*写真:2018年の全日本選手権で3冠を達成した伊藤美誠(スターツSC)/撮影:ラリーズ編集部
ニュース 2019年 卓球界の1年はどうなる? 全日本、世界卓球、Tリーグと目白押し
2019.01.03
文:川嶋弘文(ラリーズ編集長)
東京五輪に向けた代表権争いが本格化
いよいよ東京五輪を翌年に控えた2019年がはじまった。メダルが期待される卓球も、代表争いが激化することが予想される。
男女とも2020年1月の世界ランキングの上位2名と協会推薦1名により3名の代表が決まる狭き門だ。
男子は1月の世界ランキングで3位に入った張本智和、9位の丹羽孝希、10位の水谷隼を軸に、吉村兄弟や上田仁、大島祐哉、森薗政崇、松平健太、吉田雅己らのTリーガーや、学生チャンプの及川瑞基、世界ジュニア3位の宇田幸矢らが虎視眈々と代表入りを狙う。
女子は世界ランク3位の石川佳純、7位の伊藤美誠、9位の平野美宇に加え、Tリーグ日本ペイントマレッツのエース加藤美優と佐藤瞳、芝田沙季、橋本帆乃香のミキハウス勢の計7名が世界ランキング30位以内に名を連ね、混戦が予想される。またTリーグでも活躍中の早田ひなや浜本由惟、学生チャンプの安藤みなみに加え、若手ホープの長崎美柚、大藤沙月、木原美悠、塩見真希らも世界ランキング2ケタ以内につけており、ワールドツアーでのポイント獲得による代表権獲得を目指す。
1月の全日本選手権と4月の世界選手権に注目
スケジュールとしてはまず、1月の全日本選手権が今年の行方を占うビッグイベントだ。昨年男子シングルス優勝の張本智和と女子3冠の伊藤美誠が連覇を狙う。
また、4月にハンガリーのブタペストで行われる世界選手権(個人戦)が2019年の卓球界にとって世界最大のイベントとなる。
その代表権を争う選考会と代表選手によるジャパントップ12が3月2日、3日に仙台カメイアリーナで開催される。
既に世界ランキングにより張本智和、丹羽孝希、石川佳純、伊藤美誠の代表が内定しているが、この国内選考会優勝者と1月の全日本選手権シングルス優勝者に加え、昨年の国際大会での実績をもとにシングルスの代表が選出される。また、各2ペアずつが代表となる男女ダブルスと混合ダブルスは、シングルスの代表選手の他、日本卓球協会の強化本部による推薦による出場もある。
2017年のドイツ大会では男子シングルスでは丹羽孝希のベスト8、女子シングルスでは平野美宇の銅メダルが最高位。ダブルス種目では混合ダブルスで吉村真晴・石川佳純ペアが金メダルに加え、森薗政崇・大島祐哉ペアが銀、伊藤美誠・早田ひなペア、丹羽孝希・吉村真晴ペアが銅とメダルラッシュを見せた。今年のブタペスト大会の出場選手と前回大会を超える成績に期待がかかる。
Tリーグは3月に初代王者が決まる
昨年開幕したTリーグは、3月に初代王者が決まるプレーオフ(ファイナル)が男女上位2チームにより行われる。全日本選手権終了後の1月末から2月末までレギュラーシーズン残り32試合が一気に行われる。現在男女とも首位を走る木下グループ(男子は木下マイスター東京、女子は木下アビエル神奈川)に他球団がどのようなオーダーや戦術の工夫で対抗するのか、注目したい。
Tリーグプレーオフが終わるとワールドツアーに加え、Tリーグ2シーズン目に向けた選手争奪戦が予想される。初年度のTリーグを様子見していた海外選手に加え、球団間での水面下での交渉も始まるだろう。
実業団、学生大会も目白押し
また日本リーグ(実業団)は昨年のプレーオフで男子はリコー、女子は中国電力がそれぞれ初優勝し、勢力図が塗り替わった。今年も4月から各社に有望選手の入社が予定されており、ダブルスの組み換えを含む動きがありそうだ。
学生アスリートやジュニアアスリートは夏のインカレ、インターハイ、全中、全日本ホカバなどの全国大会が一つの大きな目標となる。
若い世代が活躍する日本の卓球に海外からも注目が集まる中、2019年の各大会でどのようなヒーロー、ヒロインが誕生するのか。注目したい。