伊藤美誠の練習相手も務める実業団新人賞男 坂根翔大が関西でのプレーを貫くワケ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:槌谷昭人

卓球×インタビュー 伊藤美誠の練習相手も務める実業団新人賞男 坂根翔大が関西でのプレーを貫くワケ

2021.06.29 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)

伊藤美誠(スターツ)が練習拠点としている関西卓球アカデミーで、伊藤の練習パートナーを務めるのが坂根翔大(関西卓球アカデミー)だ。WTTドーハ大会にも帯同し、伊藤の好成績に大きく貢献した。

また、坂根は関西卓球アカデミーの一員として日本卓球リーグにも参戦する実業団選手でもある。チームのエースとして2020年後期リーグでは8勝1敗の成績を残し、2部新人賞を受賞した。

学生時代には兵庫・育英高校で全日本選手権ジュニアの部でベスト8、関西大学で全日学選抜シングルスベスト4と関西を拠点に全国で実績を残してきた。卓球界は関東のレベルが高いと言われる中、坂根は学生時代から今に至るまで関西でプレーし続ける。関西でのプレーを貫くのには、坂根なりの理由があった。


【坂根翔大(さかねしょうだい)】1997年12月21日生まれ。左シェーク裏裏ドライブ型。兵庫県出身。兵庫県の強豪・育英高校では全日本ジュニアベスト8、ジャパンオープンU-21ベスト16、進学した関西大学では、1年生から関西学生チャンピオンに輝き、2019年度全日本学生選抜選手権ではシングルス4位に輝いた。卒業後は、関西卓球アカデミーに所属し、コーチとしてジュニアの指導を行いながら実業団選手として活躍。2020年後期日本リーグ2部新人賞、2021年前期日本リーグ2部優秀選手賞。

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伊藤美誠の練習パートナーとしても活躍する坂根翔大

――伊藤美誠選手の練習パートナーとして3月にはWTTドーハの2大会にも帯同してましたがどうでしたか?
坂根翔大:2大会とも伊藤選手は優勝ということで、少しは貢献できたかなと思います。
――帯同時は、パートナーとしてずっと練習を共にするのでしょうか?
坂根翔大:そうですね。大会前はそのような感じです。大会期間中は対戦選手が右の場合は他の選手で、左の場合は僕が担当という感じです。


写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:槌谷昭人

――そもそもどういう経緯で伊藤美誠選手の練習パートナーになられたんでしょうか?関西大学卓球部在籍時から練習相手を務められてますよね?
坂根翔大:関西大学の顧問の方と(関西卓球アカデミー代表の)伊藤弘美さんが仲良くて、その関係です。

たまたま左利きの練習相手を探していたみたいで、僕が関大1年の時に呼んでもらってそこからです。


写真:関西大学時代の坂根翔大/撮影:ラリーズ編集部

――普段はどういう風に練習相手を務めているんでしょうか?
坂根翔大:最初のイメージではブロックするくらいかと思っていたんですけど、伊藤選手はブロック練習も結構するので、僕がガンガン打つこともあります。振り回されるので自分の練習にもなるなと思い、取り組んでいます。

“〇〇大学の坂根”ではなく“坂根”というブランド


写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:槌谷昭人

――坂根選手の進路選びについてもお伺いさせてください。

全日本ジュニアベスト8など高校時代に全国トップクラスの成績を残してながら、関東の強豪大学に行かなかったのは意外でした。

坂根翔大:関東の大学から声はかかっていたんですけど、関西でやっていこうと自分で決めました。

関西は関西で良さがありますし、頑張れるかは自分次第なので。それにたまたま伊藤選手の相手ができましたし、関西で卓球の輪が広がってありがたいです。

――関西で卓球をすることを貫いた理由は何でしょうか?
坂根翔大:“〇〇大学の坂根”という学校のネームバリューではなくて、“坂根”というブランドで目立ちたかった。関西にいたら“関西のトップの坂根”として認識されますし、高校のときからそういう思いでやっています。

だって、そっちの方が勝ったときにかっこいいじゃないですか。最後も全国でランクに入ったのは、関西で僕だけと目立てたので良かったです。
――関西の中でも関西大学という意外な進路でした。スポーツ推薦があまりないと伺っており、超強豪というわけでもないなと。
坂根翔大:推薦は全然なくて、男女で年1人なので男子は2年に1人ですね。

関西の強豪大学は、早い段階で他の強い選手で枠が埋まっていて僕は無理でした。(すでに多くの選手の進路が決まっている)高校2年の全日本ジュニアで自分がベスト8に入ったとき、逆に来てくれないかと誘われたんですが、それはなんか違うなと断って、関大に進みました。


写真:福本卓朗(写真左)と坂根翔大(写真右)/撮影:ラリーズ編集部

――その関西大学ではエースとして、4年秋の最後のリーグ戦で53年ぶりにチームを優勝に導きましたね。
坂根翔大:当時は同期の各務や主将の増田がいて、高校時代からずっと兵庫で一緒にやってきたメンバーが揃っていました。勝つためにチャンスはここしかないと思って、優勝した1年は練習メニューを僕がガラッと変えました。結果、優勝できて良かったです。

引退するまでには全日本選手権でランクに

――現在の仕事内容についても教えて下さい。
坂根翔大:僕は今、朝は保育園に行って、3歳から6歳くらいの子供たちに卓球を教えています。その後、関西卓球アカデミーで小学生を中心に卓球を教えていて、子供たちの試合があるときは、ベンチコーチに入ることもあります。


写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:槌谷昭人

――コーチ業もしながら実業団選手として、2020年後期日本リーグでは8勝1敗で2部新人賞を獲得されました。
坂根翔大:自分の中では、2部だったので順当にいけば獲れるかもとは思ってました。ただ、1敗してしまったのでそこは悔いが残ります。

コロナの影響でそれまで試合があまりなかったので、自分が思っているプレーができないなど本調子じゃない割には良かったです。特に新人賞を獲れるのは生涯一回だけなので獲れて良かったと思います。


写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:ラリーズ編集部

――今、実業団選手やコーチなどいろいろ兼任していますが、今後の目標はどう考えてますか?
坂根翔大:伊藤選手の練習相手はあるので、東京五輪まではそっちもしっかりやりつつですが、まだまだ選手をバリバリやっていきます。子供の指導もやっていますけど、自分が動ける限りは選手メインです。引退するまでには全日本選手権でランクに入ることが目標です。


写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:槌谷昭人

関東の大学からの誘いを断り、関西での自分のブランド構築を目指して、自ら道を切り拓いてきた坂根。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」という慣用句を思い出させる彼の姿勢には、そして、これから“牛口”となる予感も充分に漂っている。

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