文:ラリーズ編集部
19日、「天皇杯・皇后杯 2020年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)」の全日程が終了した。令和初開催となった同大会のシングルスでは、男女ともに優勝経験のない選手が栄冠に輝いた。
見事に初優勝を飾ったのは、男子・宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)と女子・早田ひな(日本生命)。それぞれが五輪イヤーに優勝を果たしたその胸中を語った。
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宇田幸矢の優勝後コメント
写真:宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)/撮影:ラリーズ編集部
――張本智和(木下グループ)選手との決勝戦を振り返って
3-1の10-8とゲームポイントを決めることができなくて、とても苦しい試合になった。最後まで我慢して戦えてよかった。少し自分の凡ミスが出たが、最後まで攻め続けるのは試合前から決めていて、冷静に最後まで戦えた。競った場面のサーブレシーブがすごく良かった。
(張本とは)2年前もジュニアの決勝で負けていて、世界でも勝っている少し上の存在だった。今回勝つことができて、自分の中で自信になった。今回ぎりぎりで張本に勝てたが、今後も必ず当たる相手なので勝っていきたい。
――決勝戦第7ゲーム9-9からのサーブについて
6ゲーム目も7ゲーム目もフォアにハーフロングからの展開が凄く良かったので、最後2本出そうと思っていた。
――決勝戦を楽しめた理由
今までは大事な試合やプレッシャーがかかる試合になると出足で空回りしていた。今回は勝ちも意識していたが、楽しく最後まで自分のプレーができるように意識した。リードされても最後まで冷静に戦うことができた。
写真:健闘をたたえ合う宇田・張本/撮影:ラリーズ編集部
――全日本優勝により、3月の世界選手権代表メンバーに内定した。意気込みは?
世界選手権は団体戦なので、自分の実力では試合に出ることができるかわからない。もし試合に出なかってもチームのサポートをしていきたい。
――今後の目標は?
(優勝は)自信にはなったが、いったん休んでまたしっかり練習して世界で活躍できるようになりたい。目標はワールドツアーで格上の選手に勝って、世界ランキングを上げていきたい。
早田ひなの優勝後コメント
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
――優勝した率直な感想は?
平野(美宇)選手が優勝して、伊藤(美誠)選手が優勝して、これに続きたいなという気持ちがあった。準決勝・伊藤選手、決勝・石川選手に勝って優勝できたのはすごい自信になった。
――伊藤美誠(スターツ)選手との準決勝を振り返って
伊藤選手は戦術の幅が広い。攻めても次絶対対応してくるので、簡単には勝てない。ただ、第7ゲームになるとお互い緊張するので、気持ちの強い方が勝つと思っていた。気持ちで負けないことを意識して、攻めていくことだけを意識していた。
――伊藤選手の存在について
ダブルスのときはお手本で、パートナーとして間近でプレーを見ることが多い。彼女からいろんなことを学ぶことは多い。私の卓球人生を変えてくれたり、プレースタイルや戦術の幅を増やしてくれたり、彼女のプレーを見て、自分もできるかもと思える存在。
同世代が3人いて、私からしたら“みうみま”2人から学ぶことがたくさんある。
私が伊藤選手に勝ったことで伊藤選手はもっともっと強くなる。それを追い越そうと平野選手や私が練習に取り組む。良いライバル。
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――石川佳純(全農)選手との決勝戦について
(直近は)年末のTリーグで試合をしていたが、そのときとボールや環境も違う。初めて対戦するようなチャレンジャーの気持ちで向かっていくだけだった。ゲームカウント3-0から勝ちを意識したわけではないが、動きが硬くなってしまった。5ゲームからはしっかり打って決めることだけを考えていたので、自分らしい試合ができた。
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
――五輪代表の伊藤選手、石川選手を破った優勝に関して
昨年1年間、東京五輪選考レースを戦ってきた選手と、全日本で試合できて、その2人に勝てたことは嬉しい。ただ、東京五輪に出たかったという気持ちももちろんある。
逆に選ばれなかったことで、発表されてから(全日本まで)追い込んで追い込んで、自分が納得してももうちょっと追い込んで、今まで逃げてた部分から逃げなかった。この2週間くらいの練習の成果が出た。
写真:早田ひな(日本生命)/撮影:ラリーズ編集部
――優勝した瞬間の涙の意味とは
ワールドツアーで一緒に帯同してベンチに入ってくださる石田大輔先生や、4歳から教えてくださっている石田卓球クラブにずっとお世話になってきたが、なかなか結果で恩返しできなかった。
五輪選考でも励ましを受けたが代表には選ばれなかった。そこで恩返しができなかった分、今回絶対優勝しようという気持ちがあった。その石田卓球クラブへの思いや感謝の気持ちが涙に影響していた。
――今後の目標は?
(東京五輪の代表には選ばれなかったが)ここから4年間、私がどう変われるのか。2020年の1年間のテーマを「挑戦」として、いろんなことに挑んで、逃げずに頑張ることを目標にした。絶対に負けない選手になれるように頑張りたい。
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シングルス決勝戦のスコア
■男子シングルス決勝
〇宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園) 4-3 張本智和(木下グループ)
13-11/11-9/8-11/12-10/11-13/6-11/11-9
■女子シングルス決勝
〇早田ひな(日本生命) 4-1 石川佳純(全農)
11-7/11-9/11-4/9-11/11-8