【卓球動画解説】笹尾 明日香(早稲田大)vs 三條 裕紀(青学大)|今日の1試合 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球動画 【卓球動画解説】笹尾 明日香(早稲田大)vs 三條 裕紀(青学大)|今日の1試合

2020.03.29

文:ラリーズ編集部 解説:板垣孝司

福原愛、水谷隼、丹羽孝希ら日本のトップ選手を輩出し一時代を築いた青森山田中・高を14年間に渡って指導した名将・板垣孝司氏。

その板垣氏がトップ選手から年代別、ジュニア選手まで幅広い試合動画について両選手の特徴、勝敗を分けたポイントを語る。

今回は2019年秋季関東学生卓球リーグ戦 女子1部の「笹尾 明日香(早稲田大)vs 三條 裕紀(青学大)」。

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両選手の特徴

元全日本ジュニアチャンピオンの笹尾選手はバックに表ソフトラバーを貼っていますが、ラバーの特性を生かしたピッチの速い卓球スタイルというより、バックの変化でチャンスを作って、そこから腰の入った重いフォアドライブで得点を狙うスタイルです。

仙台ジュニアクラブ 〜 四天王寺高校と全国でも有数の強豪クラブでプレーした三條選手。多彩なサーブバック面粒高、フォアはパワフルなドライブととても個性の強い卓球スタイルですが、スケールの大きな卓球が魅力です。波に乗れば全国のシングルスタイトルにも手が届く位置にいる将来性抜群の選手です。

見どころ

お互いにバック面は異質ラバーを使っていますがフォアの強いドライブで得点を狙いに行く選手なので、バックでの繋ぎ合いから一転、パワフルなラリーになるような予感がします。

勝負を分けたこの一本

※ページトップと同一の試合動画について、再生開始箇所を調整してお送りします。

第4ゲーム4対4の笹尾選手のフォア前サーブからの3球目フォアドライブだと思います。

一度ネットインした後も、同じフォア前にサーブを出し得意のフォアドライブで得点をしました。これで笹尾選手の「3球目の待ち」はほとんど絞られたと思います。

つまり、三條選手がフォア前をフォアでレシーブした時にはバックにしかレシーブが来ないので回り込んで狙える。フォア前をバックで処理した時はどこに来るかわからないので両ハンドで待つ。そして、最終的にフォア前をフォアで取らせるための伏線としてバック深くへ同じ下回転サーブを見せておく。

この方程式が試合中に出来上がったように感じた一本でした。

板垣’s EYE

三條選手は自分のバックの異質のボールを笹尾選手にバックで弾かれたので予想しなかったボールだったと思います。裏ソフトで回転をかけてくるタイプなら変化を発揮しやすいのですが、弾かれてしまうと変化を十分に発揮できませんでした。ただ下回転に対する大きなバックスイングからのフォアドライブは女子選手離れした技術だと思います。回転量が多く質の高いボールは素晴らしいです。

笹尾選手のフォアドライブは「一撃」ではありませんが、どんなボールにも対応出来る柔らかさと「ミスのなさ、正確さ、厳しいコースへの打ち分け」など一級品です。得点できる「自分のボール」を持っている笹尾選手は強いと思います。

試合情報

大会名:2019年 秋季 関東学生卓球リーグ戦 女子1部 第6戦
選手名:笹尾 明日香(早稲田大)vs 三條 裕紀(青学大)
試合結果:笹尾 3-1 三條

映像提供:LaboLive

監修協力:Shakehands