文:ラリーズ編集部
今回は、多くの国際大会で日本人選手から勝ち星を得たり、2020年ヨーロッパトップ16男子シングルスでベスト4に残ったりと着実に頭角を現してきている若手のトミスラブ・プツァル(クロアチア)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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トミスラブ・プツァルとは?
トミスラブ・プツァルは、2019年のクロアチアオープンで、神巧也(T.T.彩たま)や田添健汰(木下グループ)、松平賢二(協和キリン)らから勝利しベスト4に残るなど、対日本人選手の戦績は良いと言えます。
また、2020年のヨーロッパトップ16男子シングルスでは準々決勝でポルトガルのエース、マルコス・フレイタス(ポルトガル)に4-2で勝利しベスト4と、ヨーロッパの中でも有力な若手として期待がかかっています。
プロフィール
トミスラブ・プツァルは、1996年1月26日生まれの24歳(2020年2月時点)です。クロアチア出身で、現在はドイツ・ブンデスリーガでフルダ・マーバーツェルに所属しています。2019/2020シーズンでは単複2点起用が多く、チームの中では勝率の高いエースとして奮闘しています。
また、クロアチア代表チームとしても数々の国際大会に出場しています。シングルスでの戦績としては、2019年のクロアチアオープンのベスト4やオマーンオープンのベスト4が最も高く、その他の大会でもベスト16以上に残ることが多い実力の持ち主です。
2019年のオマーンオープンでは台湾の天才ルーキー、林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)と準決勝で激闘を繰り広げています。
プレースタイル
トミスラブ・プツァルの戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、前陣での安定したフォアハンドの攻撃と大柄ながら素早いフットワークを活かした打点の早いバックハンドの攻撃が特徴です。
一般的に高身長の選手は、台上の技術よりもラリーの技術が得意な選手が多く前陣でのブロックやカウンターから中後陣でのラリーにつなげることが多くみられます。ブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)がその代表例です。また、高身長の選手は比較的フットワークが速くない傾向があります。元々手足が長いために小柄な選手よりも動く範囲が小さいためこのような傾向が生まれやすいです。それに加えて、リーチの長さから体の近くで打球することが苦手な選手もいます。
しかし、トミスラブ・プツァルは前陣でプレーをすることが多く、下がってラリーになることは少ないです。素早いフットワークを活かしてレシーブからフォア側に回り込んでチキータをするなど積極的なプレーが彼の持ち味です。
フォアサイドへ長いレシーブが来た時にはフォアハンドドライブを打ちますが、そのフォアドライブの精度も高くミスが少ないです。これは、2019年の世界選手権で丹羽孝希(スヴェンソン)と対戦した時の様子からもうかがえます。安定のフォアハンドとは裏腹に、バックハンドドライブは威力重視で相手のブロックにつかまらないスピードで打ち抜くことが多いです。
使用用具
トミスラブ・プツァルの使用用具は、ラケットがバタフライの人気商品でアリレートカーボンをブレードの外側に搭載した「ティモボルALC」で、ラバーがフォア面、バック面ともにTIBHARの「エボリューション MX-P」を使用しているそうです。過去にもTIBHARの契約選手を紹介しましたが、いずれもこの「エボリューション MX-P」を使用しておりトップ選手に好まれているラバーであると言えます。
世界ランキング
トミスラブ・プツァルの世界ランキングは32位(2020年2月時点)で、自身最高ランクを記録しています。2017年に一気に2桁ランクに急上昇すると、2019年4月以降は50位以上をキープしています。また、2017年までのU21の世界ランキングでは最高で7位と、若手の中で実力のある選手であると言えます。
国際大会での主な成績
2014年 | クロアチアオープン | シングルス3位 |
2017年 | ヨーロッパ選手権 | U21シングルス優勝 |
2019年 | オマーンオープン | シングルス3位 |
クロアチアオープン | シングルス3位 | |
2020年 | ヨーロッパトップ16 | シングルス4位 |
まとめ
クロアチアの主砲が、前陣での素早い攻撃とともに勝ち上がっていくことができるのか。今後のワールドツアーでの彼の活躍に期待です。
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