文:ラリーズ編集部
7月18日から21日にかけてT2ダイヤモンド2019マレーシアが開催され、男女シングルスの2種目が行われた。男子シングルスではパトリック・フランチスカ(7月世界ランキング17位・ドイツ)が世界選手権ベスト4の梁靖崑(リャンジンクン・同6位・中国)を破ったほか、林昀儒(リンインジュ・同16位・チャイニーズタイペイ)が世界選手権3連覇中の馬龍(マロン・同5位・中国)や樊振東(ファンジェンドン・同3位・中国)を破る番狂わせが生じた。
一方で女子シングルスでは加藤美優(同22位・日本ペイントホールディングス)が伊藤美誠(同7位・スターツ)や陳夢(チェンムン・同1位・中国)に勝利する金星を挙げた。しかし、やはり中国は選手の層が厚く、表彰台は依然として中国による独占状態であった。
男女ともに優勝は中国だったものの、各国が中国の実力に迫りつつあることを示した大会となった。
男子試合結果
写真:林昀儒(チャイニーズタイペイ)がT2ダイヤモンド2019マレーシアを制した/撮影:ラリーズ編集部
優勝:林昀儒(リンインジュ・同16位・チャイニーズタイペイ)
準優勝:樊振東(ファンジェンドン・同3位・中国)
3位:許昕(シュシン・同1位・中国)
優勝は、馬龍と樊振東を破る驚異的なパフォーマンスを見せた林昀儒。大会中でもその進化が止まらなかった。準優勝は樊振東で、3位の許昕を破って、久々に国際大会で上位に食い込んだ。許昕は、同じくペンホルダーで今大会でも好調だった黄鎮廷(ウォンチュンティン・同18位・中国香港)を破って、3位を勝ち取った。
日本男子は、1回戦で張本智和(同4位・木下グループ)が、勝ち越している黄鎮廷(ウォンチュンティン・同18位・中国香港)の前に屈した。
同じく1回戦で、丹羽孝希(同12位・スヴェンソン)は世界選手権銀のマティアス・ファルク(同9位・スウェーデン)に敗れ、水谷隼(同13位・木下グループ)は17歳のホープ・林昀儒にストレート負けを喫した。
世界最高レベルの選手と1回戦から対戦する大会とはいえ、日本の実力を再確認させられる結果となった。
女子試合結果
写真:加藤美優(日本ペイントホールディングス)/撮影:ラリーズ編集部
優勝:朱雨玲(ジュユリン・同4位・中国)
準優勝:王曼昱(ワンマンユ・同5位・中国)
3位:丁寧(ディンニン・同3位・中国)
攻守ともに冴えわたり、円熟したプレーを見せた朱雨玲が優勝を飾った。準優勝は男子顔負けのパワープレーが持ち味の王曼昱、3位はリオ五輪金メダリストの丁寧となった。
一方日本女子は、1回戦で石川佳純(同6位・全農)が攻撃的なバックハンドで一時朱雨玲を圧倒する場面もあったが、巧みな台上プレーでペースを乱され、敗れてしまった。
伊藤美誠(同7位・スターツ)は、1回戦で加藤美優(同22位・日本ペイントホールディングス)と対戦した。伊藤は1ゲーム目を先制したが、その後3ゲームを連取され、5点先取のFAST5形式でフルゲームまで追い上げるも、加藤に敗れた。
勝利した加藤は勢いそのままに陳夢を破って、準決勝進出となった。準決勝では優勝した朱雨玲に、その後の3位決定戦では丁寧に敗れたが、中国のトップ選手を破って価値ある4位を勝ち取った。
平野美宇(同9位・日本生命)は馮天薇(フォンティエンウェイ・同13位・シンガポール)と対戦。2ゲームを連取するも、守りに入ってしまい、1回戦で逆転負けを許した。
今大会では、日本女子の加藤美優のみが勝ち進んでおり、東京五輪の出場権争いで石川佳純や伊藤美誠、平野美宇らを猛追している。ワールドツアーだけでなく、残り2回のT2ダイヤモンドでも好成績を残し、東京五輪の出場権を勝ち取るのは誰か。今後の活躍も見逃せない。