<天皇杯・皇后杯 2023年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日時:1月23日~29日 場所:東京体育館>
26日の全日本卓球選手権大会4日目。
男子シングルスでは、景山拓海(高知工科大)が国公立大学勢で唯一勝ち上がり、宇田幸矢(明治大)と対戦、ゲームカウント1-4で惜しくも敗れた。
宇田幸矢との一戦
強固なブロックで的確にコースを突き、チャンスボールを仕留めるクレバーなプレーが持ち味の景山。
3回戦を勝ち上がり、迎えた4回戦の相手は2020年全日本王者の宇田幸矢(明治大)。3ゲーム目を12-10で取り善戦するも、宇田の力強い攻撃の前にゲームカウント1-4で屈した。
写真:景山拓海(高知工科大)/撮影:ラリーズ編集部
「完敗でしたね。自分のブロックは通用した部分もありますが、宇田選手はサービス、レシーブが厳しく、自分の得意な展開にさせてもらえなかった」。
自身の技術に確かな手応えを感じるも、日本トップクラスの選手との差を痛感した。
宇田幸矢からのアドバイス
試合後には、宇田と明治大学の高山幸信監督からアドバイスを受けた景山。
「フォア前のレシーブのバリエーションを増やした方が良いと、アドバイスを頂きました。苦手な技術ですが、手数を増やして相手にもっとプレッシャーをかけられるように、高知に帰ってしっかり強化します」
写真:試合後、宇田幸矢(明治大)、高山幸信監督からアドバイスを受ける景山拓海(高知工科大)/撮影:ラリーズ編集部
監督、OBが躍進を支えた
国公立大学勢では唯一、男子シングルス4回戦に進出した景山。高知工科大監督の濵田慎吾氏や、OBが躍進を支えた。
「大会前には(濵田)慎吾さんにアドバイスをもらい、フォアを強化しました。また今大会ベンチには、高知工科大OBの池田頼信さん(高知工科大→順天堂大学大学院)に入って頂きました」
池田は、順天堂大学大学院で卓球の試合分析を専門に学んでいる。複数の試合分析ソフトウェアを駆使し、サービス、レシーブ時の得点率や相手の特徴を分析することで、試合のアドバイスに反映させている。
写真:ベンチコーチの池田頼信(順天堂大学大学院)/撮影:ラリーズ編集部
「試合分析ソフトで分析をして、その結果をもとにアドバイスを口で言うのは簡単。ですが景山は、試合の中でアドバイスを実行して勝ちに繋げました。正直ここまで強くなるとは思っていませんでした」
今大会ベンチに入った池田も舌を巻く活躍を見せた。
写真:景山拓海(高知工科大)/撮影:ラリーズ編集部
池田自身も大学トップでプレーした経験から、アドバイスを実行する難しさを知っている。
その上で、試合の中で確実にアドバイスを実行し、勝負をものにした景山の勝負強さを称えた。
写真:景山拓海(高知工科大)/撮影:ラリーズ編集部
国公立勢唯一の4回戦進出
今大会景山は、2回戦で実業団で活躍する北原大輝(信号器材)相手に、ゲームカウント0-2のビハインドから逆転で勝利を収めた。
「3ゲーム目からアドバイスを受けたバックハンドでのレシーブを多用し、逆転に繋げました」技術力と知力の充実ぶりを感じさせるプレーだった。
景山拓海(高知工科大)と、ベンチコーチの池田頼信(高知工科大→順天堂大学院)/撮影:ラリーズ編集部
「監督やベンチコーチのおかげで4回戦まで勝つことができました」
支えてくれる人達への感謝を真っ先に語る謙虚な姿が印象的だった景山。大学生最後の年となる、2023年のさらなる飛躍を期待したい。
試合結果
男子シングルス1回戦
〇景山拓海(高知工科大)3-1 平林大青(日本体育大)
11-5/11-9/6-11/11-7
男子シングルス2回戦
〇景山拓海(高知工科大)3-2 北原大輝(信号器材)
7-11/4-11/11-8/11-4/11-6
男子シングルス3回戦
〇景山拓海(高知工科大)3-1 道廣晴貴(希望が丘高)
11-7/9-11/12-10/11-6
男子シングルス4回戦
景山拓海(高知工科大)1-4 宇田幸矢(明治大)〇
9-11/4-11/12-10/5-11/4-11