文：ラリーズ編集部
＜2021年全日本卓球選手権大会（一般・ジュニアの部）、2021年1月11日～17日＞
全日本卓球選手権は大会最終日、女子シングルス決勝で石川佳純（全農）が伊藤美誠（スターツ）をゲームカウント4-3で下し、5大会ぶり5度目の優勝を勝ち取った。
2年ぶり優勝狙う伊藤vs5年ぶりの王座奪還目指す石川
伊藤は、準決勝で前回王者の早田ひな（日本生命）をフルゲームで下し勝ち上がってきた。一方の石川は、16歳木原美悠（JOCエリートアカデミー）の挑戦を跳ね除け、決勝に進出している。
写真：伊藤美誠（スターツ）/撮影：ラリーズ編集部
試合は、序盤から伊藤ペースで進む。伊藤は、石川のフォア側を中心に攻め、チャンスと見るとスマッシュで石川のフォア側へ強烈な打球を叩き込む。どうにかラリーに持ち込んで自分のペースで試合したい石川。しかし、サーブレシーブで主導権を握った伊藤が早い展開で得点を重ね、11-4で1ゲーム目を奪った。
2ゲーム目、石川が緩急やコース取りで上手くラリー展開に持ち込む。伊藤にミスも重なり、11-7で石川が奪い返した。無観客の全日本女子シングルス決勝戦、お互いの息づかい、打球音が会場に響く。
3ゲーム目の序盤も石川がリードするが、じわじわと世界ランキング3位の伊藤が追い上げる。徐々にミスを修正した伊藤が、逆転で3ゲーム目を奪取した。
伊藤の速攻か石川のラリー力か
写真：伊藤美誠（スターツ）/撮影：ラリーズ編集部
先に王手をかけたい伊藤と、何としても追いつきたい石川の意地と意地がぶつかる4ゲーム目。石川は積極的にロングサーブを使い、ラリーの展開に持ち込む。しかし、伊藤も強化してきたというラリー力で対応し、最後は伊藤のフォアスマッシュが、石川の台のエッジをかすめ、11-7。伊藤が2年ぶりの優勝へ王手をかけた。
写真：石川佳純（全農・写真手前）と伊藤美誠（スターツ）/撮影：ラリーズ編集部
5ゲーム目を奪い、反撃の糸口を掴みたい石川。伊藤の猛烈なスマッシュ連打を何とか防ぎ、12-10で望みを繋いだ。6ゲーム目も石川は高く緩い球で伊藤のミスを誘う老獪なゲーム運びを見せ、ゲームを連取。勝負は最終ゲームへともつれ込んだ
最終ゲームも石川がリードし、そのまま伊藤を突き放した。石川が嬉しい5大会ぶり5度目の優勝に輝いた。
試合後、石川は「胸を借りて戦おうと思っていた。リードされても最後まであきらめずに戦おうと思っていたので、それができてよかったです。苦しい試合になるというのはわかっていた。もっと思い切りやりなよって自分に言いました。嬉しいです。たくさんに人に感謝したいです。自分の力を試せたし、決勝は特に楽しかったです」と涙ながらに語った。
「久しぶりのチャンピオン嬉しいです。恥ずかしくないように五輪まで準備して、五輪で最高のプレーができるように頑張っていきたい」と抱負を語った。
女子シングルス決勝
写真：石川佳純（全農）/撮影：ラリーズ編集部
伊藤美誠 3-4 〇石川佳純
11-4/7-11/11-7/11-7/10-12/5-11/9-11
伊藤美誠の進化とは
