写真:Tリーグ4連覇に導いた村上恭和総監督(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部
卓球インタビュー 【なぜ日本生命レッドエルフだけ勝てるのか/後編】村上恭和の監督論「来季の選手起用はナーバスになる」
2022.04.08
男女唯一の4連覇という偉業を成し遂げた名将・村上恭和に聞く、監督論。
話は、チームの枠を超えて、来季Tリーグのあり方に及んだ。
パリ五輪代表選考にTリーグが加わる影響
レギュラーシーズンの中で、1勝1ポイントとかパリ五輪選考ポイントに加わるわけだから、みんな選手は出してほしいですよね。
だから今までの4シーズンよりも選手起用にはナーバスになるんじゃないですか。槌谷さんがおっしゃるように、根拠もなく選手を使えないです。
東京五輪代表選手は、ワールドランキングのポイントで決めるシステムでした。あの団体戦は、3人が競争していたから全員が毎回出たいって言ったんです。5人の選手を連れて行ったのに、この3人だけでほぼ全試合戦ったんですよ、何ポイントか上がるから。
それはやっぱり選考基準の落ち度やね。
そのとき行っていた長﨑(美柚)は1試合も出ていない、応援だけして帰ってきたんですからね。
だから、あれはルールが悪かったです。
ただ、今のところ、少しそれに近くなる可能性はあるので、あくまで各チーム内でですが、基準を設けてもいいと思います。例えばですけど、ひとり20試合あったら16試合までしか出られないとか、何試合かしたときに勝ち越している人が優先するとか。
スタートする前に色々決めておけば、監督に全責任を負わせず、チームが壊れないルールは作れると思います。
写真:村上恭和総監督(日本生命レッドエルフ)/撮影:ラリーズ編集部
それが講習会なのか、模擬試合なのか、本当の試合なのか。いろんな案があった中で、今回はパリ五輪の選考にも入るんなら個人戦がいいんじゃないかってことになったんですね。
2020年に男女混合のオールスターもやりましたよね。要は卓球ファンづくりとスポンサーを獲得するためのイベントなんです。
コロナと東京五輪金メダル
ロンドン、リオと、日本女子団体にメダルをもたらした代表監督として、忸怩たる思いはありませんか。
ただ、これは終わったことですから、みんなの記憶が残っている5thシーズンが再起動の勝負の年ですね。
今は各チームともスポンサー関連収入が9割くらいじゃないですか。
ただ、岡山リベッツのイオンモール開催は素晴らしかったね。
写真:イオンモールでのTリーグ開催/提供:岡山リベッツ/T.LEAGUE/アフロ
そうしたら、本当に集客したいときに来てくれる。
あの知見を岡山さんが発信するなり、槌谷さんに取材してもらうなり、みんな良かったところを出し合って共存共栄を図りたいよね。
来季Tリーグの展望
もう一つは男女ともに、鎖国して選手を出さない国以外から、海外選手を獲る可能性は高いですよね。特に男子はロシアリーグの契約選手がTリーグに来たら面白いですよね。
男女とも、6チームまでは世界一というレベルのメンバーを集めることができると思っています。8チームでできるかというと、中国選手が来ない状況では厳しいかなと思いますが。
いずれにせよ、もう4年もやったのだから、いろいろ変えていかないとダメだと思ってます。力を貸してください。
写真:4連覇を果たした日本生命レッドエルフ/撮影:ラリーズ編集部