森薗・美誠ペア快勝。「真逆の性格」のペアの不思議な関係性


今年の全日本選手権の目玉のひとつが男女混合ダブルス(ミックス)だ。2020年の東京五輪から正式採用される種目とあって、有名選手も相次いで参戦している。

大会3日目の1月17日は準々決勝が行われた。会場でひときわ目立っていたのが森薗政崇と伊藤美誠のペア。対するは専修大学の及川瑞基と安藤みなみだ。特に安藤は2017年の同大会女子シングルスで伊藤を破ったとあって、客席からは熱視線が注がれた。

試合は、結果だけ見れば3−0と森薗・伊藤ペアが圧倒したが、どちらに転んでもおかしくない結果だった。1セット目は11−9、2セット目は11−8、3セット目は11−7と各セットで均衡が続いていた。

この試合では「均衡が破れた!」と “誰でも分かる”瞬間がある。答えは簡単、森薗の掛け声である。特に2セット目のサービスエースを交えた9−8から10−8への2連続得点では森薗は会場中の「目と耳」を虜にした。

17歳の伊藤と22歳の森薗。年長者の森薗がグイグイと引っ張っているのかと思いきや、そうでもなさそうだ。2人の意外な関係は試合後のミックスゾーンで明らかになった。

——準決勝への意気込みは?
森薗:まだ準決勝は相手がやっている最中。

伊藤:どちらにしても自分たちの卓球ができたら、と。挑戦者の気持ちでやっていきたい。

——二人で練習出来る時間が少なかったと言う割に、久しぶりに組んだとはとは思えなかったが?
森薗:いろんな面で刺激を受けている。試合の時に楽しいと思うことはなかなか無いんです。苦しいばっかりで。けど美誠と組んだダブルスは楽しくて。

——お互いの印象は?
森薗:美誠は17歳とは思えないほど堂々として落ち着いている。僕があがり症なのでアップアップしちゃうんですけど「大丈夫だよ!」って言ってくれる。

伊藤:森薗君は真面目なタイプなので真反対だな、と。でも森薗くんのおかげで少し真面目になりました(笑)

森薗:よくコーチからは足して2で割るとちょうどいいって言われます。

——どっちが主導権を?
森薗:即答で美誠ですね(笑)試合の時も堂々としているし私生活でも卓球に対するところはプロ意識が高い。そういう姿を合宿とかでも見ていますしね。

美誠:私自身負けず嫌いでやっぱりわーっと、相手関係なく言っちゃうタイプ。言っちゃった後に“言い過ぎたかな”って思うけど森薗君は受け止めてくれるから話しやすい。

——試合中でも?
森薗:そうっす…ね…(笑)

美誠:試合中でも「結構何やる?」とか聞いてくれるんで決めます。

森薗:競り合ってきて自分のプレーに自信がなくなってきたら「次なにしたらいい…?」って(笑)

美誠:やりたいことやっていいよってね(笑)

ミックスゾーンでのインタビューの直後に準決勝の相手が決まった。大島祐哉・早田ひなペアだ。特に大島と森薗は長らく男子ペアとして数々の試合で勝利を収めてきた、いわば「戦友」だ。18日午前、両雄が台を挟んで相まみえる。決勝に進むのはどちらか。注目だ。
取材・文 武田鼎(ラリーズ編集部)

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