元NHKキャスターで、主にスポーツ、報道、情報番組を担当。取材して書くこと・話すことが得意。小学3年生で卓球を始め、慶應義塾大学在学中は全日本大学総合選手権大会(団体の部)出場。夢はスポーツ実況をすること。
昨シーズンからTリーグに参加し、今シーズン前期の男子MVP賞の受賞者となった郝帥(ハオシュアイ)。日本で順調にキャリアを積んでいく彼に、これからの人生設計を聞いてみた。
これからの郝帥は「もっといける」
自分の能力・キャパシティの中で、これまで粘ってこられたのは、自分の能力を最大限に発揮してきたからで、自分では成功したキャリアだと言えると思います。
39歳になって卓球のプロリーグで戦うのは簡単なことではありません。
私の同期にはすでに指導者になっている人もいますし、この年になっても楽しく卓球ができ、試合に出られるということが私にとってとても貴重なことなんです。
写真:郝帥(ハオシュアイ・中国)/提供:ittfworld
当初は3年で引退するつもりでしたが、今の自分のパフォーマンスや試合の感触では、もっといけるんじゃないかと思っています。
ブラディミル・サムソノフのように40代半ばで引退した選手もいますし、何志文選手は60歳、女子の倪夏聯選手も58歳ですが、まだまだ現役です。
写真:ブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)/提供:ittfworld
写真:倪夏蓮(ニーシャーリエン・ルクセンブルク)/提供:ロイター/アフロ
中国に良いチャンスがあれば中国に帰りますし、他の国にも良いチャンスがあればそちらに行くつもりです。
どうなるかは、その時の状況次第ですが、息子がテニスをやっているので、息子のために、中国よりレベルが高い海外で育てた方がいいかもしれないとも考えています。
これからのTリーグは「もっと広がる可能性を秘めている」
商業的な価値という点では、もっと広がる可能性を秘めていると思います。
日本では、多くのサポーターがチケットを買って競技場に足を運び、試合を観戦していますね。
中国にもありますが、日本ほど多くはないようです。
中国の場合は、組織(体制)の問題です。
日本では、世界一になって卓球界をリードすること、つまり中国を追い抜くことが必要で、そうでなければ日本でNBAのような卓球リーグを作ることは難しいでしょう。
なぜ人々がNBAを見るのか、それはNBAがバスケットボールの最高レベルだからです。最高の中の最高。そしてこれが核となる商業的価値なのです。
TリーグをNBAのようにしたいのであれば、全体のレベルを上げ、卓球界を席巻するか、少なくとも中国と同じくらいのレベルにする必要があるのです。
新型コロナが流行していますので、皆さんの健康を一番に祈りたいと思います。
写真:郝帥(ハオシュアイ) リモート取材の様子/画像:ラリーズ編集部