社会人6年目で開花した加藤知秋が「妹に負けて気づいた」大切なコト | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)
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2020.05.09

社会人6年目で開花した加藤知秋が「妹に負けて気づいた」大切なコト

写真:加藤知秋(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

2019年度日本卓球リーグでファイナル4初優勝、女子年間王者に輝いた十六銀行。チームの主将を務めるのは加藤知秋(かとうちあき・25歳)だ。

「新しく入社した安藤みなみと德永美子のおかげもあってタイミングが良かった」と謙遜しながらも、主将1年目で若いチームをまとめ上げ、十六銀行卓球部をシーズン三冠に導いた。前期日本リーグでは、勝てば優勝となる団体戦ラストで見事勝利し、2019年シーズン躍進の火付け役にもなった。

また、加藤知秋は、個人戦でも全日本社会人ベスト8、全日本選手権ベスト16と、ともに初のシングルスランク入りを果たした。

社会人6年目と、若手から中堅に差し掛かるこのタイミングで自己最高の結果を残した加藤知秋に話を聞いた。

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インターハイシングルス3位 鳴り物入りで十六銀行入社

加藤知秋は、一学年下の妹・杏華とともに幼い頃から岐阜県卓球界では有名な卓球姉妹だった。岐阜商業高3年で、インターハイシングルス3位、妹と組んだダブルスは準優勝と圧巻の成績を残し、鳴り物入りで十六銀行に入社した。

1年目は、レベルの高い実業団選手を相手に日本リーグ前後期通して5勝5敗と、期待の高卒ルーキーとして順調なスタートを切った。しかし、その年の全日本選手権シングルス初戦で、中学生を相手にまさかの敗戦を喫する。


写真:当時を振り返る加藤知秋(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

「1年目の全日本あたりから、怪我が続いて卓球が上手く噛み合わなくなっていました。フォーム修正の必要を感じていましたが、過去やっていたことに囚われて、新しいことに挑戦するのがすごく怖かった」と自らの卓球を変えることに踏み切れないまま、社会人2年目を迎えた。

妹に負けて気づいた「挑戦する大切さ」

妹・杏華が入社した2年目、加藤知秋は前期日本リーグのシングルスで4戦全敗しチームも2部に降格してしまう。

さらに全日本の岐阜県予選では、妹に敗れ本戦出場を逃した。一方で、予選を通過した妹の杏華は、全日本本戦で福原愛を下し、3位入賞を果たした。

「チームの2部降格」「全日本予選で妹に敗戦」という挫折と「妹の全日本3位入賞」という刺激が、加藤知秋を大きく変えた。


写真:妹の大ブレイクで気持ちの変化が芽生えたと語る/撮影:ハヤシマコ

「今まで私が上で負けられないという立場でずっとプレーしていたんですけど、負けても当たり前ぐらいの結果を妹が出したので、変な気持ちを取り除けた。周りからの評価より自分がやれることをやらなきゃなと少しずつ気持ちが変わっていきました」。

勝てていない現実を受け入れることで、囚われていた過去から解放された。

フォーム変更など新しいチャレンジが怖くなくなりました。そこから卓球自体もすごく楽しくなりましたし、もっと楽しんでやろうと前向きに思えました」と挑戦する心が芽生えていった。

結果を残すための「自ら考える力」

「挑戦する心」以外にも変化したことがある。それは「自ら考える力」だ。

小学校3年生から卓球を始めた加藤知秋は、卓球経験者の両親の指導の下、練習に取り組んできた。しかし、十六銀行入社とともに環境が一変し、変化を余儀なくされる。

「小さい頃からずっと親が見てくれて、言われたことをやるという状態でした。でも社会人で寮に入り親から離れ、実業団では監督やコーチも自分一人に付きっきりではない。“自分で考える力”が必要だと感じました。動画を見たりいろいろな人の意見を聞いたりして、徐々に自分で考えられるようになっていった。いや、ならざるをえなかったです」。


写真:加藤知秋(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

加藤知秋は“親離れ”により、自ら模索し、卓球を変えていった。その成果が最近になって実り始めたと語る。

「去年ぐらいにドンと変わったなと自分で思います。それまでは本当に考える力がなかった。でも今では、この技術ができてないと思ったときに、できるようになるためにはどう身体を動かさないといけないのかを動画を見て考えて、そう動かすためにどういうトレーニングしないといけないのかなど細かく考えられるようになりました」。


写真:加藤知秋(十六銀行)/撮影:ハヤシマコ

社会人6年目でのブレイクスルー

「挑戦する心」と「自ら考える力」を磨き続けた社会人6年目の2019年、ついに飛躍の時が来る。全日本社会人、そして全日本選手権で、初のシングルスランク入りを果たしたのだ。

「いろいろ噛みあってやっと成果が出せました。入社してからの目標であったランク入りが両方とも達成できたのは本当に嬉しかったです」。


写真:主将として十六銀行を引っ張る加藤知秋/撮影:ハヤシマコ

一皮むけた2019年シーズンを終え、加藤は「去年に引き続き卓球を楽しみたいと思うので、今までの結果に囚われず新しい技術だったりいろいろなことに挑戦して、最後まで自分を高められるように頑張っていきたい」とすでに次を見据えている。同時に「去年以上を狙えるチームだと思うので、みんなが自分のプレーを最大限発揮できるよう上手くチームをまとめていけたら」とチームリーダーとしての責任感も覗かせた。


写真:十六銀行メンバー/撮影:ハヤシマコ

妹に負けて気づいた「挑戦する大切さ」、親から離れて身についた「考える力」で個人の目標を達成した加藤知秋が、チームを更なる躍進に導けるか。十六銀行卓球部を引っ張る主将・加藤知秋から目が離せない。

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写真:十六銀行メンバー/撮影:ハヤシマコ

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取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

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