文:石丸眼鏡
Tリーガーを最も輩出している高校や大学はどこだろうか。今回は2019-2020シーズンのTリーグに所属していた日本人選手の出身校を集計、男女別に出身校ランキングを作成した。
上位には卓球名門校がランクイン、現在の日本卓球界の勢力図が見えてきた。
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Tリーガーの出身高校ランキング
1位:青森山田(12人)
水谷隼/丹羽孝希/上田仁/森薗政崇/三部航平/町飛鳥/吉田雅己/横山友一/神巧也/松平健太/森薗美咲/鈴木李茄
2位:野田学園(5人)
吉村和弘/有延大夢/吉村真晴/平野友樹/戸上隼輔
3位:大原学園、帝京、愛工大名電、希望が丘、四天王寺(4人)
宇田幸矢/平野美宇/浜本由惟/長﨑美柚(大原学園)
柏竹琉/村松雄斗/石川梨良/森田彩音(帝京)
木造勇人/加山裕/髙見真己/松山祐季(愛工大名電)
田添響/田添健汰/前田美優/早田ひな(希望が丘)
石川佳純/森薗美月/梅村優香/松平志穂(四天王寺)
Tリーガーの出身大学ランキング
写真:当時・中央大の左から森田彩音、梅村優香、山本笙子/撮影:ラリーズ編集部
1位:明治大学(7人)
水谷隼/丹羽孝希/森薗政崇/町飛鳥/平野友樹/神巧也/有延大夢(明治大)
2位:愛知工業大学(6人)
吉村和弘/吉田雅己/木造勇人/吉村真晴/髙見真己/松山祐季(愛知工業大)
3位:専修大学(4人)
田添響/田添健汰/三部航平/鈴木李茄
4位:中央大学、早稲田大学(3人)
森田彩音/梅村優香/山本笙子(中央大)
大島祐哉/松平健太/笹尾明日香(早稲田大)
出身校1位となった高校は、青森山田高校。福原愛さん、水谷隼をはじめ代表クラスの選手を数多く輩出してきた、卓球界で最も名前の知られた高校だ。大学で1位となったのは明治大学。
中でも注目は、明治大学出身者7名のうち、平野友樹、有延大夢(野田学園→明治大学)を除く5選手が青森山田高校の出身という点だ。顔ぶれも豪華で、水谷隼、丹羽孝希らがその道を歩んでいる。男子卓球における青森山田→明治大学という流れは、まさに王道ルートといえるだろう。
写真:エリートアカデミー出身、明治大学に進学した宇田幸矢/提供:©T.LEAGUE
また、大原学園や帝京高校出身などの出身選手は、JOCエリートアカデミーの所属である。JOCエリートアカデミーの出身者という括りで考えると10人以上のTリーガーを輩出している。
選手の出身校に特徴があるTリーグチームが存在
Tリーグのチーム別でみても、出身校に傾向がみられる。
象徴的なのは岡山リベッツだ。2019-2020シーズンの所属選手12名のうち、半分の6選手(上田仁、森薗政崇、三部航平、町飛鳥、吉田雅己、横山友一)が青森山田高校の出身者となっている。
写真:岡山リベッツの青森山田出身選手たち。左から町飛鳥、吉田雅己、上田仁、森薗政崇(中央は白神監督)/提供:©T.LEAGUE
岡山リベッツは、Tリーグ開幕初年度にプレーオフファイナルに進出し、初代王者となる木下マイスター東京をあと一歩のところまで追い詰めたチームだ。この年のリベッツの好調には、上田、森薗ペアのダブルス勝率の高さが大きく関わっていた。
実際、岡山リベッツの強みは「チームワークの良さ」だということを白神監督や所属選手たちがこれまで何度も口にしている。そこには、同じ学校の先輩後輩という深い関係性を持つ選手が揃っていることも少なからず影響しているはずだ。
高校卓球界の勢力図に変化
Tリーガーを最も多く輩出している青森山田高校は、2015年度を最後に卓球部の強化活動を終了している。
その結果、高校卓球界の勢力図は少しずつ変わりつつある。2016年以降のインターハイは男子・愛知工業大名電高校、女子・四天王寺高校が連覇を続けている(四天王寺高校は2013年から7連覇)。数年後、Tリーグ内の出身校ランキングは大きく変わっているかもしれない。