文:ラリーズ編集部
今回は、世界選手権でリオ五輪女王に勝利、Tリーグ・日本ペイントマレッツでも活躍中の蘇慧音(スーワイヤムミニー・中国香港)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
>>卓球の見方は5分で変わる 16cmのトスが明暗を分ける「サーブ」に注目
>>【最新版】Tリーグの特別ルール “原則デュースなし”など大幅な変更点も
>>団体戦のダブルスは超重要!? Tリーグの試合結果から分析
蘇慧音とは?
蘇慧音は、2017年のカタールオープンとインドオープンでともにU21女子シングルス準優勝、2018年の世界選手権の女子団体準決勝ではリオ五輪女王の丁寧(ディンニン・中国)相手に3-0のストレート勝ちを収めるなど、香港で急成長を遂げている若手選手です。2019年にもその勢いは止まらず、セルビアオープンでは女子シングルスで早田ひな(日本生命)に次ぐ準優勝を飾るなどタイトル獲得へ着実に実力をつけてきています。
シングルスだけでなく、呉柏男(ウーバイナン・中国香港)と組んだ混合ダブルスでも国際大会でタイトルを獲得、Tリーグでもダブルスで多くの勝ち星をあげる選手です。
プロフィール
蘇慧音は、1998年4月13日生まれの21歳(2020年3月時点)です。香港出身で、香港で最も歴史のある女学校の1つ、Diocesan Girls’ School を卒業しています。現在は、Tリーグ・日本ペイントマレッツに所属、2019-2020シーズンでは計10回試合を行っています。特に、同じ香港のチームメイトの李皓晴(リホチン・中国香港)と組んだダブルスでは勝率が高いです。
また、香港代表としてはジュニアの時代から国際大会で活躍していて、2016年にはジュニアサーキットファイナルのU18女子シングルスで優勝と若くしてその才能を評価されてきた選手です。
プレースタイル
蘇慧音の戦型は右シェーク裏裏の攻撃型で、両ハンドの安定感が抜群の選手です。トスの緩急をつけた巻き込みサービスとミスのない両ハンドのドライブが持ち味です。
プレーに安定感を持っている選手は、特に団体戦において信頼される選手でもあります。日ごろからミスが少ない選手は重要な局面になった場合でもミスをすることが少なく、確実な1点を取ることができるためチームの柱となることも多々あります。
日本でいえば、全日本選手権男子シングルスで10度の優勝を飾った水谷隼(木下グループ)もプレー自体にミスが少なく安定して勝利してくるため団体戦でも光る選手の一人です。
また、男女団体ともに中国が数々の優勝を飾ることができるのはプレーに安定感のある選手がチームに何人もいるためです。どの選手も確実に勝利を取ってくることができるため、簡単に負けることがありません。
蘇慧音はまさにその団体の柱ともいえる選手です。そのミスのない安定した両ハンドで、元世界女王の丁寧に勝利することができたため、確実に勝てる選手へと成長しています。
使用用具
蘇慧音の使用用具はラケットがSTIGAの「カーボネード190」で、ラバーはフォア面に紅双喜の「キョウヒョウ3」の特注のものを使用しています。アジアの、特に中国の選手の中でSTIGAのラケットを使用する選手は多いです。
世界ランキング
蘇慧音の世界ランキングは29位(2020年3月時点)です。2016年から2桁ランクに上昇し、その後も上がり続けています。最高ランクは2018年2月の25位です。また、U21での最高ランクは2019年1月の1位と、U21では世界のトップになった選手です。カデット、ジュニア時代の最高ランクも1桁と幼いころから世界で戦う実力があったことがうかがえます。
国際大会での主な成績
2016年 | 台湾ジュニア&カデットオープン | U18女子シングルス優勝 |
ハンガリージュニア&カデットオープン | U18女子シングルス優勝 | |
ジュニアサーキットファイナル | U18女子シングルス優勝 | |
2017年 | カタールオープン | U21女子シングルス準優勝 |
インドオープン | U21女子シングルス準優勝 | |
2018年 | 世界選手権 | 女子団体第3位 |
韓国オープン | U21女子シングルス準優勝 | |
スロベニアオープン | 混合ダブルス優勝(呉柏男と) | |
チームワールドカップ | 女子団体第3位 | |
2019年 | スロベニアオープン | 混合ダブルス優勝(呉柏男と) |
セルビアオープン | 女子シングルス準優勝 |
まとめ
香港で急成長を遂げる期待の若手が国際大会でどのような試合を繰り広げるのか。今後の彼女の活躍に目が離せません。
>>蘇慧音の関連記事はこちら