大矢英俊と聞くと、あの咆哮が耳に奥に響いてくるだろうか。
独特のフォームが目に浮かぶだろうか。
卓球台を離れると、誠実で、チャーミングな33歳の男である。
大矢に関しては、ファーストとスポンサー契約ではなく、株式会社ファーストに入社し、社員としても働いている。
名実ともに、ファーストと共に歩む男に話を聞いた。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
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もう引退かなと思った全日本予選の敗退
でも、浜野社長に“大矢はもっとやれる、あきらめずに頑張れよ”という言葉を頂いて、“いったい自分は何をしてるんだ”と強く思いました。夜、眠れなかった時期です。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
苦しかった時期の努力が報われた
頑張ってその結果だったので、ダメージが大きくて立ち直れなくて。
命懸けの覚悟で戦い、グループ予選2位通過、最終決定戦でなんとか勝って、通過しました。
そこからはもうゼロスタートで頑張って、全日本の本戦でベスト32に入れたときに、苦しかった時期の努力が報われたのかなと思いました。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
社員と選手のバランスの取り方
いろんなお客さんと触れ合うと、選手を続けているからこそ、すごく応援してもらえていると感じます。僕も恩返しで、なんとかお客さんに強くなってもらいたいと色々考えたり。
写真:ファースト卓球スクールの様子/撮影:ラリーズ編集部
“マスターズで勝ちたい”“東京選手権に出たい”という方などのために、今の卓球で勝つための様々なメニューを、僕自身が教える形でやっています。
あと、来月は僕自身の試験もあるんですよ、ビジネスマネージャー検定試験っていうんですけど。なのでいま、勉強もしてます。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
“一度死んでも蘇る”感覚
それだけじゃなくて、僕が落ち込んでいるときなんかには、すぐ察知してフォローしてくれます。
浜野社長の下なら、“一度死んでも蘇る”という感じです(笑)。
写真:浜野浩 総監督(左)と大矢英俊(右)/撮影:ラリーズ編集部
僕も吠えて、社長も吠える
今回は無観客ですが、ぜひここは皆さんにも見て頂きたいところです、社長の気持ちのこもった表情(笑)。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
ダブルスは注力して練習していきたいと思っています。
今年は、もう命懸けです。
ただ、組み合わせが発表されて、キツいなあとは思いましたが(笑)、でも長年優勝できていないこの悔しさをぶつけて、チーム一丸となって、今年こそてっぺんを目指します。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部
命懸けという表現
奇しくも、浜野社長も大矢も、別々に“命懸け”という言葉を口にした。今の時代に流行らない表現かもしれない。
でも、おだやかな方、新しい方ばかりに賭けたがる現代に、その時代がかった覚悟は清々しく響いた。
写真:大矢英俊(ファースト)/撮影:ラリーズ編集部