卓球生活20年を超えて 石川佳純「始めた頃も今も変わらない喜び」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:石川佳純(全農)/提供:全農

卓球×インタビュー 卓球生活20年を超えて 石川佳純「始めた頃も今も変わらない喜び」

2021.06.27 取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)

石川佳純(全農)は、変化に対応し続ける選手だ。

2000年代前半、接着剤禁止に伴う用具の変更に加え、2014年にはボールの素材がセルロイドからプラスチックに変わったことで、トップ選手たちのプレースタイルは変わった。
ボールがわずかに重くなり摩擦量が減ったことに伴い、従来の回転量よりも、速度とテンポでいかにラリー戦を制するかが重要になった。

当時、既に全日本を制し日本の頂点に君臨していた石川も、大きな変化を迫られたことは想像に難くない。
そこからの、新素材・新ルール“ネイティブ”の若手世代選手たちとの切磋琢磨は周知の通りだ。

コロナ禍で試合がなくなってからも石川はさらに自身を見つめ直し、今年1月、5年ぶり5度目の全日本女王に返り咲いた。

ずっと、変わり続けること。
そして、それが可能であること。
それこそ、石川の卓球の強さの理由と言っていいかもしれない。

いま、社会とスポーツの関係も再定義を迫られる変革の時代を迎え、石川は何を変え、何を変えないのかを聞いた。


写真:石川佳純(全農)/提供:全農

>>「試合前は少し変えます」石川佳純が気をつける食事とは

「自然体になれた」

――「最近、本音で話せるようになってきた」といくつかのインタビューで言っていますが、それはどういう心境なんでしょうか?
石川佳純:やっぱり、コロナの影響で試合がなくなって、今までの卓球人生でこんなに試合がなかったのは初めてで、その中で、いい意味で自然体になれたんじゃないかなって思っています。


写真:石川佳純(全農)/提供:各社

――それは東京五輪代表レース以前の感覚なんですか、それとも初めての感触ですか?
石川佳純:初めてではないです。最初の頃はずっとこんな感じでしたし。それまで嘘ついてたとかじゃ全然ないんですけど、やっぱりコロナがあって、自分を見つめ直す期間をもらって、自然体な気持ち、心の状態も含めて肩の力が抜けたんじゃないかって思います。

負けず嫌いの理由は「自分に言い訳したくない」

――試合を離れたときの自然体な姿と、台に入ったときの負けず嫌いな闘争心が印象的です。石川選手がずっと負けず嫌いでいられる理由って何だと思いますか。
石川佳純:なんだろ(笑)。でもやっぱり、誰かにっていうよりは自分に言い訳したくないのかなって思います。全力を出さずに、自分に言い訳をしたくないなっていつも思ってます。
――卓球始めて20年以上、ずっとトップレベルで厳しい練習を続けてますよね。
石川佳純:やらなくていいなら全然やらないんですけどね(笑)。維持することすら、まず最低限の練習をしてないと難しいと思います。もちろん、何年やってても、レベルを上げることって難しいんですけど。このレベルでやろうと思ったら、厳しい練習はしていかないと無理だと自分で分かってるのでやるのかなって思います。


写真:石川佳純/提供:ittfworld

――一方で、全日本優勝後に「最近は楽しく練習できています」というコメントもありました。
石川佳純:この一年、コロナで試合ができない時期を過ごして、楽しまなきゃもったいないかなって、そういう気持ちも今はあって。もちろん厳しい苦しい練習もありますけど、でも試合だったり練習だったり、今この時間を楽しまないともったいないかなっていうふうに思ってます。

やっぱり10年前と違って、いまはいろんな面で余裕が大事かなと思ってて。勢いだけじゃなくて、いろんな経験をさせてもらってきたので、それを活かしつつ考えて、試合の中でも「相手を見ること」などを大事にしていきたいなって思います。


写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

「やらなきゃいけない練習とやりたい練習はちょっと違う」

――その考え方で、普段の練習で具体的に変わったことはありますか?
石川佳純:やりたい練習をどんどんやってますね。やらなきゃいけない練習とやりたい練習って多分ちょっと違うんです。やりたい練習は他にあるけど、ああこれやらなきゃなって思ってやるんじゃなくて、やりたい練習をどんどんやっていく。

今まであんまりそうやってこなかったんですけど、自分が楽しいほう、やりたいことをどんどんやっていく。そしたら、新しい練習とかやりたいことが出てきて、また楽しくなっていくのかなって思ってます。


写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

「東京五輪は最初で最後」

――いよいよ東京五輪も迫ってきました。
石川佳純:やっぱり4年に1回の五輪、もちろん東京五輪に出るのは最初で最後になると思うので、東京の五輪っていう特別な舞台で、それを楽しむ気持ち、結果だけを見るっていうよりも、楽しんで過程を大事にして、その先に結果があるっていうふうな気持ちでいたい。練習も試合も、いま置かれてる状況を楽しんでやりたいなって思います。


写真:石川佳純(全農)/提供:全農

「卓球始めた頃も今も変わらない喜び」

――最近改めて卓球好きだなって感じたことありますか?
石川佳純:やっぱり練習をしてできなかったことができるようになったりとか、その喜びを感じられて楽しいな、卓球が好きなんだなって思います。

できなかったり上手くいかなかったことが上手くいったときの喜びっていうのは、卓球始めたときも今も変わらないなって


写真:石川佳純/提供:ittfworld

――できなかった技術ができるようになるプロセスって、あるとき、ふっとできるようになる感覚なんですか?
石川佳純:色々あります。いきなりできるようになるときもあるし、ひたすらやんなきゃできないこともあるし。

でも、やっぱりパッと覚えたことってパッと忘れるんですよね
だから結局、パッと覚えられる人はパッと忘れちゃうことも多いと思うんで、覚えようと思ったら、ひたすらやんないと私は無理かなって思います

――試合の中で突然できるようになることもあるんですか?
石川佳純:あ、それはあります。突然“やってみよう”みたいな時はやっぱり、気持ちが積極的な時だと思うので、そういうときって良いんですよね。上手くいこうが、いくまいが。それが入らなくても良い感じなんで、そういうのも昔の方ができてたので、今はそういうのも大事にしつつ、やろうと思ってます。


写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部

最近言われる“思ったより喋るね”

――社会の思う石川選手のイメージと、実際のご自身にギャップは感じますか?
石川佳純:え、、、、社会にどう思ってもらってるかが良くわからないんで、わからないですよ(笑)
――確かに。すいません…(反省)
石川佳純:あ、でも、私ほんとはすごい喋るんですけど、あんまり喋らないって思われてるのかな。初めてお会いした方とかに“思ったより喋るね”って、5回ぐらい言われました、最近(笑)。


写真:石川佳純(全農)/提供:全農

――(優しい…)お忙しいところ、ありがとうございました!
石川佳純:こちらこそ、ありがとうございました。


写真:石川佳純(全農)/提供:森田直樹・アフロスポーツ

(おわり)

>>【過去インタビュー】5年ぶり5度目Vの27歳石川佳純「まだまだやれる。まだまだやりたい」 優勝会見で喜び語る

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