100人の大所帯でひと月の練習日は30日 BRAVE・岡田貴哉代表が語る"社会人卓球の醍醐味" | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:BRAVEのメンバー/提供:BRAVE

卓球×インタビュー 100人の大所帯でひと月の練習日は30日 BRAVE・岡田貴哉代表が語る“社会人卓球の醍醐味”

2024.11.15

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Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

所属メンバー100人弱と東京都内でも指折りの規模を誇り、全国大会出場者も多く在籍しているのが、創部9年目を迎えた卓球クラブ・BRAVE(ブレイブ)だ。

登録者数200万人を超える人気卓球YouTuber・卓キチさんが普段着ているユニフォームということで、チーム名に見覚えがある方も多いかもしれない。

チームを設立した代表の岡田貴哉さん(菊里高等学校→奈良教育大学出身)にBRAVE設立の経緯を伺ったところ、社会人卓球ならではの醍醐味について語ってくれた。

「横文字だとかっこいい」チーム名はBRAVEに

チームBRAVE
写真:大会参加時のBRAVEのメンバー/提供:BRAVE

――まずは岡田さんの卓球経歴をお伺いできますでしょうか。
岡田貴哉:小学校の時、放課後にやっていた部活動をきっかけに卓球を始めました。中学では1個上の先輩が作ってくれた卓球部に入部。

先輩の熱意に心を打たれた顧問の先生が、コーチを探してきてくださり、私が3年生のとき、創部4年目で全国大会出場を果たしました。そこから高校、大学、社会人になってもずっと卓球を続けています。

現在代表を務めているBRAVEは、私が東京に来たタイミングで立ち上げたチームで、今年で9年目になります。

――長い歴史があるのですね。どこかに所属するよりは、自分でチームを作ろうとなったのでしょうか?
岡田貴哉:東京に来た時、競技として卓球を続けたかったのですが、東京には知人もいない上、当時は今のようにインターネットでメンバー募集しているところが少なくて、自分のレベルに合ったチームがありませんでした。

そのため、最初は同じようなモチベーション・実力の選手を集めて、練習募集のLINEグループを作っていました。

そこから自然とメンバー間で「このままチームにしよう」と話が進み、現在の形になりました。


写真:大会参加時のBRAVEのメンバー/提供:BRAVE

――BRAVEというチーム名には何か由来があるのでしょうか。
岡田貴哉:お恥ずかしい話ですが、特別な理由があるわけではありません(笑)。

友人のチーム名を見て、とりあえず横文字だとかっこいいかなと思っていました。

私がチームを作る際、インターネットで英単語を検索し、「これでいいかな?」くらいの感覚で「BRAVE」を選びました(笑)。

“青春を続けたい”卓球好きの集まり

――続いてチームの特徴についてお伺いできればと思います。

1ヶ月の練習日一覧を見て、部活並みの練習量で驚きました(笑)。

岡田貴哉:チームには100人以上が所属しており、卓球好きな人ばかり。上達したい思いの強い人が多く集まっています。

毎日練習している方もいらっしゃいますし、私も週5で練習をやっています。そのため、練習日は月に20~30日確保しています。

もちろん家庭や仕事の都合などで、週1回しか来られないメンバーもいますが、県ベスト8ぐらいの部活をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。

――まだまだ社会人でも青春を続けたい人たちが集まっているわけですね。練習はどのように行っているのでしょうか。
岡田貴哉:青春時代を思い出してもらって、がっつり練習しています(笑)。

練習の時間帯は18時-21時、または19時-22時。その時間で練習場所を確保しています。最初の2時間は課題練習や多球練習をして、部活のようにローテーションしながら練習メンバーを変えています。最後の1時間はゲーム練習という流れですね。

チームBRAVE
写真:大会参加時のBRAVEのメンバー/提供:BRAVE

「やった分だけ勝てる」社会人卓球の醍醐味

――岡田さんは週5で練習というお話でしたが、モチベーションを保つ秘訣はありますか?
岡田貴哉:卓球が好きというところがやっぱり大きいですね。

目標としては、全日本卓球選手権のマスターズの部(30代以上の年代別の全国大会)に出たいと思っていますが、東京都予選のレベルが高すぎて困っています(笑)。

でも逆に、レベルの高い東京から何でもいいから予選を抜けて全国大会に出たいというのが、モチベーションの1つにはなっているかもしれないです。

チームBRAVE
提供:BRAVE

――レベルが高い分、挑戦し甲斐があるということでしょうか?
岡田貴哉:そうですね。私自身、学生時代にすごい好成績を出したわけではないですが、社会人になってからは他の方の練習量が落ちるので、練習をやった人がやった分だけ勝てるという感覚があります。

すごい実績の選手が相手でも、練習を継続していければ、徐々に技術的に対等になってくるところが楽しいと感じているところかもしれないです。

――社会人卓球の醍醐味を伺えたような気がします。
岡田貴哉:私は、社会人1年目で全日本社会人の予選を通過しましたが、その時の相手は全国的にも有名な名門高校・大学の卓球部のレギュラーだった、いわゆる“卓球エリート”でした。

学生の時ならボコボコにされていたと思いますが、相手の練習量が落ちていたおかげで勝つことができました。やった分だけ報われるのが、社会人卓球ならではの醍醐味だと思います。

“人気卓球YouTuber”も初期から加入

――チームに加入する際の基準などはありますか?
岡田貴哉:できるだけ同レベル帯で練習しようという目的でチームを設立しています。そのため、実力が同程度以上か、モチベーションが高いか、そのどちらかが満たされる方に絞っています。

例えば、全国大会への出場経験があり、今は週1程度で練習したい方や、過去に成績は出ていないけれど、卓球が好きで週5で練習できる方が入っています。学生であれば、今後の伸びしろも考えて、まだ初級レベルでも毎日練習する子なら、受け入れることもあります。


写真:登録者200万人超えの卓球YouTuber卓キチさん/撮影:ラリーズ編集部

――卓キチさんがずっと着ているユニフォームが印象的ですが、卓キチさんはいつ加わったのでしょうか?
岡田貴哉:創部1年目の終わりぐらいに入ってくれて、ずっと一緒にやってくれています。

卓キチ君がYouTubeでずっとユニフォームを着てくれているので、「BRAVE=卓キチ君のチーム」と思われている方も多くいます(笑)。

――BRAVEの代表は岡田さんだとしっかり記事で伝えておきます(笑)。

チームの代表をやることは大変なことも多いかと思いますが、原動力ややりがいはどの部分にありますか?

岡田貴哉:私自身が卓球への思いが強いので、「自分が卓球をやりたいと思えるチームを作ろう」と思ってやっています。

居心地の良いチームを作って、気の置けない仲間と一緒に、私が理想とするチームをどんどん作っているところです。

同じような流れで「自分が参加したい大会を作ろう」ということでエブリーグという団体を最近設立しました。

――頻度も高く行われていて、盛り上がっている印象があります。どういうきっかけで作られたのでしょうか。
岡田貴哉:SPOTTOというチームの代表の小山まぐま君と仲良くさせていただいており、小山君と理想の大会について話すことが多くありました。

私も小山君もチームを作るぐらいなので、自分が本当に理想とする大会がないなら作ってしまおうとなり、自分たちが満足する大会を作りました。

皆が楽しく卓球をできるという意味を込めたエブリワンズリーグを略して、エブリーグという名前にしました。

徐々に参加者も増えてきて、皆さんに楽しんでもらえる大会になっているのではないかと思っています。

楽しく卓球ができるような環境作りを


写真:試合での様子/提供:BRAVE

――BRAVEの今後の展望をお伺いできればと思います。
岡田貴哉:チームとしては東京都卓球連盟と新体連の両方の連盟に登録しているので、どちらもリーグ戦では1部昇格を目指しています。

加えて、全日本クラブ卓球選手権や新体連の団体戦で全国大会に出場することが目標です。

ただ、それ以上に卓球をする場所として、うちのチームを選んでもらえて、楽しく卓球ができるような環境を作っていけたらいいと思います。

今いるメンバーにチームを愛してもらって、新しく入りたいメンバーには気軽に来てもらって卓球を続けられる。そんなチームになっていけたらと思っています。


写真:大会参加時のBRAVEのメンバー/提供:BRAVE

――練習日がたくさんあるので、行きたいときに行けるのが、社会人にとってはとても良い環境だと感じています。
岡田貴哉:そうなんですよ。「今日は仕事が早く終わったから行ける」「今日たまたま暇になったけど練習やっているな」と思って来てもらえるのが、個人的には嬉しいです。

ふと予定が空いた時に「そういえばBRAVEは毎日練習やっているから行くか」となるような存在になっていければと思っています。


写真:BRAVEでの飲み会の様子/提供:BRAVE

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