兄の影響で卓球を始め、小学生の時にはナショナルチームにも選ばれた加藤翔。
怪我に悩み、試合に出られず、練習も嫌になった。
だが法政大学に進学後、その環境の自由さが人生を変えた。
エースとして毎試合出場し、関東学生リーグでは通算27勝。サービスとフォアハンドを武器に名門校のエースに上り詰めた加藤に、卓球との出会い、野田学園から法政大学に進学した理由、今後の進路について聞いた。
卓球との出会い
写真:加藤翔(法政大)/撮影:ラリーズ編集部
――卓球を始めたきっかけを教えてください。
加藤翔:2個上の兄(法政大学OBの加藤健太)が友達と市民体育館で卓球をやっているのを見て、遊び感覚で始めました。
――本格的に始めたのはいつですか?
加藤:本格的に始めたのは、小学1年生からです。チームの監督が「才能あるぞ」と言ってくれて、熱心に教えてもらいました。当時は学校にいる時間以外は、ずっと練習していましたね。
写真:小学生時代はナショナルチームにも選ばれた/撮影:ラリーズ編集部
――小学生時代の思い出を教えてください。
加藤:練習はきつかったです(笑)。本当にずっと練習という感じで、怒られたりもしていました。あとは、小学2年生で初めて大会に出たときは緊張しましたが、楽しいなという気持ちが強くて、そこからもっと強くなりたいと思いました。
――小学校時代の最高成績を教えてください。
加藤:小学5年生で東アジアホープスの日本代表になりました。それまではホカバでもベスト32ぐらいだったんですが、そのときに初めて日本代表に入れました。小学6年生でも、ホープスナショナルチームに入りました。
野田学園での挫折
――進学先はなぜ野田学園を選んだのですか?
加藤:卓球を教えてもらっていた平岡さんの繋がりで野田学園に練習に行かせていただいて、その環境に惹かれたからです。中学生と高校生が一緒に練習することはあまりないと思うので、そんな環境が魅力的でした。
写真:中学校時代は練習が嫌だったという/撮影:ラリーズ編集部
――中学時代はいかがでしたか?
加藤:中学時代は練習が嫌というか、卓球がちょっと嫌いでした。練習もずっと真面目ではなく、身が入らない時期もありました。ただ、中学3年生で結果が出せるようになってきて、少しずつ「頑張ろう」という気持ちになっていきましたね。
――なぜ嫌になったのでしょうか?
加藤:周りのレベルが高すぎたのと、怪我をして練習も試合もできなかったからですね。県予選も上のほうに行けば同士討ちばかりになるので、自分にはレベルが高すぎました。
――どのような怪我をされたのですか?
加藤:小学生時代に左膝の半月板を痛めて、あまり運動をしてはいけない状態でした。これが中学でも長引いて、高校では手首の軟骨が剥がれたりしました。なので、中学・高校ではあまり練習できていませんでした。
写真:中学・高校時代は思うような結果が出せずに苦しんだ/撮影:ラリーズ編集部
――高校時代で印象に残っている出来事はありますか?
加藤:インターハイは1年生は予選で落ちて、2年生はコロナでなくなって、3年生も予選で落ちました。ダブルスだけ3年生のときに通過できたんですが、怪我で練習できず不完全燃焼という感じでした。
団体戦も出られていなかったんですが、キャプテンという立場でいさせてもらえたことは、すごくありがたかったです。
法政大学への進学
――法政大学を選んだ理由を教えてください。
加藤:兄も法政にいたのと、野田学園の先輩も何人か行っていたことが大きかったです。法政は他の大学よりも練習も自由で決まり事が少ないと聞いていたので、そういう面でも自分に合っていると思って選びました。
――実際に入ってみていかがでしたか?
写真:自分に合っていると思い法政大学へ/撮影:ラリーズ編集部
加藤:自分に合っていると思いました。やはり自由ですし、練習するもしないも自分次第なので、そういった面ではすごくよかったと思います。
――大学1年生から試合に出場していましたね。
加藤:大学入学前は「リーグ戦に出られたらいいな」ぐらいの気持ちだったので、まさかずっと出させていただけるとは思っていませんでした。
結局、リーグ戦は1度コロナで出られなかったとき以外は全試合に出場できました。おそらく50試合ぐらいは出たと思います。
――エースという立場になって、モチベーションに変化はありましたか?
加藤:1年生からトップで出ることが多かったので、「自分が勝たないといけない」「勝って次の人に繋げないといけない」という立場になって、練習も積極的にやるようになりました。
そこから結果も出てきて、モチベーションも上がっていきましたね。高校時代からは大きく変わったなと思います。
プレースタイルと成長
――自分のプレーのなかで、武器だと感じるものを教えてください。
加藤:サービスとフォアハンドですね。サービスで崩してからフォアで3球目や5球目を狙えるので、初めて対戦する相手だとサービスからの展開はよく効きます。
写真:大学ではサービスを武器に勝利をあげる/撮影:ラリーズ編集部
――加藤さんのサービスは取りにくいと聞きます。
加藤:ありがとうございます。回転のかけ方が他の人と違うからかもしれません。
僕はジャイロ気味に回転をかけるので、ツッツキやストップをしても相手が落としてくれることが多いんです。大学に入ってからは自主練をしてサービスを磨いたので、かなり自信があります。
――中高時代に練習が嫌だったのに、大学ではサービス練習まで自主練習していたんですね。
写真:地道な努力が実を結び始めた/撮影:ラリーズ編集部
加藤:はい。そういった地道な努力を積み重ねられるようになったのは、大学で成長した部分だと思います。
――大学時代にベストのパフォーマンスを出せたと思う試合を教えてください。
加藤:大学3年の全日学のランク決定戦ですね。岡野(俊介)選手と対戦したんですが、最初から試合の入りも良くて、ゲームカウント3-1でリードしていました。
途中から相手のパフォーマンスが上がって負けてしまったんですが、その試合は全体的に見ても良かったと思います。
――改めて、大学4年間の卓球生活はいかがでしたか?
加藤:大学4年間でリーグ戦では27勝できました。大学のリーグ戦の盛り上がりはすごくて、ずっと出続けていたいなという気持ちでした。なので、卒業してリーグ戦に出られなくなるのは少し寂しいですね。
あとは、全日学で一度もランク入りできなかったことは悔しかったです。
今後の展望
写真:今後は海外挑戦も視野に/撮影:ラリーズ編集部
――今後の進路についてはどう考えていますか?
加藤:今のところ海外参戦も視野に入れながら考えています。昨年もスペインリーグに行こうと思ったんですが、チームが2部に落ちてしまって行けませんでした。
なので、海外には積極的に行ってみたいなというのは思いますね。
――最後に、中高で挫折を経験した人へのメッセージをお願いします。
加藤:挫折したときはネガティブな気持ちになるかもしれませんが、卓球を続けていれば復活するきっかけは自然と来ます。そのきっかけをうまく掴んで、自分なりに考えて行動すれば絶対になんとかなります。
自分で考えて行動するのは難しいですが、諦めず続ければ何かしら結果につながると思います。
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