卓球動画 【卓球動画解説】梅村 優香(中央大)vs 宮﨑 翔(青学大)|今日の1試合
2020.03.31
文:ラリーズ編集部 解説:板垣孝司
福原愛、水谷隼、丹羽孝希ら日本のトップ選手を輩出し一時代を築いた青森山田中・高を14年間に渡って指導した名将・板垣孝司氏。
その板垣氏がトップ選手から年代別、ジュニア選手まで幅広い試合動画について両選手の特徴、勝敗を分けたポイントを語る。
今回は2019年秋季関東学生卓球リーグ戦 女子1部の「梅村 優香(中央大)vs 宮﨑 翔(青学大)」。
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両選手の特徴
元インターハイ女子シングルスチャンピオンで現在もTリーグに出場している梅村選手は左腕、バック表ソフトの攻撃型です。小柄ながら多彩なテクニックを発揮し相手を前後左右に揺さぶりながら得点を重ねるプレーは華麗さを持っています。
長身で投げ上げサーブからバランスの良い両ハンド攻守を見せる宮﨑選手は強いです。無駄に打球点を落とさず、台上処理から高速ラリーまでそつなくこなす事ができる完成度の高いプレーは、さすが日本一の高校で鍛えられた選手だと思います。
見どころ
同じ四天王寺高校出身で日本一に輝いた両選手。シングルスで優勝した梅村選手がやや有利か?と思いますが、もし梅村選手のサーブレシーブとバック面の表ソフトに慣れていたら、宮﨑選手が勝利する可能性はあります。
勝負を分けたこの一本
※ページトップと同一の試合動画について、再生開始箇所を調整してお送りします。
第4ゲーム8対7での宮崎選手のフォアドライブです。
両選手とも日本一を獲るために徹底した戦術練習を行ってきたのが分かるシーンが随所に見受けられます。それが「ミドル攻め」です。現代卓球では両サイドからは角度の厳しいボールが飛んできますが、ミドルからは角度の厳しいボールが出しにくいのでトップ選手の多くは相手のミドルが見えます。
この場面、梅村選手のミドルへの厳しいツッツキに対し宮﨑選手は相手のフォアへ高い打球点のフォアドライブで得点しましたがナイスボールでした。このボールがバックに入っていたら、変化のある表ソフトのブロックに捕まり失点していたかもしれません。
板垣’s EYE
宮﨑選手は梅村選手のボールの慣れているのか、全く異質の変化を苦にせず、終始自身を持ってプレーしていた感じがありました。やはり勝負どころではミドルへの長いサーブやミドルへのハーフロングを使い「打たせて得点を取る」システムを使っていました。
梅村選手は「相手に打たせてからブロックやコースで変化をつけ、そこから得点を取る」ことに秀でた選手ですが、逆に「打たされて」しまった感じがします。この「打ってくれない」選手に対する戦術を覚えることができれば卓球センスは申し分ないので、飛躍的に前進すると思います。
試合情報
大会名:2019年 秋季 関東学生卓球リーグ戦 女子1部 第5戦
選手名:梅村 優香(中央大)vs 宮﨑 翔(青学大)
試合結果:梅村 1-3 宮﨑