野田学園のエース・徳田幹太、自己推薦入試で大学合格 小学生時代の心臓手術乗り越え成長 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:徳田幹太(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

卓球×インタビュー 野田学園のエース・徳田幹太、自己推薦入試で大学合格 小学生時代の心臓手術乗り越え成長

2023.01.16

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

エース兼主将として野田学園高校卓球部を牽引したのが、徳田幹太(とくだかんた・野田学園高校3年)だ。

地元愛媛県開催となった最後のインターハイでは、シングルス5位、ダブルスと学校対抗は準優勝と好成績を収めた。


写真:インターハイ学校対抗準優勝の野田学園(徳田幹太は写真左から2番目)/撮影:ラリーズ編集部

日本一にはわずかに届かなかったものの、中高6年間で野田学園高校卓球部のエースに成長した徳田は、スポーツ推薦のある大学ではなく、自己推薦入試で早稲田大学進学を志望し、見事合格を勝ち取った。

厳しい受験勉強を乗り越えて練習に参加していた徳田に、大学入試についてや小学生時代の苦難、今後の目標を聞いた。

自己推薦で早稲田大学合格


写真:地元愛媛開催だった高校3年生のインターハイでの徳田幹太(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――スポーツ推薦ではなく、自己推薦入試で大学に合格されたと伺いました。

おめでとうございます!

徳田幹太:ありがとうございます。
――実際受験勉強はどうでしたか?
徳田幹太:自分が本当に勉強やり込めるのだろうかという不安が大きかったんですけど、いざ受験勉強を始めてからは、「絶対に早稲田大学に合格するんだ」という強い気持ちで取り組めました。


写真:徳田幹太(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――どうして早稲田大学を志望されたんですか?
徳田幹太:小さい頃から早稲田大学卓球部に大きな憧れを持っていて、必ず入学して、早稲田大学のエースになるんだと常に思っていました。


面接練習も相当やり込んだそうです

徳田幹太:早稲田大学は卓球だけでなく文武両道を実践しながら、数々の素晴らしい成績を残している選手を多く輩出しています。

そのような環境に身を置いて自分も活躍したいという思いで志望しました。


2022年のインターハイでは野田学園の主将としてチームを牽引した

土日は6,7時間の勉強をやり込んで合格


写真:徳田幹太(写真左・野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――勉強は大変でしたか?
徳田幹太:個人的には卓球より大変でした(笑)。

試験内容が小論文だったので、毎日試験に向けて何千文字と書いて練習していました。慣れるまでは難しくて苦労しましたね…。

――勉強量はどれくらいだったんですか?受験勉強にかなりシフトしたと伺いましたが。
徳田幹太:今まで卓球していた時間を勉強に充てたようなイメージです。

平日は学校が終わった後に学校の自習室に残って、勉強をしたり新聞を読んだりして、土日は図書館や外で勉強していました。

平日は4、5時間、土日は6、7時間ぐらいやっていましたね。

――では、合格した後の解放感はすごくあったんじゃないですか?
徳田幹太:そうですね。

合格後は卓球が楽しくて仕方なくて、橋津先生にも「本当に楽しそうだな」と言われました(笑)。


写真:橋津文彦監督と話す徳田幹太(写真中央)と飯村悠太(写真左)/撮影:ラリーズ編集部

――スポーツ推薦だけでなく、自己推薦で大学に進みたいという選手も今後出てくると思います。

自己推薦入試を経験した徳田選手から何かアドバイスはありますか?

徳田幹太:勉強では「今日はやりたくないな」という気持ちになることも何度もありましたが、卓球で辛い時期を乗り越えてきた気持ちを思い返し、最後まで取り組めました。

これまで勉強をサポートしてくださった方々の気持ちを思うと「絶対に合格しないといけない」という気持ちになりますし、自分はどの大学よりも早稲田大学に入学したいという思いだったので、諦めずに最後まで強い気持ちで取り組むことが大事だと思います。

心臓手術を乗り越えて野田学園入学


写真:徳田幹太(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――卓球で辛い時期というのはいつだったんでしょうか?
徳田幹太:小学2年生で全日本バンビの部で優勝したんですが、その後小学4年生の頃に先天性の病気である心房中隔壁欠損症(※)の心臓手術をして、そこから思うように卓球ができませんでした。
※心房中隔壁欠損症:右心房と左心房の間の壁に穴が空いている先天性心疾患
――そこはどう乗り越えたんでしょうか?
徳田幹太:手術後しばらくはあまり強度の高い運動はできなかったので、そこでできることはないかと考え、サービス練習だけを三時間やったり、読書をしたりして、自分のためになることをたくさんやりました。


写真:野田学園の主将兼エースにまで成長した徳田幹太/撮影:ラリーズ編集部

徳田幹太:そ4年生、5年生のときは結果は出せなかったのですが、小学6年生の頃にはジュニアナショナルチームの合宿で1位になったり、6年生の全日本ホープスでベスト8、カデットでベスト4に入るなどして、中学からは野田学園に入学できました。

大学では日本一を目指す


写真:徳田幹太(野田学園高校)/撮影:ラリーズ編集部

――野田学園入学後、どういう部分が一番成長したと感じますか?
徳田幹太:高校2年生の10月ぐらいからキャプテンを務めたことで、チームをどうやって良い方向に持っていこうかなと考えることが増えました。

その結果、チームをより良い方向に導く力を身につけられたり、自分のキャプテンシーを高められたりしました。

――6年間野田学園での生活を経験して、野田学園の選手はどうして強くなると思いますか?
徳田幹太:一人一人が野田学園で「絶対に強くなってエースになるんだ」という気持ちがあるのと、一人一人良い個性があります。

そこを橋津先生の指導もあって、伸ばしていくことで強くなる選手が多いのかなと思います。


写真:徳田幹太(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――もうすぐ卒業ですが、後輩にメッセージはありますか?
徳田幹太:自分は日本一を達成できなかったので、後輩には必ず日本一を達成して欲しいと思ってます。

一人一人「俺がエースなんだ」という気持ちを持って団体戦には取り組んで欲しいですし、個人戦でも必ず日本一を獲るという強い気持ちを持って取り組んで欲しいです。

――徳田選手はどういう目標で今後やっていきますか?
徳田幹太:今後は早稲田大学に入学するので、勉強も欠かさず定期的に行うようにしながら、卓球面では中学高校で達成できなかった日本一を団体・個人で達成できるように強い気持ちで取り組んでいきたいと思っています。


写真:徳田幹太(野田学園高校)/撮影:ラリーズ編集部

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