文:石丸眼鏡
チェコOPが終了。平野美宇、石川佳純が上位進出
写真:チェコOPでの石川佳純(全農)/提供:ittfworld
ITTFチェコオープンが25日に終了。
男子は林昀儒(リンインジュ・9月世界ランキング10位・チャイニーズタイペイ)、女子は陳幸同(チェンシントン・同13位・中国)が優勝を飾った。
世界ランキング上位を争う日本人選手で目立った成績を残したのは、女子の平野美宇(同9位・日本生命)、そして石川佳純(同8位・全農)だ。
平野と石川は準決勝で対戦、ゲームカウント4-1で平野が勝利した。結果、平野が準優勝、石川がベスト4という結果となった。
なお、女子もう1人の注目選手・伊藤美誠(同7位・スターツ)は優勝した陳幸同と2回戦で対戦し2-4で敗れている。
男子の上位陣は、張本智和(同5位・木下グループ)、丹羽孝希(同11位・スヴェンソン)がともに1回戦敗退。水谷隼(同13位・木下グループ)も2回戦で敗退している。
今大会で上位に入賞した平野、石川には世界ランキングに関わるポイントが与えられる。準優勝の平野には1440点、ベスト4の石川には1170点が加算され、9月の世界ランキングに反映されている。
チェコOP終了時点での五輪出場権争い展望
写真:T2ダイヤモンドでの水谷隼(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
東京五輪シングルスの出場権2枠の争いが激化している。
五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。今回はその2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」だけを集計した五輪出場争いの展望を紹介する。
まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいしておこう。
ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
(※一部記載に誤りがあり訂正いたしました)
つまり、現時点(2019年8月)の世界ランキングにおいては有効であるポイントのうち、2020年1月には失効してしまうものも存在するということだ。
今回はこれを考慮し、「2020年1月時点で有効であるポイント」だけをチェコOP終了時点まで集計した。
そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。
>>水谷隼「実は1年間、球がほとんど見えない」深刻な目の症状を告白
いま最も五輪に近い日本人選手は誰だ
写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
チェコOPでの獲得ポイントを含め、2020年1月まで有効なポイントだけを使用して算出した男女日本人選手のポイントランキングは以下のようになる。
【男子】
張本智和(10660Pt)
水谷隼(8245Pt)
丹羽孝希(7690Pt)
吉村和弘(4810Pt)
森薗政崇(4125Pt)
【女子】
伊藤美誠(10865Pt)
平野美宇(10175Pt)
石川佳純(9855Pt)
佐藤瞳(7135Pt)
加藤美優(7015Pt)
男子では、張本が水谷と丹羽に2000Pt以上の差をつけ1位。水谷、丹羽は555Pt差で2位を争う。
一方、女子は伊藤、平野、石川の3強が激しく争う展開。4位の佐藤、加藤はやや厳しい状況ながらも可能性は残る。
五輪シングルスの出場枠は2つ。上位2名を決めるデットヒートがここから年末にかけて加速していく。
>>【卓球】東京五輪団体戦シード争いの鍵 オリンピックランキングとは
五輪有力選手たちの今後の出場予定
写真:石川佳純(全農)/撮影:ラリーズ編集部
五輪出場権争いも佳境、有力選手たちの出場が見込まれる大会スケジュールをおさらいしておこう。
9/15~9/22 ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会
10/1~10/6 ITTFワールドツアー・スウェーデンオープン
10/8~10/13 ITTFワールドツアー・ドイツオープン
10/18~10/20 2019女子ワールドカップ
11/6~11/10 JA全農 ITTF 卓球ワールドカップ団体戦
11/12~11/17 ITTFワールドツアー・オーストリアオープン
11/21~11/24 T2ダイヤモンド
11/29~12/1 2019男子ワールドカップ
12/12~12/15 ITTFワールドツアーグランドファイナル
以上が、主なワールドツアーやワールドカップ、T2ダイヤモンドの開催予定となっている。
選手によって出場する大会は異なるが、ポイント争いに大きく関わる大会が続く。2020年1月の世界ランキング発表までの戦いも残り4ヶ月。
優勝を勝ち取れば一気にライバルを突き放す可能性もある。絶対に負けられない大会が続く。
チェコOPでの平野対石川のように、ランキングを争う日本人選手同士の対戦も見られるかもしれない。
最後に五輪出場の切符を手にする選手は誰か。運命を決する終盤戦、その動向から目が離せない。