
写真:2025年新年会の記念写真 前列中央が古谷田和樹代表/提供:ベイチャレクラブ
卓球×インタビュー 「年間55大会出場」試合数が特徴の社会人卓球チーム「理想のチームは自分で作る」ベイチャレクラブの挑戦
2025.03.06
神奈川県を拠点に活動する卓球クラブチーム・ベイチャレクラブ。2019年に設立され、社会人になってからも本気で卓球に取り組みたい選手が集う。
現在では50名近いメンバーが在籍し、年間55回もの大会に出場するなど、積極的に試合へ挑んでいることが特徴の1つだ。
代表の古谷田和樹(こやた かずき)さんは、既存の社会人チームに違和感を感じたことから、「理想のチームを自分で作ろう」と決意。ゼロからチームを立ち上げ、現在の規模にまで成長させた。
今回は、ベイチャレクラブの設立経緯や特徴、そして今後の展望について伺った。
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理想とするチームが見つからないなら作るしかない
写真:第2回ベイチャレ杯風景/提供:ベイチャレクラブ


高校進学後も卓球は続けていましたが、中学と同様レギュラーには入ることができませんでした。
大学は関東学生リーグ3部の帝京大学に進学。同期や先輩のレベルが高く、中にはインターハイや全日本経験者もいて、入部当初は周囲とのレベルの違いに驚きました。


結果的に大学でもレギュラーになれず、不完全燃焼のまま社会人になりました。


ただ、試合にあまり出られなかったり、レベルが合わなかったりと、どのチームも私の理想とする環境ではなく、しっくりきませんでした。
「理想とするチームが見つからないなら自分で作ればいいじゃん」と2019年9月、完全にゼロから1人でベイチャレクラブを立ち上げました。
写真:練習風景/提供:ベイチャレクラブ
年間55回もの試合出場という理想の環境
写真:第2回ベイチャレ杯入賞者/提供:ベイチャレクラブ



普段の練習については何か工夫している点はありますか?

さらに社会人チームにありがちな、数分乱打でアップしたらあとはひたすらゲーム練習という感じではなく、あくまで普段のチーム練習は試合よりも課題練習を重視しています。
写真:試合中の風景/提供:ベイチャレクラブ

練習や試合の成績に応じてポイントをつけて毎月クラブ内ランキングを発表しています。
1年間で上位に入るのを目標に頑張ってくれているメンバーもいます。メンバー同士切磋琢磨できたり、モチベーションを維持する指標として使ってもらっています。
写真:ポイント管理の表/提供:ベイチャレクラブ


練習に来るだけでもポイントがもらえるので、「継続して参加すること」に意味を持たせています。
写真:大会入賞記念写真/提供:ベイチャレクラブ
メンバーからのフィードバックをチーム運営に反映
提供:ベイチャレクラブ


社会人になってからでも試合で勝ちたい、強くなりたいと考えているメンバーばかりです。
地元神奈川出身の方もいますし、地方から就職や転勤などで来ているメンバーもいます。ほとんどの方がネットやSNSでの募集から問い合わせいただいて、その後入会しています。


チーム内のトップ層は有段者や全国クラス、インハイ経験者なども在籍していますが、ほとんどは学生時代にそれほど大きな実績がないメンバーです。
そういったメンバーが社会人になってバリバリ練習して、学生時代は雲の上の存在だった選手を追い詰めたり、倒したりする場面を何度も見てきました。
そういう経験を少しでも多くのメンバーにしてほしいなと思っています。これが社会人卓球の醍醐味だと思うので。


年末に1年の振り返りアンケートを実施し、普段の練習で感じていることや満足度調査、来年以降チームに求めることを皆さんに自由に書いてもらいます。その意見を取り入れて運営方針を改善しています。
また、練習や試合の参加も強制ではなく自分のペースで参加してもらうようにしています。
写真:2025年新年会記念写真/提供:ベイチャレクラブ
5年後、10年後、30年後も心の拠り所になるチームに


もちろん大変なことも多くて、開催3日前くらいからは睡眠時間1日3時間くらいしか取れないで準備していました。
なかなか大きい体育館を1日貸し切るのが大変で第3回は実現できてないのですが、ありがたいことに「またやってね」という声をたくさんの方からいただくので、いつになるか分かりませんが、必ず次もやりたいです。
写真:第2回ベイチャレ杯入賞者/提供:ベイチャレクラブ


そんなにハードルが高いチームではありませんので、興味がある方はぜひ一度問い合わせしていただけると嬉しいです。


また、合宿や遠征に行きたいというメンバーもいるので、そういう今まで取り組んでいない新しいことにチャレンジしていきたいです。
写真:第2回ベイチャレ杯風景/提供:ベイチャレクラブ



大会で成績をあげることはもちろんですが、1番はメンバー全員が仲良く健康に卓球をし続けたいです。
出会った縁を大切にして、5年後、10年後、30年後も一緒にいられるような、心の拠り所になるチームにみんなでしていきたいですね。
そしていつか、神奈川の社会人卓球チームといえば「ベイチャレクラブ」と言われるようなチームになっていけたらなと思っています。