岩手県宮古市を中心に小中学生の卓球プレーヤーを育成するクラブチーム「宮古Jr.(ミヤコジュニア)」。
現在、代表を務めるのが、このチーム出身の小林みちるさんだ。小林さんの娘・りんご(青山学院大学)、息子・レオ(盛岡第三高等学校)も宮古Jr.で育ち、全国の舞台で輝かしい成績を残している。
今回は小林さんに、チームの特徴や大事にしている指導方針についてお話を伺った。
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創設47年の歴史あるチームで指導歴は37年
写真:練習の様子/提供:宮古Jr.
その後は東京の淑徳大学短期大学部で2年間プレーし、卒業後は地元に戻って働きながら卓球の指導をしています。戦型はカットマンです。
選手としてプレーしながらも、土日と平日の仕事が終わった後19時までは子供たちの指導も並行して行っていました。そのため、指導歴は今年で37年目になります。
小中学生のときは私もチームに混ざって練習をしていました。今ほど練習日数は確保できていなかったようですが、小中学生何人かで練習していた記憶があります。
「子供たちに卓球を好きになってもらうことが一番」
写真:練習の様子/提供:宮古Jr.
練習は平日4日間で各2時間、土日は半日練習です。自分たちの練習拠点がないので、小学校や中学校の体育館を借りて活動しています。卓球台の準備から片付けも含めて2時間なので、練習時間はそんなに長くはありません。
写真:練習の様子/提供:宮古Jr.
加えて、今は子供たち1人ずつと面談をして、目標を聞いています。目標自体が定まっていない子もいれば高い目標を持っている子もいるなど様々なので、その声を基にチーム全体の練習や指導のバランスに気を配っています。
また、私自身は卓球の技術指導に長けているわけではないので、卓球以外の部分も含めて指導にあたっています。
また、私は昭和の人間なので、「練習に来たら靴をそろえる」「挨拶や返事をする」「片付けなど仕事を自ら率先してやる」という基本的なことは厳しく指導しています。卓球以外の当たり前のことも、しっかり身につけてほしいという思いがあります。
だからこそ、どんな世界でも必要となる挨拶や気遣いといった部分については口酸っぱく言っていますね。
愛娘・小林りんごも推す“体力作り”
写真:小林りんご(青山学院大)/撮影:ラリーズ編集部
上のお姉さんたちに可愛がられながら、よく練習していましたね。
写真:縄跳びの様子/提供:宮古Jr.
練習時間が短いこともあり、ランニングの代わりに縄跳びをほぼ毎日行っています。
市内の小学校の縄跳び大会では、卓球クラブなのにいつも上位に食い込んでいて、卓球クラブなのか縄跳びクラブなのか分からないくらいです(笑)。
りんごもレオも2人とも縄跳びが得意だったので、今の生徒たちにも「レオは500回くらい跳んでたよ」と言って発破を掛けています。卓球クラブなのに(笑)。
写真:縄跳びの様子/提供:宮古Jr.
「卒業生が帰ってこれる場所として残していきたい」
写真:練習の様子/提供:宮古Jr.
ちなみに運動に自信がない子も歓迎です。宮古Jr.で練習を重ねていけば体力はしっかりとついていくので。実際に縄跳びもできなかった子が、市内の大会で賞状をもらえるまでに成長した例もあります。
写真:練習の様子/提供:宮古Jr.
でもやっぱり指導者として、全国中学校卓球大会の団体戦出場というのは大きな目標として掲げています。
そのときは震災の影響で、卓球も含めて1ヶ月何もできなくなって、子供たちは目標を見失ってしまったんですよね。
でもそのときに卓球メーカーや実業団、関東学連などが復興支援としてチームに訪れてくださり、強い選手と一緒にプレーしたり触れ合ったりできて、子供たちに元気が戻ったことは印象深かったですね。
ボランティアでやり続けてくれる人を探すことは、今の時代難しいかもしれませんが、50年近い歴史もあるので卒業生が帰ってこれる場所として、チームを残していきたいという思いがあります。
私は普段の練習で子供たちからもらうパワーが元気の源ですので、後継者も探しながら、まだまだ指導を続け、宮古Jr.での卓球を通して子供たちの成長を手助けしていきたいと思っています。
写真:宮古Jr./提供:宮古Jr.
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写真:小林りんご(青山学院大)/撮影:伊藤圭