【卓球動画解説】沼村 斉弥(明治大)vs 緒方 遼太郎(早稲田大) |今日の1試合 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球動画 【卓球動画解説】沼村 斉弥(明治大)vs 緒方 遼太郎(早稲田大) |今日の1試合

2020.03.15

文:ラリーズ編集部 解説:板垣孝司

福原愛、水谷隼、丹羽孝希ら日本のトップ選手を輩出し一時代を築いた青森山田中・高を14年間に渡って指導した名将・板垣孝司氏。

その板垣氏がトップ選手から年代別、ジュニア選手まで幅広い試合動画について両選手の特徴、勝敗を分けたポイントを語る。

今回は2019年秋季関東学生卓球リーグ戦 男子1部の「沼村 斉弥(明治大)vs 緒方 遼太郎(早稲田大)」。

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両選手の特徴

青森山田中学校〜野田学園高校時代に全国で活躍した沼村選手。全日本カデット14歳以下のチャンピオンです。柔らかいボールタッチを持ち、ブロックで試合を組み立てられる数少ない選手の一人です。大学卓球界の雄、明治大学入学後もレギュラーとして単複で活躍し、全日本学生選手権、全日本卓球選手権でも活躍している期待の選手です。

29年度全日本選手権では森薗選手、高木和選手を連破し旋風を起こした緒方選手。チキータ・YGサーブと現代卓球の最新技術を得意とし、グイグイ攻めいく卓球は一度勢いに乗ったら最後まで攻めまくります。

見どころ

両選手ともに申し分のない全国での実績を持っています。緒方選手のYGサーブ、沼村選手のチキータからの攻守のプレーはハイレベルな試合になると思います。サーブ3球目が得意な両者の試合は、ラリーよりもサーブ・レシーブで試合中にどう変えていくかがカギになると感じます。

勝負を分けたこの一本

※ページトップと同一の試合動画について、再生開始箇所を調整してお送りします。

第5ゲーム1対1からの緒方選手のサーブ2本です。

予想通り、サーブ3球目の上手い両選手の試合は最終ゲームに入りました。ここまで沼村選手のストレートのロングサーブに手こずっていた緒方選手は、4ゲーム目終了までにある程度のイメージを持って最終ゲームに入れたと思います。ロングサーブを見抜いて回りこむハーフロングサーブはしっかりとフォアドライブで狙う完全に短いサーブはチキータで先手を取る…。

それに対し、沼村選手は最後まで緒方選手のYGサーブへの攻略方法が見つからなかった感じがします。この場面、フォア前に来るYGハーフロングサーブ2本からの3球目攻撃を浴びてしまいました。これで緒方選手に余裕ができ、7対7の場面でもYGサーブからの3球目ドライブで得点できました。ここがポイントだったと思います。

板垣’s EYE

両者ともにチキータレシーブの得意な選手ですが、チキータ全盛の現代卓球では「チキータ外し」のサーブに対し、二重三重の次の手を持っておく必要があります。長いサーブに対しては回り込みも入れていく・ハーフロングサーブを見逃さずに攻めていく・その中で相手のサーブが完全なショートサーブに限定されてきたらチキータで狙う・チキータの難しいショートサーブはストップレシーブや深く低いレシーブから一本守るなどです。

緒方選手はそのバリエーションが多かったと思います。沼村選手は最後の最後までレシーブの決断ができなかったように感じますが、ここを乗り越えれば沼村選手の大きな飛躍のチャンスだと思います。

試合情報

大会名:2019年 秋季 関東学生卓球リーグ戦 男子1部 第7戦
選手名:沼村 斉弥(明治大)vs 緒方 遼太郎(早稲田大)
試合結果: 2-3

映像提供:LaboLive

監修協力:Shakehands