パリ五輪3枠目は女子・張本美和、男子・篠塚大登 女子・渡辺武弘監督「悩みに悩んだ」 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:パリ五輪代表3枠目に選出された張本美和(木下グループ)と篠塚大登(愛知工業大学)/撮影:ラリーズ編集部

卓球ニュース パリ五輪3枠目は女子・張本美和、男子・篠塚大登 女子・渡辺武弘監督「悩みに悩んだ」

2024.02.05

取材・文:ラリーズ編集部

5日、日本卓球協会は、パリ五輪代表候補予定の3枠目の選手として、男子は篠塚大登(愛知工業大学)、女子は張本美和(木下グループ)を選出したことを発表した。

強化本部推薦の3枠目

これまで獲得した代表選考ポイントにより、男子は1番手の張本智和(智和企画)と2番手の戸上隼輔(明治大学)、女子は1番手の早田ひな(日本生命)、2番手の平野美宇(木下グループ)が既にシングルスの五輪代表切符を獲得しており、今回選出された3番目の選手は、団体戦メンバーとなる。

男子では、代表選考ポイント3位の篠塚と、この半年ほどで国際大会で実績を上げ、現在世界ランキング日本人3番手の松島輝空(木下グループ)のどちらかが有力視されていたが、先日の全日本卓球選手権ベスト8決定で直接対決を制した篠塚が、これまでの代表選考会での安定した成績も含め、選ばれた形だ。 

一方、女子は代表選考ポイント3位の伊藤美誠(スターツ)と、15歳・張本美和(木下グループ)のどちらが選出されるか注目を集めていたが、先日の全日本選手権で準優勝し、急成長を続ける張本美和のパリ五輪までの伸びしろを強化本部が評価した。

東京五輪混合金メダリストで、3大会連続の出場を目指して代表選考ポイント最終3位につけた、伊藤美誠の選出はならなかった。


記者会見でパリ五輪代表候補選手を発表する日本卓球協会/撮影:ラリーズ編集部

渡辺武弘・日本代表女子監督コメント「悩みに悩んだ」

選考では悩みに悩みました。昨年一年間、国際大会にも一緒に帯同し、日本選手それぞれの戦いぶりや戦術などを総合的に見てきました。団体でダブルスが組めてシングルスでも総合的に活躍できる選手、という観点で見たときに、本当にわずかながらの差ですが、張本選手がふさわしいと思い、選出させていただきました。

張本選手は15歳でここまでのプレーができて、すごい選手だと感心しています。パリまでの数ヶ月、その伸びしろに期待しています。

伊藤選手は日本卓球界の宝ですので、今回は残念ながら選考から漏れてしまいましたが、彼女はまたさらに磨きをかけて活躍してくれると期待していますので、今後も見守っていきたいと思っています。


写真:張本美和(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部

田㔟邦史・日本代表男子監督コメント「オリンピックと似ていた全日本の直接対決の舞台」

最後の最後まで、松島輝空選手と迷いましたが、全日本の決勝が終わったときに決めました。この一年弱、松島選手は非常に力をつけてきており、人間的にも成長してきたことを本当に評価しています。

先日の全日本選手権ベスト8決定戦で両者が直接対決をし、篠塚選手が勝利しました。あの試合は、オリンピックと雰囲気が似ているものを感じました。お互いが状況をわかっている、緊張したなかでうまくいかない。オリンピックという舞台では技術のみではなくメンタルが大事になることを、私自身がこれまでのオリンピックのベンチで学ばせていただきました。

選手にとって長く苦しい2年に渡る選考レースを乗り越えて、篠塚選手自ら勝ち取った代表権だと思っています。その苦しみをパリで開放して思いっきり戦ってくれるのではないかという思いを込めて、選出させていただきました。


写真:篠塚大登(愛知工業大)/撮影:ラリーズ編集部

パリ五輪代表候補選手

男子

張本智和(智和企画)
戸上隼輔(明治大学)
篠塚大登(愛知工業大学)

女子

早田ひな(日本生命)
平野美宇(木下グループ)
張本美和(木下グループ)

混合ダブルス

張本智和(智和企画)
早田ひな(日本生命)

篠塚大登選手インタビュー(2021年11月公開)はこちら