TSPの粒高ラバーCURLシリーズを愛用するカットマンの徐孝元(韓国)/提供:VICTAS
卓球プレーヤー向け [PR] 「TSPは今後も試合で使えるの?」VICTAS担当者に聞いてみた[PR]
2020.11.17
文:ラリーズ編集部
2020年10月、卓球ファンにとって衝撃的なニュースが流れた。
卓球メーカーの株式会社VICTASが「VICTASとTSPのブランド統合」を発表したのだ。
【お知らせ】
「TSP」を長年ご愛用頂いている皆様へ、「TSP」は2021年春シーズンより「VICTAS」に統合する運びとなりました。 https://t.co/1YnE7AIO7M#VICTAS #TSP #卓球 pic.twitter.com/ERO20mVaka
— VICTAS (@victas_inc) October 1, 2020
これにより90年間続いたTSPの商品は生産を終了し、在庫限りでの販売となる(一部ウェアを除く)。
このニュースを聞いた全国のTSPユーザーからは、心配の声が挙がった。
「今使ってるTSPのラケット・ラバーは使えなくなるの?」
「チームでTSPのウェアを揃えているけど、来年からどうなるの?」
ラリーズ編集部では、株式会社VICTASの製品本部マーケティンググループを取材し、その真相を聞いた。
このページの目次
人気のスペクトル、カール、スワット他はどうなる?
TSPが無くなると聞いて、真っ先に心配になったのは全国のTSPラバーユーザーだ。
TSPには、表ソフトはスペクトルやスピンピップス、粒高ラバーはカールシリーズと、世界チャンピオンやメダリストにも愛された異質ラバーが複数ラインナップされている。
これらのラバーは今後も試合で使えるのか?
その答えは2つの理由からYESだと言える。
1つ目の理由は、4月以降、一部のTSPラバーについてVICTASブランドから同じラバーが名前を変えて販売されるからだ。
TSPの表ソフトラバーSPECTOLシリーズを愛用するカットマンのハン・イン(ドイツ)と武揚(中国)/提供:VICTAS
詳細はVICTAS公式サイトにて10月20日に発表された通りだが、TSPブランドで発売されている36種類のうち、売れ筋の13種類はVICTASブランドで名称変更のうえ再発売される。
【10月20日発表!TSPラバーリストはコチラ(VICTAS公式サイト内)】
その中には前述のスペクトルやスピンピップス、カールシリーズなどに加え、裏ソフトで人気のVENTUSシリーズなども含まれている。
TSPブランドが無くなっても、VICTASブランドから再発売されれば今後も購入が可能となる。その場合、パッケージや商品名は変わるが、全く同じ性能のラバーを使い続けることができるというわけだ。
2つ目の理由は、ルールが関係する。
上述の通り、TSPのラバーのうち23種類はVICTASブランドに継承されず、完全に生産終了となってしまうが、これらのラバーが自分のプレーに合っていて、全国の専門店やネットショップ等で購入してストックしておけば、TSPブランドが無くなってしまった後でも当面は大会での使用が可能だ。
日本卓球協会の主催大会では国際卓球連盟(ITTF)のラバーリスト(LARC)に掲載されているラバーは使用が可能だが、VICTAS担当者によれば、「TSPで生産中止となる全てのラバーはITTFのラバーリストの掲載期限を3年〜5年延長する予定」だという。
つまり、TSPラバーが廃盤になった後でも、当面は試合で同じラバーが使えるということだ。
ラケットもそのまま使える
続いてラケットについてはどうなるのだろうか?
結論から言うと、TSPのラケットにはJTTAAマークが刻印されているため、廃盤になった後もそのまま大会での使用が可能だ。
VICTAS公式サイトで「生産完了該当商品も引き続き、公式試合でご利用いただけます」と記載してある理由がおわかりいただけたと思う。
ウェアはどうなる?
また、TSPのウェアについては、現行のモデルは生産終了となるため在庫限りの販売となる。(エテルノシャツのみ2022年3月末販売分まで追加生産を行う。)
一方でこれまでチーム単位で特注で制作していたTSPブランドでのオリジナルウェアについては、引き続きサービスを継続予定だというから安心だ。
ウェアについては、簡単にオリジナルウェアが作れるVICTAS EZ CUSTOM に加え、VICTAS PLAYという新ラインでもユニークでポップなデザインのウェアを市場投入予定だというから、そちらにも注目したい。
ブランド統合によるプレーヤーのメリット
最後に今回のブランド統合について、プレーヤーにとってのメリットをVICTAS担当者に聞いたところ以下の答えが返ってきた。
「TSPブランドよりも品質基準を高く設定しているVICTASブランドでの商品開発となるため、より良い商品を今後生み出していきます。VICTAS本ラインの方は、さらに高機能・高品質な商品へと進化し、VICTAS PLAYラインの方は、品質を保ちつつより多くのプレーヤーに愛される商品を展開していきます」。
すなわちVICTAS社が「VICTAS」と「VICTAS PLAY」という2つのラインにて商品を展開していくということだ。
来春には、卓球界で一時代を築いたTSPブランドがVICTASブランドに統合される。2021年は卓球プレーヤーにとっても楽しみな1年となりそうだ。