【はじめて卓球部顧問になったあなたに】経験者と未経験者、練習を分けるべきですか | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:質問「経験者と未経験者、練習を分けるべきですか」/作成:ラリーズ編集部

卓球プレーヤー向け 【はじめて卓球部顧問になったあなたに】経験者と未経験者、練習を分けるべきですか

2022.03.30

公立中学校卓球部顧問の先生の多くは、卓球未経験者です。
やったことのない運動部の顧問になったら、何から手をつけたら良いのでしょう。

石川県金沢市で、卓球専門店の腕利きスタッフとして働く西東輝(さいとうあきら)さん(30歳)の元には、日々、北信越一帯の卓球部顧問の先生からの相談が舞い込んできます。
西東さん自身、大学時代に全日本学生選手権ダブルス3位に入るほどのプレーヤーでしたが、それ以上に、実に幅広い層への技術指導が深いことが特徴の指導者です。
プロ卓球選手・吉田雅己木下マイスター東京)のベンチコーチから、まだラケットを買っていない入部したばかりの中学生まで。

「でも僕らだって、陸上部100m走の練習のNG行為を知らないでしょう」
そう言って、西東さんは笑います。
ちなみに、陸上部顧問経験のある先生に聞いたNG行為は“走者がスタート準備に入ったら決してコースを横切ってはいけない”だそうですよ。

これまで西東さんの元に寄せられた質問と回答の中から、顧問の先生がたの役に立ちそうなものを実例を交えて紹介していきます。
部活動のあり方も問われる現在、はじめて卓球部顧問になった先生の負担が、せめて少しでも軽くなればと願っています。(編集:槌谷昭人)


写真:金沢市の卓球専門店で接客する西東輝さん/提供:本人

質問


写真:質問「経験者と未経験者、練習を分けるべきですか」/作成:ラリーズ編集部

質問です。
小学校から卓球をしていたり、外部クラブで習っている選手と、中学校から始めた部活動のみの選手が混在するチームで、どのように練習をしたらいいのかがわかりません。
練習を分けるべきでしょうか?

回答


写真:西東さんの回答「同じ基本練習をするべきです」/作成:ラリーズ編集部

レベルで練習を分けずに、同じ基本練習メニューをするべきだと考えます。

小学校からの卓球経験者が、初心者ばかりの部活に入り、「練習相手にならない」と練習に行かなかったり、めんどくさそうにすることって意外と多いのです。
相手が弱かろうが初心者だろうが、基本練習は成り立ちます。これができないということは、その選手は強くないということです。
基本練習を疎かにする選手は絶対に強くなれません。

それでも練習相手に差を感じるのであれば、シャドープレーでも良いのです。

トップクラスの学校ほど理解がある

私が高校卓球部の顧問をしていたとき、親元を離れて卓球に青春時代を捧げる覚悟をきめた高校生と一般部活動生が混在するチームを指導していました。
「部活動は社会性と協調性を身につける場」だと選手たちには口を酸っぱくして言いました。

プロを目指すのであればそのような学校に行けばいいわけです。
ただ、私が知る限り、日本でトップクラスを走る高校・中学校こそ、レベルの低い選手に対しての理解があり、一緒にチームメイトとして頑張る姿勢を身につけていると感じます。

私自身の例を挙げます。
親離れをして寮生活をしながら通った実践学園中学校は2006年当時、5大会連続全国大会準優勝のチームで、在籍時も全国大会表彰台に三度立ちました。
その実践学園中学校には一般生も在籍し、私の同期は「私も含めて寮生が2名+中学校から始めた一般生が3名」でした。
その中で同じ練習メニューを行っていました。

“おもしろきこともなき基本練習をおもしろく”

実は、卓球の基本練習のメニューというのは初心者も一流選手もほとんど変わりません。
もちろん、戦術練習や試合の得点パターンのシステム練習は一流選手しかできないかもしれませんが、部活動では基礎技術の習熟が重要なので、強い選手も初心者も「基本練習の反復」をすべきだと私は考えています。

地味で継続が難しい基本練習をどれだけ「工夫をして楽しくできるか」という点にこそ、着目すべきです。
高杉晋作の「おもしろきこともなき世をおもしろく」の言葉のように、心の持ちようと工夫で「おもしろきこともなき基本練習をおもしろく」しましょう。


写真:部活動での練習風景/協力:石川県白山市立松任中学校卓球部

一番ヒットした練習方法

指導者として、私が実践した一つの例をご紹介します。いたってシンプルですが、私のこれまで指導してきた中で最もヒットした練習方法です。

1.「フォア連打を5分間」する。通算のラリー数を数える。ミスをしてもプラスして数える。それをチーム全員で行います。10台なら10台全台で。
2.5分で攻守を入れ替えして、もう5分。計10分終わったときに全員に「通算ラリー数」を聞いて、「最大値・平均値・最小値」を出します。
3.「最大値・平均値・最小値」3つの項目のうち2個をクリアしていなければやり直し

実例

1.昨日、部員6人(A〜Fさん)でフォア連打5分間(攻守交代して計10分)した結果、最大値はAさんの210回、6人の平均値は155回、最小値はEさんの110回だった
2.今日の結果は、最大値はAさんの200回、8人の平均値は159回、最小値はFさんの120回だった
3.3項目のうち、平均値、最小値で昨日を超えたのでクリア

実際の練習動画

これをすると全員が手を抜けなくなります。
強い選手たちは最大値を超えないとクリアできませんし、レベルの低い選手たちは最小値を超えていかないとクリアできません。中間層の子も平均値で見られます。
ノルマの達成ができずに、1日これで練習を終えることもありました。

意外な相乗効果

意外な相乗効果がありました。「球拾いをだらだらしなくなる」ということです。これは驚きでした。
ずっと「ボール拾いを歩くな」と注意していましたが、癖なのでなかなか改善しなかったのですが、この練習をすると選手同士が「おい!歩くな!」と注意し合うようになりました。

レベル差は関係なく、みんなで頑張るというのが「部活動の醍醐味」だと私は考えています。
このフォア連打をバック連打、フォアツッツキ、バックツッツキの4つを行うだけで、選手全員の基礎力はぐんと上がります。

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