写真:ベンチで吠える西東輝監督(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
卓球×インタビュー 金沢ポート、3連勝の裏側 「弱気になって何をしてんねん」西東輝監督が初めて選手に檄を飛ばしたワケ
2024.11.09
卓球Tリーグ男子・金沢ポートが、昨シーズンに続き三浦裕大(筑波大学)と契約した。
学生卓球を愛する者として、獲得の理由や三浦に期待することを西東輝監督(金沢ポート)にインタビューさせてもらった。
最初にアイスブレイク変わりに3連勝中のチームについて聞いてみると、西東監督が想像以上に熱い思いを語ってくれた。
せっかくなので今回は、「西東監督が初めて檄を飛ばした日」「三浦裕大に期待すること」の2テーマでお届けする。
西東監督が初めて檄を飛ばした日
ホームマッチの初戦、25日のT.T彩たま戦で敗れたときはどうなることかと思いましたが、立て直せてよかったです。
写真:大車輪の活躍を見せている吉田雅己(金沢ポート)/撮影:ラリーズ編集部
7試合目でようやくホームマッチが来たと個人的にはすごく楽しみにしていました。
それなのにビビりながら戦って負けるという情けない試合を皆さんに見せてしまった。さすがにその試合後、選手に喝を入れました。
ホームマッチで戦えばスイッチが入ってくれるだろうと思っていたら、スイッチが入らないどころか、弱気になって負けて何をしてんねんと。
平日の金曜日の夜に、小松市の体育館に667人もの観客が詰めかけてくれて、大歓声を送ってくれました。昨シーズン最下位で今シーズン序盤も躓いていたにも関わらず、金沢ポートに期待を寄せて高いお金を払って足を運んでくれているわけです。
写真:金沢ポートのアリーナホーム応援席/撮影:ラリーズ編集部
とは言っても、チームに潤沢な資金があるわけではないので、事業サイドが頭を振り絞ってコストを切り詰めて、選手がストレスなく試合に臨めるようにしてくれています。その裏には、スタッフたちの血の滲むような努力があるわけです。
選手に支払われる給料は、ファンの皆さんが高いお金を払って試合を観に来てくれたり、スポンサーの方々が支援してくれたり、スタッフが裏で努力してくれたりして成り立っているということをわかっているのか、ということなんです。
写真:応援団長として声を張り上げるかわにゃんこと川村さん 普段はチケット販売の営業などに尽力し、時には選手の練習相手も務める/撮影:ラリーズ編集部
「ファン、スポンサー、チームに感謝の気持ちを持っていたら、今日こんな試合にならないはず。お前たちはチームから給料をもらって試合しているのに、ビビって戦って負けるのか。プロとして卓球ができることは当たり前じゃないんだから、もう一回引き締めて頑張ろう」と本気で思いを伝えました。
写真:ベンチのフェンスにはスポンサー企業名が表記されている/撮影:ラリーズ編集部
(田中)佑汰もミーティング後に「西東さん、めっちゃ痺れました。もっと頑張る気になりました」と言ってくれました。
海外選手も迷いながらプレーしていたことを反省して、前を向いて戦うことを誓ってくれました。
写真:チェンジンチー/吉田雅己ペア 昨季王者の木下マイスター東京にも勝利/撮影:ラリーズ編集部
こういう戦いぶりを今後はしっかりとお見せしていきたいと思っています。
写真:金沢ポートホームマッチの熱い応援/撮影:ラリーズ編集部
三浦裕大に期待すること
写真:三浦裕大(筑波大学)/撮影:ラリーズ編集部
ダブルスに2回出てもらって、勝たせてあげられなかったんですけど、(三浦)裕大の良さは出せていたなと思います。
写真:昨シーズンダブルスでプレーする三浦裕大/提供:静岡ジェード/T.LEAGUE/アフロ
多彩な技術を持つバランスの取れた選手というよりも、フォアドライブとフットワーク、バックブロックの硬さが魅力のすごく尖った選手だと思いますし、真面目で頑張り屋なところも評価しています。
写真:全日学2024ではベスト8に入った三浦裕大(筑波大学)/撮影:ラリーズ編集部
勝ち星を上げられる期待を持てるので獲得しますし、まずは1つ勝ってほしいですね。
写真:昨シーズン金沢ポートのダブルスでプレーする三浦裕大/提供:T.LEAGUE/アフロスポーツ
プロの選手から刺激受けて、もう一伸びも二伸びもしてもらいたいですね。
写真:三浦裕大(筑波大学)/撮影:ラリーズ編集部
主導権を握るためには仕掛けなきゃいけない。その仕掛けを強気にできるかどうか。思い切った大胆なプレーを今季は使ってほしいなと思っています。
それに、チャンウジンら海外トップ選手も含めたお手本がいるので、できないなら練習すればいいだけです。
今のよりもう1ランク上のことをやっていって、「三浦のプレーは大学レベルを超えてるね」と言われるような領域になってもらいたいですね。