再開後の新たな形を模索する、日本の卓球界。
これからも変わらず、卓球を応援していきたいと力強く語ってくれた全農・安田常務。
事実、全農は新たにジュニアナショナルチームのスポンサー契約を始めるなど、さらに幅広い世代へのサポートを考えている。
その狙いや思いはどこにあるのか、オンラインで取材を続けた。
>>「再開後も変わらずサポート」卓球を支えてきた全農の10年間とこれから(前編)
2019年の代表選考レースとそのサポート
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
――2019年は、所属選手である石川佳純選手が代表選考を戦い抜いた一年でした。
安田:応援する立場にとっても、その気持ちが伝わってくるので、これは卓球に限らずですが、トップアスリートの方々が、私たちの想像を絶する厳しい戦いの中に身を置いているということを改めて実感する一年でした。
――サポートする側も大変でしたか。
安田:選手の皆さんが一年中海外で戦っているような状況でしたので、確かに私たちスタッフも、年中誰かが現地でサポートさせて頂いているような感じではありました(笑)
🏓2019 ITTFワールドツアー・ブルガリアオープン🇧🇬
【8月17日】
女子シングルス、石川佳純選手(全農)の準々決勝は0-2で追いかける展開!「ニッポンの食」パワーで がんばれ!🇯🇵
#卓球 #ブルガリアオープン #卓球日本代表 #ニッポンの食 #全農 #石川佳純 pic.twitter.com/P43lgbFdGz
— 全農広報部 スポーツ応援 (@zennoh_sports) August 17, 2019
――遠征先では、スタッフの方々が選手への食事提供に奔走する傍ら、SNS展開も積極的に行っているのが印象的でした。
安田:SNS発信は、スタッフの手作りなので多少拙い部分もあるかと思います。ただ、選手と一緒に戦っているという臨場感みたいなものを皆さんに楽しんで頂けたらいいなという思いです。
日本代表選手を食でサポート🏓🥌
2019年振り返りレポートvol.2番外編昨年6月の🏓香港オープンの大会前日に日本代表選手の皆さんをご招待したお食事会🍖
和牛焼肉レストラン「純」の暖簾の隙間から覗いているのは…石川佳純選手‼️
いい笑顔😀#卓球日本代表 #カーリング日本代表 #ニッポンの食 #全農 pic.twitter.com/OGYFx6nPWu— 全農広報部 スポーツ応援 (@zennoh_sports) May 15, 2020
――東京五輪が一年延期になり、これからのサポートはどういう予定でしょうか
安田:今はナショナルトレーニングセンターも閉まっている状況(取材時:5月)で、選手の皆さんに直接の支援はできない状況ですが、SNSを通じて代表選手に応援メッセージを送るキャンペーンをしています。同時に、再開後に向けて、選手の皆さんにとってどんな形のサポートが良いか、現在我々のチームで企画を練っているところです。
写真:遠征時に全農提供の食事に並ぶ選手団
――新たにジュニアナショナルチームへのサポートを始める狙いは
安田:近年、日本のジュニア層への注目度も上がってきています。海外遠征などの機会も増えるに従って、食事の面で苦労するというお話も伺っておりましたので、我々が力になれるなら、という思いが一つです。もう一つは、日本の卓球界のトップ層の強さは、裾野の広さがあってこそだと思いますので、広い世代に切れ間なくサポートさせて頂くことでお役に立てれば、という気持ちもあります。
――具体的にどういうサポート内容をお考えでしょうか
安田:世界ジュニア選手権と、その予選大会にあたるアジアジュニア選手権に出場する選手の皆さんへ、マジックライスやフリーズドライの味噌汁・スープ類など、「ニッポンの食」を提供しようと考えています。ジュニアの大会は試合数が多いため、試合の合間でさっと食べられるものがいいと伺いました。軽くて持ち運びしやすく、手軽に食べられるものを選びたいと思っています。
全日本ホカバの中止
写真:全農杯 2019年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)表彰式
――全農杯全日本ホカバをはじめ、多くの大会が延期・中止となりました。大会協賛を続けてきた立場として、選手たちへエールを頂ければと思います
安田:自分のパフォーマンスを一番発揮したい時期にできない、歯痒い気持ちをされてるだろうと思います。ただ、必ず状況は変わりますし、いつかは大会も再開されます。今は我慢が必要ですが、今のそれぞれの皆さんの、大げさに言えば「今しかない人生」を充実させて欲しいと思っています。それがきっと、再開されたときのパフォーマンスに繋がるんじゃないかと思いますし、こういった経験が、競技だけじゃなく、その後の人生にとってのいい糧になるんだろうと考えています。
全農も「食」の事業者として戦っている状況
全農・安田常務理事
――全農の事業としても、「食」の供給ラインを守る大変な局面なんだろうと思います
安田:おっしゃる通りです。我々としては、せっかく農家の方が作った農産物の行き場がなくなっている状況で、皆さまに口にして頂けるよう尽力している状況です。一方で、途切れず安定的に食を提供するという面も我々の重要な使命なので、感染リスクを押さえながら皆さまの食卓に「安全な食」を届けるべく、様々な施策に職員一同取り組んでいるところです。
――お忙しいところ、ありがとうございました。
これまでも、そしてこれからも卓球を様々な形で応援することを語ってくれた全農。
私たちも歩みを止めることなく、さらなる日本卓球の盛り上げで応えたい。
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