成功の鍵は"オープン"と"クローズ" 神巧也がリードするプロ卓球選手のSNS戦略とは?  | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:Tリーグでシングルス最多勝の神巧也(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部

卓球×インタビュー 成功の鍵は“オープン”と“クローズ” 神巧也がリードするプロ卓球選手のSNS戦略とは? 

2020.10.14

文:川嶋弘文(ラリーズ編集部)

今、卓球界で最も勢いがあるのは誰か?その1人がTリーグT.T彩たまキャプテンの神巧也(27)だ。

Tリーグ最多勝(13勝)で後期MVP、世界ランキングも2019年3月の314位から約1年で45位まで急上昇させるなどプロアスリートとして確実に結果を残す神は、「ジンタク」の愛称でファンからの支持率も高い。

神巧也はどうしてファンの心を鷲掴みにするのか?

人気の裏側にある神巧也のファン交流戦略を紐解く。

>>神巧也「実業団かTリーグか」論は無意味 己の人生を生きろ

人気と実力は比例するのか?

神は、日本の卓球について「競技実績で言えば世界上位。でもマーケットは野球、サッカーに届いていない」と客観視する。


写真:「サッカーじゃなくてスミマセン。」ポスター/撮影:ラリーズ編集部

そして「選手としてのパフォーマンスを更に高める必要がある」と前置きしつつも「スポーツって実力も大事ですけど、それに人気が伴うわけでもない」と人気と実力は必ずしも比例しないことを冷静に分析している。

夢や憧れではなく目標でありたい

そんな中、神が意識しているのは「夢とか憧れというよりは、現実的に叶えられそうな『目標』的な存在」でいることだ。

例えばTwitterでは、好プレーの動画投稿が目立つ中、神はあえて自身の好プレーを阻止される動画「助演男優賞」シリーズで人気を集めた。

また、神に関するSNS投稿をしやすくするハッシュタグ「#ジンタクかよ」も卓球ファンの間で浸透し、神を“最も身近なトップアスリート”と感じているファンも多い。

そしてコロナ禍ではYoutubeでの動画投稿も本格化させ、同じT.T彩たま所属の松平健太との“矛と盾対決”などの人気企画でファンを楽しませている。

オープンとクローズを使い分ける

そんな神が最近テーマにしているのが「クローズド」な交流だ。

その象徴が7月に開設したオンラインサロン「JINTAKU卓球雑草集団」(https://www.jintaku-salon.com/)だ。

神は「SNSの発達によって、情報が誰でも発信しやすくなってきた分、自分の本音を発信しにくくなってきている雰囲気を感じる。だったらクローズドな環境で、時にはトゲのある言葉であっても届けていくことが狙い」とその開設の意図を語る。


写真:神巧也のオンラインサロン「JINTAKU卓球雑草集団」のロゴ/提供:神巧也

神のオンラインサロンは卓球プレーヤー向けで、卓球の動画を神に送ると個別にアドバイスがもらえるというものだ。「卓球は深いスポーツだと思っていて、表面的ではなく、より深いところに踏み込んで行きたい。本気に強くなりたい人に限定して、クローズドな形でやった方が、自分にとっても参加者にとってもより有意義なものになる」と早くも手応えを掴んでいる。

そして神のターゲットはプレーヤーだけではない。ファンに向けてもクローズドなコミュニケーションがしたいとの思いから、10月よりファンに個別にビデオメッセージをプレゼントできるサービス「PasYou」にも参画した。

「頂いた要望に対して、個人向けのリプライという形で、そこでしか通じ合えない一対一の対話ができるので、(オンラインサロンとは)また違った形で面白いんじゃないかなと思っています。僕はまだ自分の現状に満足していなくて。こういう記事を見てくださるファンの方たちもきっと、一緒に成長していく形の方が楽しいと思うので、僕が成長する過程をみてもらって、皆さんに刺激を受けてもらえれば嬉しいなと思っています」とインタビューを締めくくった。

11月17日には神の主戦場であるTリーグ開幕が迫っている。“練習”と“ファン交流”の両方に全力投球。そんなジンタクの今シーズンが楽しみだ。

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神巧也インタビューはこちら

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