【全日本卓球2020直前企画】前回大会の名勝負を振り返る・シングルス編 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:水谷隼/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 【全日本卓球2020直前企画】前回大会の名勝負を振り返る・シングルス編

2020.01.11

文:ラリーズ編集部

全日本卓球選手権大会(以下、全日本)が2020年1月13日~19日で丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催される。

東京五輪を控えた2020年、令和初の全日本ではどのようなドラマが生まれるのだろうか。

そこで今回は前回大会、平成最後の全日本の名勝負をピックアップして振り返る。

>>【全日本卓球2020直前企画】前回大会の名勝負を振り返る・ダブルス編はこちら

男子シングルス

全日本卓球2019 男子シングルス5回戦

〇張本智和 4-3 緒方遼太郎
11-2/11-13/11-13/11-1/8-11/11-4/11-7


写真:張本智和/撮影:ラリーズ編集部

男子シングルス5回戦で張本と緒方のJOCエリートアカデミーの先輩後輩対決が実現した。

緒方がYGサーブから積極果敢な攻めを見せ、第7ゲーム6-1リードと張本を追い詰める。しかし、そこから張本が7-7に追いつき、最終的には11-7で薄氷の勝利をおさめた。

2020年大会でも張本のシード下に緒方が入っており、再戦なるか注目が集まる。

全日本卓球2019 男子シングルス準決勝

張本智和 3-4 〇大島祐哉
8-11/4-11/11-1/8-11/11-8/11-4/9-11


写真:喜びを露にする大島祐哉/撮影:西村尚己/アフロスポーツ

全日本2019最終日、男子準決勝で大島が2018年大会王者の張本をゲームカウント4-3で下し、決勝に駒を進めた。

両者は2018年も準々決勝で対戦しており、その際は張本が4-1で勝っていた。大島は、1年越しのリベンジで自身初となる決勝進出を決めた。

連覇を逃した張本は「できるだけフルゲームには持ってかないようにしなければいけなかった。(ゲームオールとなった)緒方戦では攻め切れたが、この試合では守りに入ってしまった。相手が攻めてきた」と敗因を分析し、ベスト4で大会を終えた。

>>大島祐哉 “大学は人生の夏休みじゃない” キャリア支える早稲田の4年間

全日本卓球2019 男子シングルス決勝

大島祐哉 2-4 〇水谷隼
13-11/6-11/7-11/6-11/11-9/5-11


写真:水谷隼/撮影:ラリーズ編集部

男子シングルス決勝は、水谷が大島をゲームカウント4-2で破り、2年ぶり10回目の優勝を果たした。これで自身の持つ全日本選手権シングルス優勝記録を10に伸ばした。

水谷は「去年決勝で敗れて、次は勝ってみせてくれと多くの人から言われていた。だから勝つために練習した1年だった。1回優勝するだけでも大変だが、積み重ねて10回優勝することが出来た自分を褒めたい。若手も成長してきているが『張本だけじゃなくて水谷も倒そう』となると思うので壁でいられるようにしたい」と日本卓球界を代表する水谷らしい自覚あるコメントを残した。

>>水谷隼「実は1年間、球がほとんど見えない」深刻な目の症状を告白

女子シングルス

全日本卓球2019 女子シングルス5回戦

平野美宇 1-4 〇木原美悠
11-3/10-12/9-11/8-11/9-11


写真:木原美悠/撮影:ラリーズ編集部

2018年大会準優勝の平野が、木原に敗れる波乱が女子シングルス5回戦で起きた。エリートアカデミーの先輩後輩対決でもあるこの戦いは、後輩である木原が打点の早いバックハンドで主導権を握り、下剋上を果たした。

「1ゲーム目ははっきりと相手の強いところとか弱いところが分からなくて、1ゲーム目で分析して2ゲーム目から相手に苦手なところを結構攻めていったのでそこが一番の勝てた原因」と木原は勝因を語った。

>>木原美悠 平成最後の全日本 “シンデレラガール”誕生の裏側

全日本卓球2019 女子シングルス6回戦

〇早田ひな 4-1 石川佳純
11-7/11-6/11-13/11-8/11-5


写真:早田ひな/撮影:ラリーズ編集部

女子シングルス6回戦では、早田が当時世界ランク3位の石川にゲームカウント4-1で金星をあげた。早田の勝利の瞬間、会場にはどよめきが起きた。

早田は、石川の得意とするバック対バックでも押しきり、真下回転系の低く短いサーブを多用する戦術で1年越しのリベンジを果たした。

石川も「バックハンドの威力が上がっているし、コースも分からなかった。思い切って振ってきていたのでボールも伸びてきた」と早田の技術を称賛した。

>>早田ひな「楽しい卓球」から「楽しめる自分」へ たどり着いた新たな強さ

全日本卓球2019 女子シングルス決勝

〇伊藤美誠 4-1 木原美悠
13-11/11-9/11-6/9-11/11-5


写真:3冠を達成した伊藤美誠/撮影:ラリーズ編集部

女子シングルス決勝を制したのは伊藤だった。勢いに乗る“シンデレラガール”木原をゲームカウント4-1で下し、2年連続で単・複・混合複の3冠を達成した。

得意のサーブからスマッシュ、バック面に表ソフトという表面に多数の突起がある変化ラバーの使用、と両選手ともに似た戦型をとる。

「嬉しい気持ちもあるけどホッとしている。勝った瞬間は嬉しかった。でも4-0で勝てた試合で、9-3から逆転されたのでそこは反省したい。去年の優勝から自信もついて、さらにレベルアップできた。全日本に帰ってきても3冠。強くなったと思った。自分の成長に拍手したい」と伊藤は試合後に安堵の表情を浮かべ、コメントした。

果たして全日本2020ではどのような名場面で卓球ファンを楽しませてくれるのか。全日本の熱い戦いから目が離せない。

>>卓球日本代表・倉嶋監督「張本智和が頭1つ抜けている」 全日本の見どころ語る
>>「優勝に一番近いのは伊藤美誠」 卓球・馬場女子代表監督が全日本見どころを解説