卓球用具紹介 [PR] 卓球ラバーのスポンジの秘密を徹底解説 厚さや気泡でどう変わるか
2020.08.01
文:ラリーズ編集部
近年、国内外の多くのメーカーから様々なタイプのラバーが発売されており、ラバー選びは、卓球の醍醐味の一つとなっています。今回は、ラバーのスポンジに注目して、スポンジの厚さや気泡の大きさによる違いについて解説します。
打球のスピードと回転の両方に密接に関係しているスポンジの違いを理解し、今後のラバー選びに役立ててください。
このページの目次
スポンジの厚さについて
スポンジの厚さの表記
スポンジの厚さは「薄」「中」「厚」「特厚」などと文字で表記されているのが一般的ですが、メーカーによっては「1.8」「2.0」「MAX」など、数字で書かれている場合もあり、卓球を始めたばかりの方にはわかりづらいかもしれません。
数字で書かれている場合の単位はmmです。基本的には「中」のスポンジの厚さが1.5mm~1.7mm、「厚」が1.7mm~1.9mm、「特厚」が1.9mm~2.2mmという対応になっています。また、ラバーの厚さは4mmまでとルールで決まっており、それにぎりぎりまで近づけるようにスポンジの厚さを調整しているのが「MAX」になります。
スポンジの厚さによる違い
次に、スポンジの厚さによってどのような違いが出るのかということを説明します。一般的には、ラバーは厚い方が弾みが強く、薄い方がコントロールしやすいといわれています。
スポンジが厚い方が、ラバーの反発力が上がり、打球に威力が出ます。また、スポンジが厚くなると、ボールがラバーに食い込みやすくなるため、球持ちがよくなり、回転がかけやすくなるともいわれています。
厚いスポンジの方がスピードも回転も上であり、トップ選手の多くは厚いスポンジのラバーを使っています。しかし、厚いラバーにもデメリットがあります。それはコントロールです。厚いラバーは弾みが強いため、ツッツキやストップといった台上の小技の時にもボールが弾んでしまい、コントロールが難しくなります。また、厚いラバーは重量も重いため、使いこなすには相応の筋力が必要になります。
逆に、スポンジが薄いと弾みが控えめになり、コントロールがしやすくなります。また、スポンジが薄い分ラバーの重量が軽くなり、力がない選手でもスイングが安定するというメリットもあります。
スポンジの厚さの選び方
スポンジは厚い方が弾みがよく、薄い方がコントロールしやすいため、初級者の方は「中」などの薄めのスポンジを選び、上達するにつれて厚めのスポンジにシフトしていくのがおすすめです。
また、フォアとバックで厚さを変えるというパターンもあります。ドライブやスマッシュといった攻撃的な技術を使うことが多いフォアに厚いスポンジを使い、ツッツキやブロックなどを多用するバックはコントロール重視で薄いスポンジを使うなど、プレースタイルに合わせて厚さを選ぶのもおすすめです。
スポンジの気泡について
近年流行の「気泡系スポンジ」とは?
近年、「気泡系スポンジ」などと呼ばれる従来のスポンジよりも気泡の大きいスポンジを採用したラバーが多く発売され、各メーカーの主力商品となっています。このような気泡系スポンジを使ったラバーとしては、国内外で多くのトップ選手が愛用しているバタフライの「テナジー」シリーズなどが代表的です。この気泡系スポンジと従来のスポンジの違いを見ていきましょう。
気泡が大きいと何が違う?
卓球のラバーに使われるスポンジは、天然ゴムと合成ゴムを練り合わせ、発泡剤を加えることでつくられます。この発泡剤を加熱することで気泡ができます。「気泡系スポンジ」は、この過程でできる気泡が他のラバーよりも大きいという特徴があります。ただし、気泡が大きくて少ないか、小さくて多いかの違いだけで、気泡が占める体積は従来のスポンジと同等であるといわれています。
「テナジー」などの気泡系スポンジを用いたラバーが流行する以前にも気泡を大きくしてボールの食い込みをよくしたラバーはありましたが、それらは硬度が低く柔らかいスポンジであり、ボールが食い込みやすいだけで、はじき返す強さがありませんでした。しかし、ラバー製造技術の進歩により、弾性を高めながら球持ちがよく、回転もかけやすい気泡系スポンジが完成しました。
このように、気泡が大きなスポンジを使ったラバーは、気泡がインパクトの瞬間にバネのように伸縮することでボールを掴み、はじき出します。そのため、回転やスピードをコントロールしやすいという特徴を持っています。
まとめ
今回は、卓球のラバーに使われているスポンジの違いについて解説しました。スポンジは打球のスピード、回転、コントロールのすべてに密接に関係しています。スポンジの厚さや気泡の大きさによるラバーの性質の違いを理解し、自分にあったラバーを探すために是非参考にしてください。