“早稲田に入る”成績を出すべく磨いた勝つための思考法 インカレ全勝のスーパー1年生杉田陽南 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

卓球×インタビュー “早稲田に入る”成績を出すべく磨いた勝つための思考法 インカレ全勝のスーパー1年生杉田陽南

2021.09.09 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

早稲田大学卓球部女子のインカレ優勝立役者の1人が、スーパー1年生の杉田陽南(すぎたはるな)だ。

日本生命の下部組織であるジュニアアシスト卓球アカデミー(以下、ジュニアカ)で腕を磨いた杉田は、入学早々、関東学生新人戦ではシングルス準優勝、インカレでもレギュラーとしてシングルス6戦6勝とチームの中心選手として活躍した。

今回は杉田に、“早稲田に入るために”努力を重ねた中高時代や、現在の早稲田での生活について尋ねた。


【杉田陽南(すぎたはるな)】群馬県出身。2002年5月27日生まれの19歳。右シェーク裏裏ドライブ型。昇陽中学、香ヶ丘リベルテ高校を経て、現在は早稲田大学スポーツ科学部に所属。2020年大阪国際招待卓球選手権では、高校生ながら優勝を飾った。関東学生新人戦ではシングルス準優勝、インカレではシングルス6戦6勝で3年ぶりの優勝に貢献。

思考の引き出しの多さが特徴


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

――インカレでも全勝で新人戦も準優勝。大学での卓球生活は順調ですか?
杉田陽南:結果としては良かったと感じましたが、内容的に見れば成績に追いついてないと思っています。実際にその試合だけで見た場合、良い試合は無かったです。
――あまり納得してないんですね。
杉田陽南:自分自身もそんなに良くなかったなとは思ってたんですけど、周りの反応も思ったより悪かったです(笑)。

もうちょっと褒めてくれるかなって思ってました(笑)。

――厳しいですね(笑)。

あまり内容が良くないのに勝てたのはどういう要因があると考えてますか?

杉田陽南:高校の3年間で、早稲田大学に入学できる成績を出すために、いろんな工夫をしてました。

こういう状況になったときはこう考えるなど、思考のパターンがほとんど決まっていて、引き出しが他の選手より多かったところは良かったと思います。

インカレでも一番が負けて回ってくる場面や2台進行など、いろんなシチュエーションでしたが思考を切り替えて、状況に合わせた行動ができました。

――そういう思考パターンの引き出しの多さは興味深いです。もう少し詳しく教えて下さい。
杉田陽南:例えば、気持ちの引き締め方ひとつでも対戦時に技術力の差は必ずあるので、格下なのか同レベルなのか格上なのか、どういう分類になるかで気持ちの引き締め方を変えています。


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

杉田陽南:1回戦とか2回戦とかは、どの対戦相手の選手でも一人の選手として特に気を引き締めるという部分を磨きました。

逆に高校生のときの私にとって、社会人の選手や大学生はすごい格上です。格上の選手に勝つために、楽しむ気持ちを忘れないで戦うことに重点を置いたら勝つことができました。それが成功体験となって、どんどん新しい戦術なども思い浮かぶようになり、自信になっていきました。

最後に同レベルの選手は、自分の状態が悪いから負ける、良いから勝つとも限らないので、一番気を引き締めなければいけない。だからこそ対策や試合前の準備を入念にします。無理はせずしっかり状況に合わせて冷静に判断し続けることを磨きました。


インカレでは並み居る強敵をなぎ倒し全勝の杉田陽南

視野が広がった3つの試合


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

――そういう考え方が身に付いたのは高校生のときですか?
杉田陽南:土台的な部分が身に付いたのは中3のときです。

たくさん本を読みました。メンタルの考え方とか海外の心理学者の方が書いている本など、ビジネス書とかも読みました。全然違う業界でも考え方は近いものがあると感じました。

中3の全日本ジュニア予選に本気で通りたくて3か月くらい本気で取り組んで、1位通過できました。成績としても一番理想的な形で出て、そこで考え方も基礎ができ上がりました。

――となると自身の卓球人生でのポイントとなるとその中3のときですかね?
杉田陽南:3つあるんですよね。選べなくて。
――全部教えて下さい(笑)
杉田陽南:1つがさっきの中3のときのジュニア予選です。

もう1つは、高1のときの百万石オープンのシングルスで当時専修大学の安藤みなみ選手に勝てたことです。自分でも大学のトップレベルの選手に勝てるチャンスがあるんだと一つの成功体験として視野が広がりました。


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:ラリーズ編集部

杉田陽南:あと1つは高1の全日本ですね。真剣にベスト8を狙ってたジュニアで篠原夢空選手に初戦で負けました。でもその翌々日に一般で長﨑美柚選手に勝てたことです。

長崎選手はスーパーシードとしての初戦で、世界選手権にも選ばれていて、全日本という舞台で同年代のトップ選手に勝つことができた。自分自身ももちろん嬉しいですけど、それ以上に周りの人がとても喜んでくれたことが印象に残っています。

村上監督には「初めて握手したいと思ったよ」って言われて、その試合の勝った後握手してくれて、それが嬉しかったですね(笑)。自分が勝って嬉しいというよりかは周りの人が喜んでくれて嬉しいっていうのが強かったです。

思ったより大変な文武両道


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

――ジュニアカに所属した香ヶ丘リベルテ高時代も含めて、大阪での卓球生活はどうでしたか?
杉田陽南:中学から大阪に行きましたが、私は小6での全国ベスト16が最高でした。

でも、周りには全国でベスト4に入ってる子たちだったり、四天王寺高校というライバルがいたり、日本生命という社会人のお手本がいたり、そういう環境で卓球ができたので、卓球に対する姿勢だったり、普通の高校生の意識ではないレベルでできていたんじゃないかと感じてます。

――ジュニアカからどうして早稲田大学進学を選んだのでしょうか?
杉田陽南:元々勉強が結構好きだったので、文武両道を考えると早稲田大学が一番環境が整ってるということを聞いて入学したいと考えました。

そもそも高校入学時は、早稲田大学に入学できるとは思っていませんでした。


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

杉田陽南:そのため、入学するために努力を重ねました。

大阪は四天王寺高校がいて、全国大会に出場することが大変ですが、出場できれば全国で成績を残せるチャンスは高くなります。

だから、高1で国体代表を本気で狙って予選3位で滑り込んで、全国ベスト4の成績を出せて何とか、という感じです。

――早稲田大学に入ってまだ数か月ですけどどうですか?志望校でもあった早稲田での生活は。
杉田陽南:思ったより文武両道が大変です(笑)。

私が通ってた高校もスポーツに重点を置いてたので、勉強もテスト前を特に頑張ることで成績をキープしていました。それに高校時代は卓球の成績を出さないと早稲田大学に進学する権利すら得られなかったので、一日中卓球のことを考えてました。

その生活からいきなり授業や課題をちゃんとこなしつつ、限られた練習時間でやるとなったので、考えてたより大変ですね。


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

――思ったより両道だったと。
杉田陽南:はい(笑)。でも4月に入学してから徐々に自分のペースはできてきてるので、慣れてくればまた違うんじゃないかなとは思ってます。

私自身慣れるのに時間がかかってしまうので、ちょっと我慢の時期じゃないかと感じてます。

――早稲田での生活を通して、今後どうしていこうと考えてますか?
杉田陽南:人生は、卓球が終わった後の方が長いと考えています。

だからこそ全国のスポーツ系学部でもレベルが高いと感じている早稲田のスポーツ科学部において、自分が実際大学4年間競技を続けていく上で、スポーツに関することもいろいろ学びながら自分の卓球に取り入れつつ、そういったスポーツのジャンルではないところもしっかりと学んでいきたいと思っています。


写真:杉田陽南(早稲田大学)/撮影:槌谷昭人

杉田は、選手としての自らを俯瞰し、客観視することが上手い選手だと感じた。中学時代から、レベルの高い環境で勝つためにはどうすれば良いかを考え抜いた結果身に付いたものなのだろう。

技術はもちろんのことながら勝ちにこだわる思考法に、1年生から名門校のレギュラーとして活躍できる理由を見た気がした。

早稲田大学卓球部女子取材動画

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