍(マロン・中国)や許昕(シュシン・中国)らに勝利するなど、世界トップの実力を持っています。
プロフィール
リアム・ピッチフォードは、1993年7月12日生まれの29歳(2022年9月時点)のイギリス人選手です。Tリーグ・T.T.彩たまに所属しおり、水谷隼氏や吉村真晴(愛知ダイハツ)、2020年全日本選手権シングルスベスト4の吉田雅己(木下グループ)に勝利した実績があります。
過去にはデンマークのクラブチーム・ロスキレに所属し、ヨーロッパチャンピオンズリーグにも参戦していました。
また、イングランド代表としても2016年の世界選手権団体準決勝で日本チームと対戦、リアム・ピッチフォードは吉村や水谷と大熱戦を繰り広げました。張本智和(木下グループ)とも相性が良く、近年は勝ち越しています。
自身のInstagramには、大会の様子から私生活まで様々な写真が投稿されています。こちらも注目です。
プレースタイル
リアム・ピッチフォードの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、高身長ながらも上手く処理できる台上技術と、長いリーチから繰り出される両ハンドドライブが特徴です。
リアム・ピッチフォードはラリーの中で緩急をつけるのが上手い選手です。ラリーになっても、途中でブロックをしたりかけ返したりと、相手に揺さぶりをかけることができ相手のミスを誘うのが上手いです。2020年のカタールオープンでは、準決勝で世界ランク1位の許昕を相手に緩急をつけたプレーで熱戦を繰り広げ、4-2で勝利し結果準優勝に輝きました。
高身長な選手は上回転での勝負を好む傾向があるため、相手のサーブに対してもあえて長いツッツキを利用して相手にドライブを打たせる展開が多いですが、リアム・ピッチフォードは自ら台上でフリックやチキータを駆使して仕掛けることが多いです。万が一相手に先に仕掛けられてもラリーで立て直せることができるため、台上から積極的に攻撃していきます。
使用用具
リアム・ピッチフォードはVICTASの契約選手で、ラケットは「ZX-GEAR OUT」、ラバーは両面に「V15 エキストラ」を使用しています。
「V15 エキストラ」を使用するトップ選手も多く、日本では丹羽孝希(スヴェンソン)や吉村和弘(東京アート)らが使用しています。相手に打ち負けることがない硬さと、フルスイングの時に繰り出される威力の高さがトップ選手に好まれています。
世界ランキング
リアム・ピッチフォードの世界ランキングは22位(2022年9月時点)です。最高世界ランキングは12位(2019年8月)です。
国際大会での主な成績
2013年 | ドイツオープン | U21男子シングルスベスト4 |
ポーランドオープン | U21男子シングルスベスト4 | |
2016年 | 世界選手権 | 男子団体3位 |
2018年 | チームワールドカップ | 男子団体3位 |
チェコオープン | 男子シングルスベスト4 | |
オーストリアオープン | 男子シングルスベスト4 | |
世界選手権 | 男子団体5位 | |
コモンウェルスゲーム | 男子ダブルス優勝 | |
2019年 | チームワールドカップ | 男子団体5位 |
2020年 | ヨーロッパトップ16 | 男子シングルス5位 |
カタールオープン | 男子シングルス準優勝 | |
2021年 | ヨーロッパトップ16 | 男子シングルスベスト8 |
WTTスターコンテンダードーハ | 男子シングルスベスト4 | |
2022年 | コモンウェルスゲームズ | 男子シングルス準優勝 |
まとめ
うつ病からの復活を遂げ、さらに高みを目指し成長する“日本キラー”が国際大会でどんな波乱を起こすのか。今後の彼の活躍に目が離せません。