高校での厳しい卓球生活を終え、大学で羽を伸ばし消えていく選手も少なくない。逆に高校で完全燃焼できず、大学では野心を持って上を目指す選手もいる。
駒澤大学卓球部は、そんな野心家の集まりだ。「とにかく上に勝つ」と意気込み、日々厳しい練習に臨み、自らを鍛え上げている。その結果、2021年の秋リーグでは非公式開催ながら関東学生リーグ1部の4位に入った。
今回は、駒澤大学卓球部の練習に潜入し、2022年4月から就任した佐藤卓央監督と、主将を務める中橋敬人(駒澤大学4年・鶴岡東高校出身)に話を聞いた。
【駒澤大学卓球部】関東学生リーグ1部に所属する卓球強豪校。2021年の秋リーグではオープン開催ながら1部4位に入った。2022年4月より長崎降志総監督、佐藤卓央監督、中橋敬人主将の体制となった。二木啓太(豊田自動織機)や村上莉羽(瀬戸内スチール)ら実業団選手も輩出している。
進んで自主練をやる学生が多い駒澤大学卓球部
写真:佐藤卓央監督(駒澤大学)/撮影:ラリーズ編集部
その時に現総監督の長崎監督から「駒澤大学のコーチの方をやってみないか?」とお誘いいただきました。大学では一時期不真面目な部分もあったのですが、自分が変わったところやいろんなことに挑戦したいと思っているところも見てくださって、まずはコーチに就任しました。
そこから2年間くらいコーチをして、監督になったという経緯です。
写真:2021年の秋リーグでアドバイスを送る佐藤監督/撮影:ラリーズ編集部
今は全員が向上心を持っていて、現キャプテンの中橋がみんなを鼓舞することもあり、みんな「やってやるぞ!」という気持ちで卓球に向き合っています。
写真:中橋敬人(駒澤大学)/撮影:ラリーズ編集部
大学で一区切りと考えている選手も多いので、大学で何とか一花咲かせてやろうという気持ちが強いんだと思います。
野心を持ったチームメートたち
主将を務める中橋にも話を聞いた。インターハイ団体準優勝・ダブルス3位、関東学生選手権を1年生で準優勝と数々の実績を残してきた中橋はどういうチーム作りを意識しているのだろうか。
写真:中橋敬人(駒澤大学)/撮影:ラリーズ編集部
また、今は自宅から通っているので親にも支えてもらっていて、応援してくれる人たちを裏切りたくないなと思って、卓球には信念を持ってやっています。
年明けから選手一人一人と部室で面談をして、「目標に向けてしっかり俺はやりたいから力を貸してくれ」と伝えて、それにみんなが応えてくれていて、本当に感謝していますね。
写真:中橋敬人(駒澤大学)/撮影:ラリーズ編集部
一人一人野心を持って卓球に取り組んでくれて、「とにかく強くなりたい」と自分の可能性を信じてひたすら練習に打ち込んでいます。
そういう人たちが集まって率先して練習をやるようになって、チーム全体に「俺もやらなきゃいけないな」という意識が芽生えてきて、すごい良いチームになってきたなという印象はありますね。
写真:駒澤大学卓球部のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
「とにかく上に勝つぞ」
最後に佐藤監督に今後のチームについて聞いた。
写真:佐藤卓央監督(駒澤大学)/撮影:ラリーズ編集部
自分の方からは「ここはこうだろ」とか「これが伝統だからやっていけ」と押し付けるのではなく、どんどん新しいことを取り入れて、それがやりたいならやっていこう、そのためにはここを手伝うよというスタンスで監督をするつもりです。
写真:2021年の秋リーグでアドバイスを送る佐藤監督/撮影:ラリーズ編集部
他大学で出てきそうな選手リストを出して、その動画を主力だけじゃなくて全員で見て、苦手そうな部分や得点パターンをみんなで洗い出して、チーム全体で戦っていくことは意識しています。
写真:駒澤大学卓球部の練習場/撮影:ラリーズ編集部
全国上位での勝利の味を知る主将・中橋、若き指揮官・佐藤監督という新体制となった駒澤大学卓球部。抱き続ける勝利への野心が実を結ぶ日が楽しみだ。