レシーブ巧者は誰だ?「レシーブ時ポイント獲得率」を徹底調査|データでみるTリーグ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:早田ひな(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部

卓球プレーヤー向け レシーブ巧者は誰だ?「レシーブ時ポイント獲得率」を徹底調査|データでみるTリーグ

2020.07.05

文:石丸眼鏡

卓球Tリーグの公式サイトには、試合や選手の細かなデータが記載されているスタッツページが存在する。各選手のデータはマッチ勝率・サービスエース数・ゲーム平均失点数など多岐にわたる。

今回はその中でも、「レシーブ時ポイント獲得率」に注目した。

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「レシーブ時ポイント獲得率」とは

「レシーブ時ポイント獲得率」とは、「相手のサーブから始まったラリーで自分が得点した割合」を示すものだ。以前紹介した「サーブ時ポイント獲得率」とは対をなす指標となる。

卓球のシングルスは一般的に「サーブ側が有利」とされており、レシーブ側はサーブ側に比べて得点を取りにくいと言われている。


写真:水谷隼(KM東京)/撮影:ラリーズ編集部

Tリーグ2019-2020シーズンの実際のスタッツを元に、「サーブ時ポイント獲得率」の全選手平均を集計した結果は53.0%であった。(集計は、①各選手の得点数・失点数・サーブ時ポイント獲得率からサーブ時ポイント獲得数を概算②全選手のサーブ時ポイント獲得数合計を得点数・失点数の合計で除算 することによって行った。)

つまり、レシーブ側はその逆というわけだ。よって、「レシーブ時ポイント獲得率」の全選手平均は47.0%となる。

「レシーブ時ポイント獲得率」1位はジオニスと平野美宇

Tリーグ2019-2020シーズンの全選手のスタッツを確認すると、「レシーブ時ポイント獲得率」第1位は、男子・パナギオティス ジオニス(T.T彩たま)、女子・平野美宇(日本生命レッドエルフ)となっている。(注:集計対象はリーグ戦シングルスマッチ、VMは集計対象外)


写真:パナギオティス・ジオニス/提供:©T.LEAGUE

このランキングによると、ジオニスは63.2%、平野は57.3%を記録している。全選手平均が47.0%であることを考えると、この2人の数値の高さが際立つ。

ただし、2019-2020シーズンリーグ戦でのジオニスと平野の出場試合数はともにわずか3試合に留まっており、一過性の数値である可能性も否定できない。

「レシーブ時ポイント獲得率」ランキングを作成

では、一定数以上試合に出場している選手の中で「レシーブ時ポイント獲得率」をみてみるとどうなるだろうか。

Tリーグのランキングページを確認すると、個人ランキングはチーム試合数×0.6以上のマッチ数に出場している選手が掲載されている。それに倣い、チーム試合数×0.6以上のシングルスマッチに出場している選手に限って「レシーブ時ポイント獲得率」を調査してみた。


写真:サウェータブット・スターシニー(日本ペイントマレッツ)/撮影:ラリーズ編集部

その結果、男子1位は吉村真晴(琉球アスティーダ)の52.5%、女子1位はサウェータブット・スターシニー(日本ペイントマレッツ)の52.5%となった。吉村はシングルスでリーグ4位タイの8勝、スターシニーは前期MVPを獲得、年間でみてもこちらもリーグ4位タイの8勝を挙げている。

このことからも、レシーブ時のポイントを得点源にできるかどうかは勝敗に大きく関わってくると考えられる。


写真:吉村真晴(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部

他にも、水谷隼(50.3%)、張本智和(48.7%)、石川佳純(52.6%)、早田ひな(49.5%)らのトップ選手たちは軒並み平均以上の数値を記録している。不利なレシーブ側でも上手く展開を作ってポイントに繋げる力は、安定した成績を残すために重要な点なのかもしれない。

レシーブでも点を取れる選手も存在

今回の集計の結果、サーブ側が有利という卓球界の定説は数字にもはっきりと現れていた。だが、レシーブ側でも50%を超える得点率を記録する選手も複数存在することがわかった。


写真:石川佳純(木下アビエル神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

不利と言われるのレシーブ側での得点は、サーブ側でポイントを積み上げたいと考えている相手選手に大きなプレッシャーを与えるはずだ。見た目の数字以上に、試合におけるレシーブ側の得点のインパクトは大きいかもしれない。

「サーブ時ポイント獲得率」と同じく、今回はTリーグ2019-2020シーズンのデータを基にして集計を実施している。他団体・別シーズンなど条件を変えれば異なる結果が得られる可能性もあるため、1つの集計結果として参考にしていただきたい。

参考 出場マッチ数を考慮しない「レシーブ時ポイント獲得率」ランキング

男子

1位:パナギオティス・ジオニス(T.T彩たま)63.2%
2位:マルコス・フレイタス(木下マイスター東京)61.3%
3位:宇田幸矢(木下マイスター東京)53.1%

女子

1位:平野美宇(日本生命レッドエルフ)57.3%
2位:馮天薇(日本ペイントマレッツ)53.9%
3位:石川佳純(木下アビエル神奈川)52.6%

>>サーブ側有利は本当?「サーブ時ポイント獲得率」で調べてみた|データでみるTリーグ

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