「僕の役割は全日本前半の名物になること」41歳・三田村宗明、通算26回目の全日本終わる<全日本卓球2023> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:試合後の三田村夫妻と息子・蛭田龍(リトルキングス)/撮影:ラリーズ編集部

大会報道 「僕の役割は全日本前半の名物になること」41歳・三田村宗明、通算26回目の全日本終わる<全日本卓球2023>

2023.01.24

この記事を書いた人
1979年生まれ。テレビ/映画業界を離れ2020年からRallys編集長/2023年から金沢ポート取締役兼任。
軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
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<天皇杯・皇后杯 2023年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日時:1月23日~29日 場所:東京体育館>

今大会出場最年長、41歳三田村宗明の通算26回目の全日本は、息子の蛭田龍(リトルキングス)とのペアでダブルス出場、小松隼大/矢島陸斗(中央大/山形)ペアにフルゲームで敗れ、2回戦敗退に終わった。


写真:三田村宗明/蛭田龍(リトルキングス/神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

これまでも、長く全日本出場を続けた選手はいる。
ただ、三田村の場合は、第一線の現役生活を離れて約15年経った今でも、地区予選を勝ち抜き、全日本出場を続けて26回目なのだ。

「いやー、年々キツくなりますね、当然ですけど(笑)。今日は、行けるって思うボールがいつの間にか自分のところにあるような状態でした(笑)」

それでも、フルゲームの大接戦だった。決して三田村のプレーが劣っているようには見えなかった。
「僕は味を出して手堅くやらないといけないのに、若い子とやるとそのリズムになってしまう。そこが全日本なのかもしれません。(息子の)龍も、おっさんとやるのは大変だと思いますよ、リズムが違うので。ドンドンドンってラリーが続いて、僕だけピューンって感じでした(笑)」


写真:三田村宗明/蛭田龍(リトルキングス/神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

家族で戦った全日本

息子・蛭田龍とのペアは、奥さんからの要望だった。

「龍も大学卒業して実家に帰ってきて。教え子でもあり、息子でもあるので、とにかくダブルスだけでも予選を通過したいと思っていました。妻にはいつも支えてもらっているので、少しは恩返しできたかなと」


写真:三田村宗明/蛭田龍(リトルキングス/神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

来年の全日本は

「試合終わったとき、龍が“悔しい、負けるの”って言ってたので、来年のことはまた家族会議で決めます」

既に、全日本出場選手の平均年齢より、三田村の出場回数のほうがきっと多いだろう。

「来年は、ミックスも教え子の中学生と予選に出てみようかな、とも思います。頑張って代表になれたら、その子にとって良い経験になるので。全日本の1週間は、後半は今活躍している強い選手たちが出てくる。僕は、前半の1、2、3回戦の名物みたいになれると良いのかな」

こうやって取材もしてもらえますし、と笑ってみせた。


写真:三田村宗明/蛭田龍(リトルキングス/神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

身体は動かないけれど

神奈川県予選は、木下グループの拠点もあり、さらにハイレベルな戦いになってきている。

正直に言えば、三田村の身体は思うように動かなくなってきている。肘の怪我を抱え、手術を受けるべきかどうか、葛藤も続く。

「僕なんて化石のようなもんです(笑)。でも僕の役割は、全日本前半の名物になることと、子どもたちに良い経験をさせることですから」

もうひとつ、忘れている。

毎年この季節、全日本の三田村が、全国の中高年プレーヤーの心に熱い火を灯している。


写真:三田村宗明/蛭田龍(リトルキングス/神奈川)/撮影:ラリーズ編集部

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