創業当初は釣り事業一本 大阪で多店舗展開を続ける卓球場が創る「卓球で正社員を続ける」未来 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:吹田卓球センターの峰久保文香店長(左)と上六卓球センターの永富聖香店長(右)/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー [PR] 創業当初は釣り事業一本 大阪で多店舗展開を続ける卓球場が創る「卓球で正社員を続ける」未来

2025.12.18

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

2013年の創業からわずか12年で、大阪に卓球場兼卓球ショップ「卓球センター」を4店舗と無人卓球場「ピンポンスポット」を2店舗展開する株式会社名光通信社。

今回は、その名光通信社の名田健嗣社長と卓球事業部の統括マネージャー・吉本健太さんに、創業時の話や卓球センターが目指す未来について伺った。

釣り事業から卓球事業への転身


写真:インタビューに応える吉本健太マネージャー(右)と名田健嗣社長(左)/撮影:ラリーズ編集部

――まずは自己紹介をお願いします。
名田健嗣社長:株式会社名光通信社の名田と申します。弊社は祖父の代から続く企業で、創業当初は魚釣りに関する出版業を営んでおりました。私は2010年に社長に就任したのですが、その翌年の2011年に東日本大震災が発生し、主力であった釣り事業も大きな打撃を受けました。

その際、一つの事業だけに依存するのは経営上のリスクが高いと判断し、事業の多角化へ舵を切ることにしました。2012年には飲食事業を立ち上げ、続いて2013年にスタートさせたのが、現在の「卓球センター.JP」です。

吉本健太マネージャー:株式会社名光通信社・卓球事業部の統括マネージャーをしております、吉本です。私は「卓球センター.JP」創業当時からのメンバーでして、初期は店長も経験し、現在はマネージャーとして活動させていただいています。

実は、この事業が始まる前から、副業としてフリーランスの卓球コーチをしていました。「いつか卓球で生計を立てていきたい」という強い思いを持っていた矢先に名田社長と出会うことができ、非常に良いご縁に恵まれたと感じています。


写真:運営する「吹田卓球センター」の外観/撮影:ラリーズ編集部

――卓球事業を始められたきっかけは何だったのでしょうか?
名田健嗣社長:大阪の本町に自社ビルを所有しており、その空きスペースを有効活用したいと考えたのが最初のきっかけです。当時は、駅近や都心部に卓球ができる施設がほとんどありませんでした。「都心で卓球をしたい」という潜在的なニーズは必ずあると考え、事業化に踏み切りました。

ダブルワークの副業から正社員へ

――吉本さんは「最初は副業として働いていた」と伺ったのですが、いつ頃正社員になられたのでしょうか?
名田健嗣社長:実は当初、吉本は当社の社員ではありませんでした。別の仕事をしながら、就業後にこちらのレッスンへ駆けつけるという、寝る間も惜しんだダブルワークの状態でした。

ただ、レッスン事業を開始してすぐに人気が出たため、「これなら卓球一本でやっていけるのではないか」と二人で話し合い、スタートから1年も経たないうちに正社員として迎え入れることを決めました。

吉本健太マネージャー:当時は本当に分刻みのスケジュールで、いつも「あと10分で卓球場に着かなければ」と、綱渡りのような毎日でした。今振り返ると非常にハードでしたが、不思議と苦にはなりませんでしたね。

「努力の先には、卓球で生計を立てる未来がある」という想いが、日々のモチベーションを支えていたのだと思います。

――吉本さんが正社員になられてからのキャリアステップについてお聞かせください。
吉本健太マネージャー:キャリアとしては、創業初期のメンバーからスタートし、店長を経て、現在はマネージャーとして複数店舗を統括する立場になりました。

入社後に、名田社長からマネージャーとして必要なスキルや考え方を学ばせていただいたおかげで、今では私が部下に対して、一人ひとりに合わせた指導や言葉選びができるようになったと感じています。


写真:子どもから大人まで幅広い年代の方が利用している/撮影:ラリーズ編集部

常に新しいことにチャレンジする

――卓球事業の12年間で、毎年変化があったと聞きました。
名田健嗣社長:「変化のない年がない」というのが弊社の特徴ですね。最初は本町店の卓球場運営のみでしたが、軌道に乗るにつれて物販を開始し、スタッフの増員や卓球場の増設を行いました。

2017年には吹田卓球センター、2022年には上六卓球センター、2023年には梅田卓球センターと無人卓球場の「ピンポンスポット南森町店」を出店と店舗も各地に展開。毎年必ず新しい何かに挑戦する機会を設けてきました。


卓球事業創業から現在まではさまざまな出来事があった/撮影:ラリーズ編集部

名田健嗣社長:ですが、この「挑戦」は決して強制するものではありません。初期から中期にかけては吉本が先陣を切ってくれましたが、次第に店長や他の社員からも手が挙がるようになりました。

今では私たちが想像もしないようなアイデアが出てくる組織風土が定着しています。

吉本健太マネージャー:新しい経験ができる環境は本当に魅力的です。卓球センターでの業務は店舗運営だけでなく、YouTube撮影やSNS運用、著名な選手を招いての講習会、メーカー展示会への参加など、多岐にわたります。

そのなかで、自分のやりたいことに手を挙げ、チャレンジできる土壌がありますね。


写真:店舗では卓球関連商品の販売も行っている/撮影:ラリーズ編集部

苦しい時期も乗り越えてきた

――順調な拡大の一方で、苦しい時期もあったのではないでしょうか?
名田健嗣社長:一番苦渋の決断だったのは、豊中卓球センターの撤退です。赤字が続き、わずか1年で撤退することになりました。

売上が伸び悩んでいたことに加え、新型コロナウイルスの流行、長年貢献してくれたアルバイトスタッフの卒業といったタイミングが重なりました。スタッフ確保の難しさと自粛ムードの中、早期撤退が最善であると判断しました。


写真:「上六卓球センター」の店内/撮影:ラリーズ編集部

名田健嗣社長:また、コロナ禍の初期から中期にかけては売上が非常に厳しかった。

しかし、弊社には創業からの「釣り部門」があり、これが全社売上の約半分を支えてくれていました。

卓球部門が苦しい時も釣り部門が頑張ってくれたおかげで、社員に給与や賞与をしっかり支給することができました。多角化経営の強みが出た瞬間でした。

「現場の声を吸い上げる」仕組み


写真:店舗スタッフは卓球の指導以外もさまざまな業務に取り組む/撮影:ラリーズ編集

――福利厚生や働きやすさが卓球センター.JPの特徴に感じているのですが、そちらについて聞かせてください。
名田健嗣社長:以前は「卓球関連の企業に正社員として就職する」という選択肢自体がほとんどありませんでした。

給与や待遇の問題で、卓球が好きでも別の仕事を選ばざるを得ない人が多かったのです。

私はそうした状況を変えたかった。「卓球が好きで、かつ仕事としてもしっかり稼げる」職業にしたいという強い想いがありました。そのため、事業当初は多少無理をしてでも待遇を良くし、「自分たちが結果を出して証明するしかない」という覚悟で環境を整備してきました。

現在では女性社員も増え、育児と仕事の両立など、ライフステージの変化に合わせた環境づくりを毎年改善しながら進めています。

吉本健太マネージャー:現場の声を吸い上げるシステムが機能している点も、働きやすさの一つです。店長が得た情報を私が集約して社長に伝えることで、制度変更の判断がスピーディーに行われます。

例えば、身だしなみの規定などで「今の時代にはそぐわない」という意見が出れば、すぐに廃止が決まるなど、会社全体として非常に柔軟性があると感じています。


写真:さまざまなバックグランドを持ったスタッフが働いている/撮影:ラリーズ編集部

――現在のスタッフにはどのような特徴がありますか?
吉本健太マネージャー:当社のスタッフは、個性を尊重し合う「協調性」の高さが最大の特徴です。

さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっていますが、相手を思いやる優しさを持ったスタッフが多く、そういった環境が卓球センターの成長につながっていると思います。

採用のポイント

――採用ではどういった点を見られているのでしょうか?
吉本健太マネージャー:採用面接では、まず「清潔感」を重視します。お客様に接する仕事ですので、身だしなみは重要です。

そして何より、「相手のことを考えた言葉選びができるか」を見ています。自分の話ばかりする人は、相手を思いやる余裕がないことが多い。コーチングにおいても、技術指導だけでなくお客様の気持ちに寄り添うことが不可欠ですので、会話のキャッチボールができるかどうかは非常に大切です。


写真:スタッフの採用には明確な基準がある/撮影:ラリーズ編集部

名田健嗣社長:私は最終面接で「長く働く意志」を確認します。言葉の端々や姿勢から、本当にこの会社で働きたいという熱意が伝わってくるかどうか。

また、その人が店舗に入った時、既存スタッフと調和し、お店の雰囲気を良くしてくれるかというイメージを持ちながら判断しています。

――どのような方にスタッフになってもらいたいと考えていらっしゃいますか?
名田健嗣社長:卓球が好きであることは大前提ですが、弊社では20代から40代まで、経歴も「幼少期からの経験者」から「社会人デビュー」まで幅広い人材が活躍しています。

情熱があれば、どんな方でも門を叩いていただきたいですね。卓越した卓球スキルがなくとも、最低限のコーチング技術に加え、コミュニケーション能力や協調性があれば十分活躍できます。

何より大切なのは、「卓球に関わる仕事を、魅力的な職業にする」という使命感です。この事業はまだ成長過程にあります。「自分たちが新しい歴史を作っていくんだ」という気概を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。

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募集要項

< 必須条件 >
◎ 卓球のプレー経験がある方
(学生時代の部活動、地域のクラブ、趣味など、形態やレベルは問いません)
◎ 当センターの理念に共感し、卓球の普及やお客様のサポートに意欲を持って取り組める方
< 歓迎条件 >
◎ 子どもや初心者への指導に興味がある方、または指導経験がある方
◎ 卓球用品の知識がある方、物販や接客の経験がある方
◎ 卓球の競技スキルを仕事に活かしたい方(県大会入賞レベルの方ももちろん歓迎します)
◎ 接客業が好きで、YouTubeやSNSへの出演にも抵抗のない方

※実務経験不問
※業種・職種未経験OK
※学歴不問
※新卒・第二新卒も歓迎!
< 実技試験に関する注記>
※面接時には、簡単な実技(ラリー程度)をお願いする場合があります。
(競技レベルの確認ではなく、卓球への基本的な理解度を見させていただくためのものです)