「準備時間は10分の1」「半日で1人15試合」卓球の現場はどう効率化されたのか?(卓球DX特集・金沢編) | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:背景は金沢で行われた卓球大会の様子/提供:主催者

卓球インタビュー 「準備時間は10分の1」「半日で1人15試合」卓球の現場はどう効率化されたのか?(卓球DX特集・金沢編)

2021.12.04

文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)

卓球の現場でDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいる。

チームの代表者が紙の申込書を郵送して大会にエントリー
現地で参加費を現金払い
試合結果は本部が手書きで管理
進行は遅れるのが当たり前

こんな卓球大会の非効率をITの力で変えようと全国各地で取り組みが始まっている。

今回取材した卓球大会(11月20日開催。エンデバーメイト交流卓球大会。於:石川県金沢市)では、ITの力を駆使し、申込から試合進行まで原則全てオンラインで実施していた。

これにより主催者が準備にかかる時間が従来の約10分の1に短縮された

また、主催者の工夫により、参加者全員が近いレベルの選手と1日15試合以上対戦でき、非常に満足度が高かったという。

今、卓球大会の現場はどう変わろうとしているのか。大会を主催した西東輝氏(清水スポーツ)にお話を伺った。

進む、卓球大会のDX化


写真:大会を主催した西東輝氏(清水スポーツ)/提供:本人

――今回はどんな卓球大会を開催されましたか?
西東:
卓球界全体でオープン大会が減っている中、石川の子供たちが試合経験を積む場が必要だと思い、1日で1人10試合以上、しかも近いレベルの人と対戦出来る機会を作りたいと思って大会を主催しました。

今回は小学生116名が参加し、3ゲームマッチで1人最低15試合以上、多い子だと20試合以上こなした子もいましたので目的は達成出来たかと思います。


写真:Labo Scoreでリーグ戦の結果がリアルタイムで反映されていく。リーグ戦が終わると申込試合(練習試合)に移行し、効率よく試合進行が行われた/提供:西東輝氏

――これまでの大会との違いは?
西東:
申込から試合進行まで原則全てオンラインで実施したことです。

申込はこれまで各チームの代表者が取りまとめていて大変だったのですが、保護者が直接申し込みようにしたため監督さんからは「負荷が減った」と感謝をされました。

また、試合は8人から9人の総当たりリーグを行ったのですが、その全てがオンラインで記録され、即時に結果が見れることが好評でした。会場に来れない保護者も試合記録を自宅でスマホで見ていたそうです。

進行もスムーズで、大会全体で約6時間で762試合(3ゲームマッチ)が実施できました。リーグ戦の後の申込み試合も含めた数ですが、26台がずっと埋まっている状態でした。レベル別に4カテゴリに分けたこともあり、近いレベル同士の子たちが白熱した試合を展開していましたね。

一日に同じ10試合できるなら、「似たもの同士で10試合」出来た方が良いと思っていたので、実現できて嬉しいです。

準備にかかった時間は従来の10分の1


写真:西東輝氏(中央)と大会運営を担当した清水スポーツスタッフ/提供:本人

――大会の準備の面では何か差がありましたか?
西東:
これまでも同規模の大会を主催していましたが、準備にかかる時間が約10分の1になりました。

組み合わせの作成はシステムで自動化されましたし、大会プログラムの印刷が要らなくなった点が大きいです。

一方でインターネットが苦手な方もいますので、大会エントリー用のマニュアル作成や、学生・社会人スタッフによる進行協力などがトラブル無く進められた要因ではないかと思います。


写真:西東氏が作成した大会エントリー案内。IT初心者でも申込みが出来るように丁寧に作成されている/提供:本人

――逆に今後に向けた課題は?
西東:
今回は小学生が対象ということでスマホを持っていないので、自分でスコアが入力出来ませんでした。なので全て本部でスコアを入力するのが大変でした。本当は申込み試合まで全て入力出来たら良かったのですが、組み合わせが予想できない練習試合全ての入力は難しく断念しました。ここは今後の課題ですね。

また、小学生はスマホを持っていないため、大会中に選手がレーティングポイントの変化を楽しむことが出来ない状況だったので、勿体なさはありましたね。この辺りは今後改善していきたいと思ってます。


写真:大会前にはandro社協賛のじゃんけん大会も行われた。写真は商品を獲得した参加者/提供:主催者

――最後に今後の目標についてお聞かせ下さい。
西東:
今回で大会を主催するのが3回目で、116名のエントリーを頂きました。来年度には更に大会規模を200人、300人と大きくし、年代の幅も広げていきたいと思います。

そのために年明けには福岡の高森卓球クラブが主催される300名規模の大会も視察し、勉強させて頂く予定です。

今後もITの力で運営効率化を図りながら、金沢から老若男女、初級者からトップまで卓球を盛り上げていきたいと思っています。


写真:西東輝氏は吉田雅己プロ(木下グループ)のプライベートコーチも務めるなど、卓球の普及からトップアスリート強化まで幅広く活躍する/撮影:ラリーズ編集部

編集後記

従来より卓球大会の運営は、主催者の事前準備や当日運営、そして参加者のエントリー決済から試合結果報告など、効率化できる要素が多々あったが、ここ数年でIT導入によるDX化が徐々に進んでいる。

今回の事例は、卓球業界で最もシステム開発に明るいと目されるラボライブ社と、同社とタッグを組む地方の卓球事業者が協業した好事例と言えよう。

ラボライブは従来行ってきた卓球大会のライブストリーミング中継に続く第2の事業として、卓球大会運営システム「Labo Rating」「Labo Score」の普及に力を入れている。

7月のローンチから4ヶ月が経過し、既に関東、北陸、関西、九州など各地で約40大会が行われた。レーティングの会員登録者も1000人に迫る勢いだという。

今回は金沢での小学生向け大会の事例をご紹介したが、地域やカテゴリ(年齢やレベル)によっても大会運営の仕方やシステムの利用方法が異なってくるものと思われる。

今後も、全国の卓球プレーヤーが楽しめる大会が普及するよう、各地で生まれる企画やアイデアをご紹介していきたい。

大会運営システム(LaboRating)に関するお問い合わせ

協会、卓球場、部活、クラブチーム他、本レーティングシステムの活用を検討したい方は下記までお問い合わせ下さい。

info[at]labolive.com
※[at]を@に変更してメールをお送り下さい

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