写真:チームワールドカップでの張本智和(木下グループ)/提供:ittfworld
卓球ニュース 張本・伊藤、五輪代表選考基準満たす 2020年1月有効な世界ランキングポイント(オーストリアOP終了時点)
2019.11.18
文:ラリーズ編集部
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伊藤美誠が女子シングルス優勝
チームワールドカップ東京大会が終わって、すぐにITTFワールドツアープラチナ・オーストリアオープンが開幕した。日本勢ではチームワールドカップを戦った選手に加え、早田ひな(日本生命)や橋本帆乃香(ミキハウス)など多くの選手が参加した。
女子シングルスでは伊藤美誠(スターツ)が朱雨玲(ジュユリン・中国)を破って優勝し、新たに2250ptを獲得した。一方日本男子では丹羽孝希(スヴェンソン)がベスト8まで勝ち残り、1125ptを手にした。
オーストリアオープン終了時点での五輪出場権争い展望
東京五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。その2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」を集計し、五輪出場争いの展望をまとめた。
まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。
ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
つまり、現時点の世界ランキングポイントの中から、2020年1月には失効してしまうものを考慮する必要がある。
今回は「2020年1月時点で有効であるポイント」だけをオーストリアオープン終了時点まで集計した。そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。
>>【最新版】卓球・世界ランキングの決め方は? 規定が2020年を目前に改定、そのポイントとは
オーストリアオープンを終え、各選手のポイントは?
写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld
オーストリアオープンの結果を含め、2020年1月まで有効なポイントだけで算出した男女日本選手のポイントランキングは以下の通りだ。
男子選手順位
1 張本智和 10975Pt(10975Pt)
2 水谷隼 8425Pt(8425Pt)
3 丹羽孝希 8365Pt(7960Pt)
4 森薗政崇 5195Pt(5195Pt)
5 神巧也 5055Pt(4945Pt)
6 吉村和弘 4830Pt(4830Pt)
※男子は丹羽、神以外ドイツOP以降ポイント変動なし
※左のPtはオーストリアOP終了時、()内はチームワールドカップ終了時の2020年1月まで有効なポイント
女子選手順位
1 伊藤美誠 13510Pt(12430Pt)
2 平野美宇 10295Pt(10295Pt)
3 石川佳純 10230Pt(10230Pt)
4 加藤美優 7545Pt(7545Pt)
5 早田ひな 7520Pt(7070Pt)
6 佐藤瞳 7495Pt(7315Pt)
※女子は早田が佐藤を追い抜き5位に
※Pt右の()内はチームワールドカップ終了時の2020年1月まで有効なポイント
男子ではベスト8に入って1125Ptを獲得した丹羽孝希が、405Pt追加し2位の水谷とわずか60Ptまでのところに迫る。東京五輪の男子シングルス枠の争いもいよいよわからなくなってきた。
一方、ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)にチームワールドカップのリベンジを果たされ、ベスト16に終わった張本智和(木下グループ)は、2020年1月時点の世界ランキングで日本選手2位以内が確定し、五輪代表選考基準を満たした。同様に女子においても伊藤美誠がいち早く東京五輪日本代表選考基準をクリアした。
またベスト8まで勝ち進んだ早田ひながここにきて450Ptを加算して佐藤瞳(ミキハウス)の順位を抜く結果となった。
>>【卓球】伊藤美誠、東京五輪代表へ 世界ランキング選考基準満たす
有力選手たちの今後の出場予定
写真:石川佳純(全農)/提供:ittfworld
トップ選手たちの出場が見込まれる今後の大会スケジュールは以下の通り。
11/21~11/24 T2ダイヤモンド
11/29~12/1 2019男子ワールドカップ
12/4~12/8 ITTFチャレンジ・ノースアメリカンオープン
12/12~12/15 ITTFワールドツアーグランドファイナル
直近の大会はマレーシアで行われる予定のT2ダイヤモンドだ。この戦いで獲得したポイントは、世界ランキングに反映される8大会のポイントとは別で上乗せされる上に、特殊なルールの下で試合が行われる。
7月に行われたマレーシア大会では、短期決戦で勢いに乗って勝利する場面が多く見られ、男子の優勝は意外にも林昀儒(リンインジュ・チャイニーズタイペイ)となったのは記憶に新しい。
男女ともに2位と3位の差がほぼない程の大接戦となっており、この大会で出遅れると致命傷になりかねない。並みいる実力者を破ってより多くのポイントを手にするのは誰なのか。必見だ。