写真:早川周作氏(左、琉球アスティーダ)、島田慎二氏(千葉ジェッツふなばし)/撮影:ラリーズ編集部
卓球×ビジネス 【Tリーグ×Bリーグ】琉球アスティーダ早川氏、千葉ジェッツ島田氏が語る「スポーツ×ビジネス」の未来像
2019.03.21
文:戸澤しおり
3月20日、東京・虎ノ門ヒルズで開催された、日経BP社主催のビジネスセミナー「SPORTS Tech&Bizカンファレンス2019」に、卓球Tリーグの人気球団・琉球アスティーダスポーツクラブ代表取締役の早川周作氏が、パネリストとして登壇した。
TリーグとBリーグ。スポーツ×ビジネスの未来とは
ここ数年、国内で盛り上がりを見せるスポーツビジネス。今後、新たにこの分野へ挑戦する企業やイノベーターに向けて「スポーツ×テクノロジー」「スポーツ×ビジネス」の2軸で、各界のリーダーが講演やディスカッションを行ったこのイベント。
早川氏が登壇したのは【KEYNOTE/特別講演】のセクションで、バスケットボールのプロリーグ『Bリーグ』に所属する千葉ジェッツふなばし代表取締役社長の島田慎二氏と2020年以降を見据えた意見交換を行った。
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写真:SPORTS Tech&Bizカンファレンス2019/撮影:ラリーズ編集部
モデレーターとしてこのディスカッションを仕切る、早稲田大学スポーツ科学部招聘研究員の上野直彦氏と共に「それぞれのチームの特徴・ブランディング戦略」「異業界での経験がどんな効果をもたらしているのか」「2020年以降のビジネス展開について」など、「スポーツ×ビジネス」に特化した内容で進められた今回のトークセッション。
代表就任前は旅行事業会社の運営をしていた島田氏と、様々な業界を経験しながらベンチャー起業の上場支援などを手がける早川氏。
共に異業界からの転身組である二人の対談中、何度も出てきた共通メッセージが「スポーツビジネスもいわゆる普通のビジネスと何も変わらない。これまで自分たちがやってきたことをそのまま取り入れて、しっかりとチームを経営していくことが一番大切である。」ということだ。
「スポーツ業界は旅行業界と非常に似ていて、好きなことを仕事にしている人が多い印象があった。なので『志はあれど術がない』という状態だったので、好きを仕事にする人たちに対するビジネスモデルの構築、という点では旅行業界での経験が役立った。」という島田氏の意見に対し、早川氏も大きく頷く。
また、早川氏が「スポーツ=儲からないという概念をまずなくす必要がある。日本はもっと企業がスポーツに対してお金を出していいんだ、という風潮を定着させていきたい。その第一歩として2020年の6月に、プロ投資家向けの市場である『東京プロマーケット』へ、スポーツクラブとして初めての上場をする予定である」と話すと、島田氏だけではなく、モデレーターの上野氏や会場からも思わず感嘆の声が上がった。
途中、両人のネクタイの色が同じだったことについて上野氏が尋ねると「打ち合わせをせずに赤いネクタイが揃ってしまった。この赤をきっかけにお互いが提携しようと盛り上がって、3分程で提携が決まりました。これを機に、(千葉ジェッツの試合の)ハーフタイムで突然卓球が始まったりするかもしれませんね」と、ユーモラスな回答をする島田氏に対し、「アスティーダには愛ちゃん(福原愛選手)の旦那さん(江宏傑選手)もいますからね、お連れしますよ」と同じトーンで返事をする早川氏。
2人のやり取りを通し、卓球とバスケットボールという、国内でもここ数年急激に盛り上がりを見せているこの2つのスポーツがタッグを組むことで、これまでにないスポーツビジネスの形が生まれると予感させる、非常に充実した内容の対談であった。
今回の対談内容については近日公開予定。二人の思い描く「スポーツ×ビジネス」の形とは一体どんなものなのか。