文:ラリーズ編集部
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T2ダイヤモンドでボーナスポイント追加
写真:T2ダイヤモンドでの平野美宇/撮影:ラリーズ編集部
24日、T2ダイヤモンドシンガポールが閉幕。日本選手では、男子は張本智和(木下グループ)、水谷隼(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)。女子は伊藤美誠(スターツ)、平野美宇(日本生命)、石川佳純(全農)、佐藤瞳(ミキハウス)の、計7名が出場した。
男子では、既に五輪代表の基準を満たしている張本は3位入賞を果たし、世界ランキングに反映されるボーナスポイントを700pt獲得した。残りの代表1枠を争う丹羽と水谷はともにベスト8となり、500ptを加算した。
女子では、準優勝の伊藤美誠が800ptを獲得。佐藤はベスト8で500ptを加算。日本選手2番手を争う平野と石川はともに初戦敗退で、ともに400pt獲得となった。
写真:伊藤美誠(スターツ)/撮影:ラリーズ編集部
五輪出場権を左右する世界ランキングの算出方法とは?
東京五輪シングルスの出場権は2020年1月時点の世界ランキング上位2名に与えられる。その2020年1月を見据え、「2020年1月時点で有効であるポイント」を集計し、五輪出場争いの展望をまとめた。
まずは、世界ランキングの算出方法からおさらいをしておこう。
ITTFが定める卓球世界ランキングは、以下のような規定により決定される。
・ITTFが規定する大会のうち、過去1年以内の大会結果をもとに算出
・世界選手権など一部の大会は1年以上前でも計算対象とする。同大会が次に開催されるまで有効となる。
・対象となる大会のうち、獲得ポイントが多い上位8大会でのポイント合計がその選手の合計ポイントとなる。
・T2ダイヤモンドでの獲得ポイントは上位8大会のポイント合計とは別に加算される。
つまり、現時点の世界ランキングポイントの中から、2020年1月には失効してしまうものを考慮する必要がある。
今回は「2020年1月時点で有効であるポイント」だけをT2ダイヤモンドシンガポール終了時点まで集計した。そのため、以下で紹介する各選手のポイントはITTFが発表する世界ランキングポイントとは異なるものとなる。
>>【最新版】卓球・世界ランキングの決め方は? 規定が2020年を目前に改定、そのポイントとは
T2ダイヤモンドを終え、各選手のポイントは?
T2ダイヤモンドの結果を含め、2020年1月まで有効なポイントだけで算出した男女日本選手のポイントランキングは以下の通りだ。
写真:張本智和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
男子選手順位
1 張本智和 11675Pt(10975Pt)
2 水谷隼 8925Pt(8425Pt)
3 丹羽孝希 8865Pt(8365Pt)
4 森薗政崇 5195Pt(5195Pt)
5 神巧也 5055Pt(5055Pt)
6 吉村和弘 4830Pt(4830Pt)
※太字がT2ダイヤモンドでポイントを増やした選手
※左のPtはT2ダイヤモンド終了時、()内はT2ダイヤモンド開催前の2020年1月まで有効なポイント
男子は、張本が1月時点での日本選手2位以内を既に確定させている。残り1枠を争う水谷と丹羽はともに500pt加算し、その序列は変わらなかった。
当初、丹羽は今回のT2ダイヤモンドには出場しない予定だったが、複数名の棄権が出たため繰り上げでの出場となった。T2ダイヤモンドでボーナスポイントを獲得し、さらに11月末の男子ワールドカップには水谷が出場しないという点では、丹羽が有利な状況とも言えるだろう。
写真:T2ダイヤモンドでの石川佳純/撮影:ラリーズ編集部
女子選手順位
1 伊藤美誠 14310Pt(13510Pt)
2 平野美宇 10695Pt(10295Pt)
3 石川佳純 10630Pt(10230Pt)
4 佐藤瞳 7995Pt(7495Pt)
5 加藤美優 7545Pt(7545Pt)
6 早田ひな 7520Pt(7520Pt)
※太字がT2ダイヤモンドでポイントを増やした選手
※左のPtはT2ダイヤモンド終了時、()内はT2ダイヤモンド開催前の2020年1月まで有効なポイント
女子は、伊藤が既に五輪代表内定の条件を満たしている。2番手争いを繰り広げる平野と石川はともにT2ダイヤモンドで400ptを加算し、その差は変わらず65pt。今後、1勝の差が代表権を左右する、白熱の展開となった。
写真:T2ダイヤモンドでの佐藤瞳/撮影:ラリーズ編集部
また、T2ダイヤモンドでポイントを加算した佐藤は日本選手4番手に浮上した。しかし、3番手との差は2000pt以上。佐藤は12月のノースアメリカンOP、グランドファイナルにも出場予定だが、逆転は至難の業だ。
>>石川佳純と平野美宇 東京五輪シングルス代表権はどちらの手に
有力選手たちの今後の出場予定
写真:T2ダイヤモンドでの水谷隼/撮影:ラリーズ編集部
トップ選手たちの出場が見込まれる今後の大会スケジュールは以下の通り。
11/29~12/1 2019男子ワールドカップ
12/4~12/8 ITTFチャレンジ・ノースアメリカンオープン
12/12~12/15 ITTFワールドツアーグランドファイナル
男子ワールドカップには張本と丹羽が出場。翌週のノースアメリカンOPは獲得ポイントが少ないチャレンジ大会だが、女子は伊藤を除く多くの選手が出場する。グランドファイナルには伊藤、平野、石川、佐藤の上位4選手が出場予定。女子の代表争いは最後までもつれることが予想される。
写真:T2ダイヤモンドでの丹羽孝希/撮影:ラリーズ編集部
男子は水谷がノースアメリカンOPに出場予定だったがキャンセルした。グランドファイナルにすべてをかける。丹羽も出場予定だがT2ダイヤモンド後のインタビューでは「ワールドカップで良い成績を残せれば、ノースアメリカンOPはキャンセルも考えている」と語っていた。丹羽はグランドファイナルには補欠としてエントリー。1名でも棄権者が出れば出場することになる。
男女ともに2番手争いは僅差となった五輪代表レース。男子については、まずは29日に開幕する男子ワールドカップが代表争いの行方を占う上で非常に重要な大会となる。