「小さくても勝てる」の証明へ 身長147cm"卓球界の小さな巨人"が挑む道<中央大・梅村優香> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:梅村優香/撮影:佐藤主祥

卓球×インタビュー 「小さくても勝てる」の証明へ 身長147cm“卓球界の小さな巨人”が挑む道<中央大・梅村優香>

2020.03.28 取材・文:佐藤主祥

卓球界では、小柄ながらも活躍している選手は数多くいる。

中央大学の2年・梅村優香もそのひとりだ。

彼女は147センチと体格に恵まれてはいるわけではないが、2017年インターハイ女子シングルス優勝、2019年全日本選手権では女子シングルスでベスト16、女子ダブルスでもベスト8とランク入りを果たした。今年の全日本女子ダブルスでも3位に入るなど、着実に実力を伸ばしている。

今回は、トップおとめピンポンズ名古屋(以下、トップ)に所属するTリーガーでもある“卓球界の小さな巨人”に、小柄でも活躍できる秘訣を聞いた。

>>中央大4年・森田彩音「卓球辞めようと思った」挫折から大学女王へ 劇的飛躍の4年間

>>中央大3年・山本笙子 Tリーグで意識改革 全国8強の壁越えた次期エースの覚悟

147cmのインターハイ女王誕生


写真:梅村優香/撮影:佐藤主祥

青森の地で生まれ、小学2年生からラケットを握りはじめた梅村。両親ともに卓球経験者で、梅村をよく試合会場に連れて行っていたことから、自然と卓球に興味が湧き始めたという。

中学からは、石川佳純(全農)らを輩出した大阪の強豪・四天王寺羽曳が丘中へ入学。その後すぐに、監督から「表ソフトへの変更」を勧められた。

「もともと身体が小さく、力もなかったので、他の人にはない“変化”で勝負するしかなかったんです」。

だがこのラバーの変更が功を奏し、 2014年の全国中学校卓球大会では3位に入り頭角を現すと、四天王寺高に進学後も2016年から2年連続でインターハイ団体優勝(現在7連覇中)に加え、2017年にはシングルスで希望が丘高の岩越帆香(現・早稲田大)をストレートで下し、個人としては初の日本一に輝いた。

こうして一気に実力を開花させた梅村は中央大へ進学した。

「大学に進みたい気持ちが強かったですし、親からも『悔いがないように、自分が行きたいところに進みなさい』と言われていたので、大学進学の道を決めました。中央大の決め手としては、同大の卓球部の監督と父が仲が良かったから…ですかね(笑)」と少し照れ臭そうに理由を語った。

全日本ベスト16で初のシングルスランク入り「一番嬉しかった」


写真:梅村優香/撮影:佐藤主祥

大学入学後は、2018年の関東学生新人選手権ダブルスで優勝、さらにシングルスでもベスト4に入るなど、すぐさまその実力を遺憾なく発揮した。

その要因について「中央大は縛りがなく、全て自分の意思で行動・決断するので、楽しむときは楽しむ。やる時はしっかりやる、という感じで自分の中でメリハリを付けられたことがよかった」と話す。自主性を重んじた練習環境が、彼女にはマッチしていたようだ。

しかし、その後は各大会のシングルスで4〜5回戦での敗退が続き、「大学生として結果を残すことができなくて悩んでた」という。


写真:梅村優香(中央大学)/撮影:ラリーズ編集部

そんな中で迎えた2019年の全日本選手権。梅村はシングルスでベスト16と自身初のランク入りを果たした。「大学に入ってから、この結果が一番嬉しかった」と笑顔で当時を振り返った。

全日本の男女シングルスでベスト16入りを果たすと、選手には「全日本ランキング」が与えられる。選手にとって「ランク入り」は大きなステータスとなるのだ。それゆえに、喜びもひとしおだったに違いない。

相手に「やりにくい」印象を与える。体格が勝る相手に勝利する術


写真:梅村優香/撮影:佐藤主祥

2019年9月4日にトップへの加入が発表され、Tリーグ参戦が決まった梅村。

主にダブルスでの起用となり、中央大の先輩・森田彩音とのペアで6試合に出場。3勝3敗と勝率5割の成績でシーズンを終えた。

「初めて感じる雰囲気だったので緊張した」というTリーグの舞台。梅村は「(第1マッチの)ダブルスはすごく大事なので、『1点を取りたい』という気持ちが強かった」と当時の心境を語り、続けて「はじめに3連勝して、その後から3連敗してしまったのですが、世界で戦う人たちと試合をすることができていい経験になりました」と振り返った。


写真:梅村優香(左)・森田彩音(トップおとめピンポンズ名古屋)/提供:©T.LEAGUE

だが、シーズン通してペアを組んだ森田は4月で中央大を卒業する。「彩音さんとのダブルスは最後。今度はシングルスでも頑張りたい」と来季に向けて“独り立ち”を宣言した。

なお、選手としては“Tリーグ最低身長”の梅村。もちろん手足のリーチが短く、背が低いため後陣ではパワーが出にくい、といったデメリットは出てくるだろう。その一方で、卓球台にへばりつき、速いピッチで打ち込む前陣速攻であれば、試合において優位に傾く。

その中で梅村は、裏面に表ソフトを貼る“異質攻撃型”というスタイルで、相手に「やりにくい」印象を与えている。


写真:梅村優香(中央大学)/撮影:ラリーズ編集部

「私はパワーがない分、タイミングだとかコース取りとか、そういう部分で相手を上回らないと勝てません。だからバック表で、変化をつけて相手をミスを誘発させているんです」。

これまで自分より体格が勝る相手を次々と破り、結果を残してきた梅村。“卓球界の小さな巨人”として、「大きい選手が強い」ではない、「上手い選手が強い」のだと、今後もそのプレーで証明し続けていく。

梅村優香の試合動画はこちら

vs宮﨑翔(青学大)

vs奥下茜里(日本大)

男子ランキング
2020.09.21
世界
日本
1
樊振東(中国)
17915 pt
2
許キン(中国)
17260 pt
3
馬龍 (中国)
15525 pt
1
張本智和(日本)
13245 pt
2
丹羽孝希(日本)
9570 pt
3
水谷隼(日本)
9045 pt
女子ランキング
2020.09.21
世界
日本
1
陳夢 (中国)
17915 pt
2
伊藤美誠(日本)
15440 pt
3
孫穎莎 (中国)
15165 pt
1
伊藤美誠(日本)
15440 pt
2
石川佳純(日本)
11100 pt
3
平野美宇(日本)
10815 pt