文:ラリーズ編集部
今回は、アテネ五輪金メダリストの柳承敏(ユスンミン・韓国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
柳承敏とは?
柳承敏は、2004年のアテネ五輪金メダリストで、男子で史上2人目の3色のメダルをすべて獲得した選手です。日本式ペンホルダーを使用して、コートのどこからでもフォアハンドで打ち抜く俊敏性と威力を兼ね備えたプレースタイルです。
柳承敏のプロフィール
柳承敏(ユスンミン/Ryu Seung Min)は1982年8月5日生まれの41歳(2023年12月時点)で、韓国の富川市出身です。
五輪には2000年のシドニー五輪から4大会連続で出場し、2004年のアテネ五輪では準決勝でヤン=オベ・ワルドナー(スウェーデン)を破ります。決勝では王皓(ワンハオ・中国)相手に4-2で勝利し金メダルを獲得しました。2008年の北京五輪では団体で銅メダル、2012年のロンドン五輪でも団体で銀メダルを獲得し、全ての色のメダルを獲得しました。
その後も国際大会で上位入賞を続ける中で、2013年を最後に第一線から退きました。2019年には韓国卓球協会の会長に就任、他にも国際オリンピック委員会(IOC)アスリート委員、国際卓球連盟(ITTF)執行委員を務めています。
柳承敏のプレースタイル
柳承敏の戦型は右ペン裏の攻撃型で、コートのほぼすべての領域をフォアハンドで駆け回るフォアハンド主戦型です。
フットワークが俊敏で、回り込みの体勢から逆を突かれてもボールにラケットが届くレベルです。日本式ペンホルダーのプレイヤーの模範的なプレースタイルで、攻撃の展開に持ち込めばすかさずフォアハンドドライブを仕掛けてきます。
バックハンドもブロックやプッシュが堅くなかなか打ち抜けないため、相手もつなぎのドライブに変えますがその瞬間に柳承敏はフォアハンドのカウンターに切り替えて自分のペースへと持ち込むことができます。フォアハンドドライブは身体を大きく使いフルスイングで振りぬくため、「史上最速のフォアハンドドライブ」と称されていました。
打ち抜くフォアハンドドライブはコースも鋭く、充分な体勢で打たせると手のつけようがないほどです。
柳承敏の使用用具
柳承敏はかつてバタフライの契約選手で、ラケットは自身が監修した『柳承敏G-MAX』、ラバーはバタフライの『テナジー05』を使用していたそうです。『柳承敏G-MAX』は板厚10mmの檜単板を使用した日本式ペンホルダーのラケットです。2010年に発売されましたが、2023年時点では廃盤となっています。
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柳承敏の世界ランキング
2023年12月時点で、柳承敏は世界ランキングを持っていません。2013年以降は国際大会に参加していません。最高ランキングは2位(2004年9月)です。
柳承敏の主な成績
2000年 | シドニー五輪 | 男子ダブルス:銀メダル |
2001年 | スウェーデンオープン | 男子シングルス:準優勝 |
2002年 | ブラジルオープン | 男子シングルス:準優勝 |
韓国オープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
デンマークオープン | 男子ダブルス:ベスト4 | |
中国オープン | 男子ダブルス:優勝 | |
2003年 | グランドファイナル | 男子シングルス:ベスト4 |
2004年 | クロアチアオープン | 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:優勝 |
エジプトオープン | 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:優勝 | |
韓国オープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
シンガポールオープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
ブラジルオープン | 男子シングルス:ベスト4 | |
USオープン | 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:優勝 | |
アテネ五輪 | 男子シングルス:金メダル | |
2005年 | クロアチアオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
韓国オープン | 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:優勝 | |
ジャパンオープン | 男子シングルス:準優勝 | |
グランドファイナル | 男子シングルス:ベスト4 | |
2006年 | クロアチアオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
台湾オープン | 男子ダブルス:優勝 | |
2007年 | スロベニアオープン | 男子シングルス:準優勝 |
世界選手権ザグレブ大会 | 男子シングルス:銅メダル | |
ワールドカップ | 男子シングルス:準優勝 | |
クウェートオープン | 男子ダブルス:優勝 | |
2008年 | チリオープン | 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:準優勝 |
2010年 | ポーランドオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
グランドファイナル | 男子シングルス:ベスト4 | |
韓国オープン | 男子ダブルス:準優勝 | |
オーストリアオープン | 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:準優勝 | |
2012年 | クウェートオープン | 男子シングルス:準優勝 |
ジャパンオープン | 男子ダブルス:準優勝 | |
ブラジルオープン | 男子ダブルス:優勝 | |
グランドファイナル | 男子ダブルス:ベスト4 |
まとめ
世界最速のドライブで五輪を制した韓国のレジェンドが、卓球界にどのような影響を与えていくのか。今後の彼の動向に目が離せません。