鶴岡東高のエース・櫻井倭は明治大へ コロナ禍で掴んだ全国3位の裏側、進学理由、用具のこだわりを聞いた | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:櫻井倭(明治大学)/撮影:槌谷昭人

卓球×インタビュー [PR] 鶴岡東高のエース・櫻井倭は明治大へ コロナ禍で掴んだ全国3位の裏側、進学理由、用具のこだわりを聞いた

2022.05.22

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

2021年、数多くの学生の大会を取材した。印象に残っている試合の1つが、2021年3月に行われた全国高校選抜卓球大会男子学校対抗準々決勝の鶴岡東高校と明豊高校との一戦だ。

2021年の全国高校選抜は5シングルス制で行われ、5番シングルスには1~4番に出た選手がもう一度出場しても良いルールとなっていた。そのため、5番シングルスではエースが再び登場し、チームの命運を背負い戦う大会となっていた。

準々決勝一番の熱戦となった鶴岡東と明豊の一戦は、ラストでエースの櫻井倭(鶴岡東高校→明治大学)と田原翔太(明豊高校→筑波大学)が対戦し、ゲームカウント0-2から大逆転で櫻井が勝利を収め、鶴岡東高校をベスト4に導いた。


写真:鶴岡東高校時代の櫻井倭 全国高校選抜の明豊戦でラストを制した/撮影:ラリーズ編集部

櫻井には、いつか話を聞いてみたいと思っていたが、なかなかタイミングが合わず、そのまま櫻井は高校を卒業し、名門・明治大学卓球部に進学した。

入学して間もない4月中旬に櫻井をインタビューし、鶴岡東高校での生活から今の生活、大学進学を機に契約したXIOM用具について話を聞いた。


【櫻井倭(さくらい やまと)】明治大学情報コミュニケーション学部1年生。右シェーク裏裏。北海道の留萌モンスターズJrから江別中央中学、山形県の鶴岡東高校を経て明治大学に入学。2021年の全国高校選抜では団体ベスト4、インターハイではシングルスベスト32。大学入学後にXIOM契約選手となり、使用用具はラケット:ウーゴ ハイパーアクシリウム、ラバー(フォア):オメガ VII ツアーi 50、ラバー(バック):オメガ VII ツアーi 48

東京生活は「不思議な感覚」


写真:櫻井倭(明治大学)/撮影:槌谷昭人

――オフなのに取材ありがとうございます。前日は百万石オープンでも団体準優勝おめでとうございます!
櫻井倭:ありがとうございます。先輩方が強くてまだまだでした…。
※百万石オープン男子団体優勝は明治大学A(宮川昌大、山本歩、松田歩、手塚崚馬)
――大学生活はまだ慣れないですか?
櫻井倭:先週から授業が始まったばかりで、授業も100分で長くて高校と全然違いますし、なかなか慣れないです。

ただ、勉強もしっかりやらないといけないので、早く慣れて卓球に打ち込める時間を増やしていけたらなと思います。

――関東での生活も初めてですよね?
櫻井倭:そうです。これまで北海道や東北でやってきたので。

これまではずっと徒歩で学校に行けていたんですけど、電車通学になったので東京の電車を使うことになって、都会に来たんだなという実感があって、なんか不思議な感覚です(笑)。


明大前駅までは乗り換えなしで行けるので、迷宮のような巨大駅での乗り換えは体験してないらしい…

「一番厳しい環境で卓球がしたかった」明治大学進学の理由


写真:新人戦でダブルスに臨む櫻井倭(写真右)・安江光博(明治大学)/撮影:ラリーズ編集部

――なぜ明治大学を進路に選んだんでしょうか?
櫻井倭:日本のトップだけでなく、世界のトップ選手まで集まっているので、本当に自分にとって夢のような環境です。

卓球ができる最高の環境だったので、そこでやりたいなと自分で思い、進学を決めました。

――層の厚い明治大学ではなく、出場機会の多そうな大学へ行こうとは思わなかったですか?
櫻井倭:自分はもっと上のレベルに行きたくて、もっと活躍できるような選手になりたいと思っています。

そのためには、自分より上の選手がたくさんいる一番厳しい環境で卓球がしたかった。なので、明治大学進学を選びました。


熱い決意を語る

鶴岡東のエースとして「2点取って帰ってくることが使命」


写真:櫻井倭(明治大学) 打球相手は寮で同部屋の西沢祐太(明治大学1年・長野工業高校出身) 動画には登場します!/撮影:槌谷昭人

――鶴岡東高校時代についても聞かせて下さい。どういう生活でしたか?
櫻井倭:全員寮生活でチーム一丸となって毎日過ごしてました。

コロナの関係で遠征はほとんど無くなってしまったんですけど、部内全員で「全国で勝てるように頑張ろう」と大会がない時期もトレーニングなどやれることをやっていました。


写真:鶴岡東高校時代の櫻井倭/撮影:ラリーズ編集部

――高校時代はキツかったですか?
櫻井倭:コロナで大会が全部無くなったときは、目標を見失いそうになりました。どうすれば良いんだろうと不安な気持ちでいっぱいになったので、そのときが一番苦しかったです。
――高校生活にコロナが直撃した世代ですもんね…。

それでも強くなろうと努力されてたんですよね?

櫻井倭:杉野森先生から「いつかは絶対大会がくるから、その時を想定して結果が出せるようにやろう。今が追いつくチャンスだ」と言われ、逆の発想で頑張っていこうとチームで決めて全員で頑張りました。

自分なりに足りないところを考えて、自分は足腰をもっと鍛えようと、ランニングを自ら行ったり、筋力トレーニングしたり、フィジカルを強化したことで成長に繋がりました。


写真:杉野森大輔監督(鶴岡東高)/撮影:ラリーズ編集部

――フィジカルを活かして縦横無尽にフォアで動き回るプレースタイルですもんね。

そういう厳しい努力が報われたなと感じた試合はありますか?

櫻井倭:全国選抜で3位に入った明豊戦で勝った時が一番込み上げてきました

団体も0対2からスタートで、5番ラストで0-2から逆転勝ちできてよかったです。


写真:櫻井倭(明治大学)/撮影:槌谷昭人

櫻井倭:自分をエースとして2点起用で出してもらえるっていうことだったので、2点取って帰ってくることが使命だと思ってました。

自分がチームを引っ張って活躍できるようにと思ってずっと頑張ってきました。プレッシャーもあったんですけど、チームのみんなから「他でももう1点取れるように頑張るから」と
声をかけてもらったり、自分のダメなところ見つけてもらったり、サポートをたくさんしてもらったので「絶対勝ってやる」という気持ちで戦っていました

――鶴岡東高校での経験は大きかったですか?
櫻井倭:鶴岡東高校に入学を決めた時が、自分にとっての転機でした。

中学生までは楽しく頑張っていこうとやっていたんですけど、高校に入ってからは先生からのご指導もあって、精神的にも身体的にも技術面も全部成長できました。


動画では江別中央中学時代の話もしてくれていますので要チェック

XIOM用具の良さは


写真:櫻井倭(明治大学)/撮影:槌谷昭人

――用具についても教えて下さい。高校時代からオメガVII ツアー iを使用されてましたよね?
櫻井倭:厳密に言うと中学校2年生くらいの時からXIOMのラバーを使ってます。

最初はオメガV ツアーDFをフォアでずっと使っていて、中3の途中からはオメガVII アジア、高校に入ってからオメガVII ツアー iですね。


櫻井倭(明治大学)の使用ラケット ウーゴ ハイパーアクシリウムに両面オメガVII ツアー i(フォアが50、バックが48)

――何が良かったんですか?
櫻井倭:いろんなラバーを買って試していたんですけど、どれも自分にしっくりこなくて。

打球を受けてもらっても「ボールの軌道が取りやすい」「違うラバーの方が良かったよ」と言われて、途中でオメガを使った時に「これだ!」と自分でも直感的に感じて、そこからずっとオメガを使わせてもらっています。


動画ではドライブからカウンターまで様々な技術を披露してもらいました!

櫻井倭:フォアで打った時、当たった瞬間に上に飛んで回転量が一番ありました。当たった瞬間のグリップ力と言うんですかね、ものすごく球持ちがあって、さらにスピードも回転量も良いボールが出たので、そこが決め手でした。

相手に打たれても自分のボールに変えて打つことができて、自分の回転を加えて相手のコートに入れることができるので、またそこで変化したりもするのが一番良いところだと思います。


櫻井倭の使用ラバーであるオメガVII ツアー i

――バックもオメガVII ツアー iですよね?
櫻井倭:高校に入ってから杉野森先生に勧められて、バックも使っています。

最初は慣れなかったんですけど、途中から回転をかけられるようにもなってきて、そうなった時にバックも同じような良いボール出るのでそこからずっと使っています。


バックもドえらい球を放ってました…

――ラケットもXIOMのウーゴ ハイパーアクシリウムを使用されてますが、その特徴とともに、櫻井選手が用具を選ぶ決め手も教えてください。
櫻井倭:ウーゴは、木材に近い感じの打球感で、しっかり球を持ってくれて、弧線を描きながら回転量の多いドライブが打てるので、選びました。


櫻井倭の使用ラケットであるウーゴ ハイパーアクシリウム

櫻井倭:


動画の方ではXIOM春の新製品も試打してもらってます

櫻井倭、“一番厳しい環境”で這い上がれるか

――最後に今後の目標で締めていただいてよろしいでしょうか?
櫻井倭:リーグ戦でまずはベンチ入りして、試合に出て1勝してチームに貢献するということと、全日学シングルスベスト4入賞を目指してやりたいと思っています。


写真:櫻井倭(明治大学)/撮影:槌谷昭人

取材後に行われた関東学生卓球新人選手権大会で櫻井は、ダブルスベスト8、シングルスでは2回戦敗退と大学卓球の洗礼を浴びた。春季リーグでも明治大学が2季ぶり48回目の優勝を飾ったが、櫻井はベンチ入りこそしたもののオーダーに名前が書かれることはなかった。

だが、櫻井は中学時代も全中3回戦負けから、高校で努力を重ねてチームを全国3位に導くエースとなった。自ら望んだ“一番厳しい環境”で紫紺を背負い、櫻井がどこまで成長できるか楽しみだ。

【取材動画】櫻井倭インタビュー

動画では
・寮で同部屋の西沢祐太が明かす櫻井倭の素顔
・櫻井倭オススメ練習メニュー
・XIOM春の新製品(ジキル&ハイドH52.5、ジキル&ハイドV47.5、36.5ALXi)の試打
などが掲載されています。ぜひご覧ください!

【試合動画】全国高校選抜準々決勝5番シングルス 櫻井倭vs田原翔太